古本虫がさまよう 2017年08月
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さわやかな「さわや書店」。本屋と、とんかつ屋とどっちが大切か?
(2017・8・17・木曜日)



長江貴士氏の『書店員X 「常識」に殺されない生き方』 (中公新書ラクレ)を読んだ。

内容紹介→2016年、地方の一書店が仕掛けた「文庫X」なる謎の本が、日本中を席巻した。表紙をオリジナルの手書きカバーで覆い、タイトルと著者名を隠すという前代未聞の試みは、全国650以上の書店を巻き込み、30万部を超えるヒットを記録。マスコミにも大きく取り上げられた。本書では、ヒットに至るまでの道のりとアイデアの秘訣を分析し、それらと著者自身の半生を踏まえた上で、世の中を生き抜く力について語る。

著者は、盛岡の さわや書店の店員。さわや書店といえば、伊藤清彦氏の『盛岡さわや書店奮戦記』 (論創社)を読んだことがある。
それはさておき、清水潔氏の『殺人犯はそこにいる』 (新潮文庫)という作品に感銘を受けて、この本を売るためのアイデアとして、「文庫X」的手法を編み出したとのこと。その経緯や軌跡を記しつつ、あとは自叙伝的なライフスタイルなどを綴った本。大学中退の体験もあり、いろいろと人生の挫折もあったようだ。ほかの書店でも、この手法を取ったという。買わないと何の本か分からないが、買って読んで損はしないという触れ込みでもあったようだ。

のちに、この本が清水氏のそういう本であったとのお披露目もやったそうだ。そういえば、ついこの前も神田の三省堂で、この「文庫X」が売られていたかと。
特に関心はなかったので、手にはしなかったが……。 「エロス文庫X」と題していたなら、なんだろう、あやしげな本だな?ということで手にはしたかもしれないが…。開けたら、トー・クンの『女教師』だったり? この本はすでに数十万部売れているみたいだから、いまさら…かも?

清水氏の本は『「南京事件」を調査せよ』 (文藝春秋)を読んだことがあり、イマイチの読後感を抱いたことは記憶しているが…。この新潮本は未読。そのうち機会あれば読んではみたくはなった。
巻末に、両者の対談や、お薦めの本なども紹介されている。あいにくと読んでいるものがあまりなかった。ちょっと読書傾向が異なるのかもしれないが…。

いやいや、この書店が、百田尚樹さんの『永遠の〇』 (講談社文庫)にも火をつけるきっかけになったという。そのことは昨日紹介した百田さんの『戦争と平和』 (新潮新書)の第二章「『永遠の〇』は戦争賛美小説か」というところでも詳述していた。

「嬉しかったのは、出版業界で『小さな大書店』と呼ばれることもある岩手県盛岡市のさわや書店が積極的に販売してくれたことです。さわや書店には目利きの書店員が何人かいて、一般には注目されなかった本を大々的に売り出し、全国的なベストセラーにしたことが何度もあるという不思議な書店です。さわや書店では、後の文庫も含めて累計約一万部も売ってくれました。人口約三〇万人の盛岡で、この数字は驚異的です」

南京虐殺を否定する百田さんと、あったとみなす清水氏とは「水と油」であろうが…。

個性ある筆者の書くものには、いろいろと反発もあるのだろうが…。また、作品によっては評価が異なることもありうるだろう。一作、一作、個別に評価を与えていくべき。『永遠の〇』も、宮田昇氏などが高く評価していたそうな。進歩的な人々の間も、この小説をめぐっては、いろいろと評価が異なるようだ。百田さんも指摘しているが、右派系の中にも、批判する人もいたそうな。

ともあれ、一つのアイデアを生み出す背景に、いろいろと努力なり偶然なり運なりさまざまなものがあったことを感得することのできる一冊であった。

ちょっと話題はズレるかもしれないが、 『ポパイ』 (2017年9月号)「君の街から本屋が消えたら大変だ!」という特集を組んでいた。

著名人の好きな(古)本屋の紹介(又吉直樹さんは「百年」、いしいしんじ氏は「三月書房」、東出昌大氏が「ロスパペロテス」…など。いずれも、僕も行ったことのある(古)本屋)等々。
ほぼ丸ごと一冊、本特集号だった。これも面白く読んだ次第。たしかに盛岡から、いや日本から「さわや書店」が消えると大変なことになるかも?

ちなみに「ブルータス」(2017年8月15日号)は、「とんかつ好き。」特集。「いもや」は出てこなかったようだが、これまた著名人などの贔屓の豚カツ屋などが紹介されてもいた。自分が多少なりとも行き来するところにも、よさそうな店があるようだが、まぁ、「いもや」で十分かなと。浮気もせず、目移りもせず、死ぬ直前まで「いもや」で「豚カツ」「天丼」を食べ続けることになるだろう。安くて美味い(そして禁煙)が一番だから!

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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