古本虫がさまよう ネット右翼&行動左翼の憂国論とは?
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安田浩一氏&山本一郎氏&中川淳一郎氏の『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』 (宝島社新書)を読んだ。
安田氏は、『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』 (講談社)という大変面白いルポルタージュの著者。
中川氏は『ウェブはバカと暇人のもの 現場からのネット敗北宣言』 (光文社新書)という、これも「ネット被害体験」も含めてユニークなウェブ論をかつて展開していた。
山本一郎氏の著作はあまり読んだ記憶はないが、こうした三人による、それぞれ単独のネット論&座談会を収録している。

フジテレビデモ、反韓流デモなども俎上にのぼっている。フジテレビデモに関しては、 古谷ツネヒラ氏の『フジテレビデモに行ってみた!』 (青林堂)を取り上げたこともあるが、少なくとも「ネット右翼」とは一線を画したデモのように見受けられた。そのあたりの違いはあまり考察されていないように思えるが、いかがなものか。

「サピオ」で櫻井よしこ氏などがネット右翼を批判したことも紹介されている。それは一読した覚えがあるが゛批判は当然だろうと感じた。

それにしても、合法的に節度をもってデモをしたりするのはノープロブレム。反原発デモに関しても「行動左翼」(?)を制御して、右派系も含めてのデモを組織したりした例は、野間易通氏の『金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える』 (河出書房新社)などがあった。

多様な見解を多様な手段によって表明することが可能になっていること自体は結構なこと。思い込みや偏見を排しつつも、率直な物言いをすること自体は間違っていない。 「ネット右翼」や「行動左翼」やいろいろと主張を展開する中で、自然とちゃんとした団体が残っていくことになるのだろうか?

教科書問題などに関しては、「新しい歴史教科書をつくる会」が内部分裂したとはいえ、言論団体として地道に教科書を作成していった点で、ごく普通の市民団体といえよう。
そうした検定にも合格した教科書にひたすらレッテル貼り(?)を行なって、時には威圧的にその採択を阻もうとしたり、採択が決定したのに、無理やりにそれを無効にしようとする「運動」はどう評価すべきだろうか。そうした動きを大マスコミが支援し、世論を一定の方向に仕切るようになったら…。それは「マスゴミ」と形容されてもいいのかも?

そうした実例を詳細にルポしているのが、八重山日報教科書問題取材班・仲新城誠 (なかしんじょう・まこと)氏の『国境の島の「反日」教科書キャンペーン 沖縄と八重山の無法イデオロギー』 (産経新聞出版)である。
扶桑社というか育鵬会という「つくる会」から分離したところの教科書を発行している側(産経新聞出版)からの著作ということもあるが、内容的には、ふうむ、なるほど、やはり沖縄のマスコミの偏りは無視できないものがあるのではないかという印象を強く持った次第。

3・27産経に「小池百合子元防衛相が26日に普天間問題で、辺野古移設に関連して「(反対する)沖縄メディアの言っていることが本当に県民を代表していると思わない。(同党の沖縄選出議員が)戦っているのは沖縄メディアで、それと戦って今回も当選した」と述べたという。

沖縄は昔一度だけ行ったことがある。もう20数年前のこと。台湾は二回行ったことがあるけど?
それはともかくとして、沖縄には二つ新聞があるが、それが朝日と毎日(東京?)みたいなもので、反米、反自衛隊(?)的で両社の論調に大きな差がないという。

そういえば、沖縄のマラソン大会に自衛隊員が出ようとしたり、大学の夜間で学ぼうとすると反対運動が起きたこともかつてあったように記憶している。一部の左翼組合員たちによるものであったかもしれないが、そうした騒々しい人々があたかも「多数派」のごとく振る舞い、同好の記者たちが煽動することもあるのかもしれない。

ともあれ、八重山日報というのは、石垣市(石垣島)、与那国町(与那国島)、竹富町(竹富島)などの八重山諸島をエリアとする販売部数6000部程度の新聞とのこと。地理的には尖閣諸島より南にある。沖縄より台湾に近いという感じである。著者はその新聞社の記者。石垣生まれで琉球大学出身。

事の経緯は以下の通り。

2010年石垣市長選挙で保守系の中山義隆氏が当選。それまでの「反戦平和」市政の見直しのなか、教育長に現職の高校長の玉津博克氏を任命。旧来の議論なしの教科書採択ではなく、きちんと比較検討しようということで議論し、沖縄県八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)では、育鵬社の公民教科書を採択した。ところが、それがケシカランということで、竹富町教委がこれを不採択にしたし、県教祖や地元新聞の大反発を受けて、大騒動となっていく…。

やがて、2011年9月、石垣、竹富、与那国の教育委員13人による全員協議で、育鵬社版の公民教科書が逆転不採択とされた。すると、その決定が不当であるとの文科省などの批判もなされた。
現時点では、文部科学省の義家弘介政務官が、育鵬社版を拒絶して他社の教科書を採用する竹富町教育委員会に対して、育鵬社版の中学公民教科書を使うよう「指導」しているものの、ますます混迷していく。
著者は、そういう騒動のなかにあって、自己の意見は社説やコラムで表明しつつも、報道自体は客観的であろうと務めるのだが…。

このあたりの構図は、この本を読んでいても、複雑でなかなか頭に入りにくいところがある。幸か不幸か(?)沖縄の新聞は特に手にしたことがなく、その影響は受けていない我が身ではあるが、個性と個性というか、ある種のイデオロギー闘争のケーススタディとしても、注目にあたいする「事件」といえる。

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