古本虫がさまよう すばらしき「天声人語」が、地震かミサイルか雪を東京にもたらすか?
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前コラムでも記したように、朝、高松からの大地震発生云々の家人からの電話で驚いたものの、幸い大きな被害はなかったもようだが…。

ともあれ、恐る恐る(?)こちらも出かけることに。

先ずは、神保町へ。古書会館などをぶらぶら。新刊書店では村上春樹氏の本などが景気よく並べられているようだ。

正木不如丘氏の『思われ人 結核医の手記』 (春陽堂書店)、与謝野秀氏の『その日あの日』 (ジープ社)、斎藤正躬氏の『北欧通信』 (月曜書房)、高野功氏の『三月七日、ランソンにて  「赤旗」ハノイ特派員高野功機種の記録』 (新日本出版社)、竹内好氏の『転形記 戦後日記抄』 (創樹社)、鈴木忠五氏の『少年時の思い出』 (谷沢書房)、『インドネシア民族主義の源流 イワ・クスマ・スマントリ自伝』 (早稲田大学出版部)、アンドレ・ペランの『父』 (東都書房)、ガルシア・パボンの『雨の七日間 スペインの推理小説』 (西和書林)、池田浩士氏の『ルカーチとこの時代』 (平凡社)などを買った。

それから高円寺へ。
安野光雅氏&三木卓氏の『らんぷと水鉄砲』 (新潮文庫)、平島晴剛氏の『大阪再見 すきやねんO・S・A・K・A』 (晩聲社)、細島喜美氏の『人間山岡マン之助伝 わが道をゆく』 (講談社)、『リーダーズダイジェスト』 (1949年11月号)などを購入。このリーダイに、オーウェルの当時の問題作「1984」のダイジェストが掲載されている。

ところで、移動の途中、朝日新聞朝刊(4・13)の天声人語を読んでビックリ?
もしかして、地震の原因はこの「天声人語」だったのではないかと。というのも、「産経抄」としても通用する中身だったからだ? 朝5時すぎに天国にも朝日が届けられて、天声人語を読んだお天道様が驚き腰を抜かして淡路島周辺が大揺れしたのでは?

冒頭から曰く「ジョージ・オーウェルの『動物農場』は、豚をはじめとする動物たちが人間に反乱を起こして、解放される物語である」と。そして「作家が寓話に込めたのは旧ソ連のスターリン体制への批判だった」と指摘する。そして、いまは北朝鮮がその対象として当てはまると指摘。

「独裁権力の下では、政治が万事、大げさになりがちである。言葉遣いから物腰まで、時に異様、時に滑稽と映る。動物農場の豚は小難しい言葉を使いたがり、その頭領は自分で自分に『動物英雄勲一等』を授ける。そうした傾向が北朝鮮で極まっていることは、伝えられる映像などでおなじみだろう」…「情報を遮断され、飢えや暴政に苦しむ北の人々に届かないのがもどかしい。それでも恐怖支配に永遠はない」と結語する。

いやはや、まったくその通りではないか。しかし、日本のリベラルな人々はオーウェルの『動物農場』や『1984』をスターリン体制や北朝鮮そのものを描いた作品であるとみなすことに反対してきた。『1984』などは、自由世界内の監視カメラの氾濫ぶり、監視国家の恐怖を描いたともいえるなどと話をずらすことが多かった。そのくせ、北朝鮮や中共のような、よりハードな「1984」体制国家に関しては、見て見ぬフリをしがちであった。

たとえば、アニメ映画『動物農場』(ジョン・ハラス&ジョイ・バチュラー監督)が2008年12月に日本でも公開された時、同年12月18日付け朝日夕刊に奇妙な記事が出たものだった。

この『動物農場』(試写)を見た大学生の感想が紹介されているのだが、それによると、先ず「重労働に耐え、人間に搾取されてきた農場の動物たちが反乱を起こすストーリーだ」「労働者の国であったはずの旧ソ連で権力が腐敗し、『粛清』の名のもと反抗分子が次々と処刑されたことを、動物に仮託して批判した作品と言われる」と記事では粗筋を紹介している。これは正しい。
 だが、大学生たちは「働き者の馬に同情した。けがをして働けなくなったとたん、皮革工場に売られ、殺されるなんて可哀相すぎる」「働けなくなったら殺される動物は、会社に切り捨てられる契約社員と同じだ」「就職が心配になった」と述べているだけだった。

そうした幼稚な学生の感想をたしなめる筆致はなかった。それを思えば、天声人語の筆致は鮮やかであり的確であり素晴らしいものがある。明日は東京に雪が降るかも? まさか? ネバーセイネバー。雪ならまだしもミサイルか?



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