古本虫がさまよう 2013年10月
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「日本たばこ」は悠々自適? リストラ云々に騙されるな!

(2013・10・31 木曜日)






2013・10・30の朝、NHKテレビのニュースで日本たばこが売り上げ減のために国内の工場の一部を閉鎖したり、社員をリストラする云々と報じていた。

そして、その日の朝日夕刊トップ記事(「JT、社員2割削減へ」「1600人 4工場を閉鎖」)を拝読。全体の販売数量が減少する中、かつての独占も外国製タバコの流入でシェアは縮小しており…云々と。
これらを見て、たばこ嫌いの人は、快哉を叫んだかもしれないが、そうは単純な「美談」ではないようだ。

朝日記事にも、日本たばこは、海外進出もすすめていると出ているし、それでいまや世界第三位のたばこ会社だそうな。まだまだ油断禁物? それに、こうした報道で、日本たばこが四苦八苦していると思うと、それは早合点でしかないかもしれないのだ。

というのも、松沢成文氏の『JT、財務省、たばこ利権 日本最後の巨大利権の闇』  (ワニブックス)をちょうど読んでいたから気づいたのだが。

著者は前神奈川県知事として、タバコの禁煙条例の制定などに前向きで、今は「みんなの党」の参議院議員になっている。

たばこ1000円論で有名な笹川陽平氏との共著『それでもタバコを吸いますか?』 (幻冬舎)も以前紹介したことがあるが、本書でも反タバコの持論を展開している。

松沢氏のこの本は、タバコ業界の内実が実に詳しく解剖されている。日本たばこの邪悪な商法の実態も鋭く告発されている。題名にもあるとおり、タバコ栽培農家などの表面的な保護論や自治体の財源がらみで否応なくタバコ批判を封じる手法など、日本たばこという会社は、「巨大利権」めぐって、本当に時代劇に出てくる悪代官顔負けの商売人根性丸出しといった感じである。

国内工場を減らしているのも、なんのことはない。単に製造拠点を海外にシフトしているだけなのだ。
「たばこの消費量が減ったから自動的に(国内の)工場も減ったのではない。JTの関連会社(子会社)の一つである『日本たばこアイメック』が、海外で製造したたばこを輸入して販売しているからである。もちろん海外製造たばこが、外国産の葉たばこであることは言うまでもない」と。

そう、新聞、とりわけテレビ報道などは表面だけ報じているだけなのだ。日本たばこは、たばこ離れで四苦八苦しているわけではなく、海外に製造拠点を移し、安い葉たばこを利用して製造しているのだ。そのため、国内工場などを閉鎖しているだけなのだ。

日本のメーカーが、賃金の安い海外に工場を移転し、国内工場を閉鎖しているのと同じであって、メーカーそのものが左前になっているというわけでは必ずしもないのである。ううむ、騙される、いや、ぬか喜びするところだった。

それにしても、タバコはなるべく住んでいる地元で買うほうがいいというのはよく言われる話。たばこ一箱410円のうち、264円が税金で、国税たばこ税が106円で、市町村たばこ税が92円程度だという。練馬区のコンビニで410円のハイライトを買うと、そのコンビニは練馬区に92円程度の税を納付することになる。
練馬区の総税収のうち、6%近くが特別区たばこ税だったという。そのほか,国税としてのたばこ税の25%が地方交付税交付金になるので、練馬区には正味総計120円程度が入ることになるそうな

「だからこそ、地方自治体は、受動喫煙防止などのたばこ規制強化になかなか踏み切れない」と松沢氏は指摘している。

なるほど、港区の新橋SL広場前にしても、仙台駅前デッキにしても、豊島区の池袋西口公園にしても、あちこちの駅前広場で青空喫煙所があるのもそういう理由からかもしれない。喫煙指定ゾーンを設定しても、それを守らせようともしないのも、そういう背景があるのかもしれない。
駅前広場で吸ってくれれば、当然、近所で買ったタバコを吸うことになる可能性が高くなるから、税収が増えると…。

だから、青空喫煙所を適当に造り、その領域を超えて吸っても取り締まることなく吸わせ放題にするのだろう。池袋西口公園もしかり。要は区長が金に目がくらんでというか、横着なのか、喫煙者だからなのか、どちらにせよ、こういう政治家は、健康というか、環境美化というか、そんなものより、カネ欲しさの精神的構造を有する人なのであろう。

それにしても、みずほ銀行の頭取、やくざ融資の責任とって半年間給与(役員報酬)を返上しても(要は給与半額)、年収6000万ぐらいとか。

同様に、日本たばこ、国策会社とはいえ、取締役で平均年収6000万円を超えるという。国会議員というか、首相クラスでも3000万程度だというのに。

名ばかりの「リストラ」「国内工場閉鎖」報道で騙されてはいけない。この会社、まだまだ余裕綽々なのである。

たばこ税を有効利用して、完全分煙の閉鎖的な喫煙ルーム設置のために、投資するとかすればいいのにしない。青空喫煙助長、立ちどまって吸えばいいんだという幻想まき散らしのための広告戦略…。そうした国策会社に対して敢然と異議を唱え、孤軍奮闘している松沢氏は偉いというしかない。感心した次第。「ガンバレ、ニッポン、負けるな、日本」じゃなくて、「負けるな、日本たばこに!」とやりたいもの。

公道に面している狭い100円駐車場などにはびこり、立ちどまって吸えばいいだろうと考える喫煙者たち…。そういう人たちは、建屋のない原発のような存在だ。鼻孔に悪臭を嗅ぐことなく一日を終えることができない、一々レストランに「オタクは終日禁煙ですか、禁煙席ありますか、その禁煙席は完全に喫煙ゾーンから遮断されていますか、出入口は禁煙ですか、そこから悪臭が店内に漂ってきませんか…」と確認しないと楽しく外食もできないような野蛮社会がいつまで続くのだろう。

だからこそ、日本たばこが取締役以下の給与を削減し、たばこ税の値上げの一部を使って、完全遮断型の喫煙ルーム建設・維持のために「投資」すべきなのである。それなのに、公道でも立ちどまればいい、青空に拡散すれば環境は大丈夫といわんばかりに、何の対策もしないまま、「喫煙文化」戦略で喫煙権を声高に主張しているだけなのは、企業としての社会的責任を放棄しているというしかない。

日本たばこには、もう少しまともな経営者を入れて抜本的改革をしてほしいものだ。

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