古本虫がさまよう 2012年11月
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佐々淳行氏の『「国土」喪失 なぜ日本は領土を守れないのか』 (PHP研究所)を読んだ。解散が確定する前に校了になったようで(あとがきの日付は10月)、解散の決断をしない野田首相を手厳しく叱責しているが、内容に関しては古臭くない。
元警察官・警察官僚・防衛官僚などとして活躍した佐々さんならではの、具体的な憂国の発言が収録されている。

ベレンコ中尉の函館亡命事件などの時の官僚内部の事勿れ主義の体質(何処が担当するかで責任逃れの論争が発生――当然防衛庁かと思いきや、領空侵犯は空の対応、空港に着陸した以上は密入国だから法務省ではないかと。法務省は密入国というのは海を泳いだり国境を越えてくるもの、軍用機で強硬着陸するのは入管が担当だと。入管は、飛行機は運輸省の責任だと。運輸省は民間機はうちだが、軍用機は扱わない。警察が担当だろうという声があり、というのもトカレフ拳銃を持っているから銃刀法違反だと。そのうち亡命したいというなら外務省ではないか…と)や決断できない政治家のテイタラクなど、一読して惨憺たる思いをするしかない。
湾岸危機や阪神大震災や東日本大震災でも同じような光景が続いてきたのだから。

それでも、超党派の心ある政治家たちなどの努力によって、国防・有事・危機管理体制にせよ、自衛隊の任務と役割などの面で若干の前進があった事実も指摘されてもいる。

「超法規発言」で「解任」された栗栖弘臣さんが防衛庁を去る時、背広組・内局の面々には見送りに行くなという「厳命」が上からあったそうだが、佐々さんは敢えて見送りに行ったという。泣けるねぇ!

こういう人が政治家になれば、大臣になれば、何かがもっといい方向に早く変わっていたのではないか。今からでも遅くない? 1930年生まれだから、石原慎太郎氏よりちょっと年上だけなのだが…。さすがに…。残念至極。

栗栖解任劇と田母神俊雄氏のあの解任劇とは、また違った側面や解釈があるのかもしれないが、それはともかくとして、佐々さんより遥かに若い田母神さんは今回の総選挙には出馬しないのだろうか。

栗栖さんは民社党から参議院選挙東京地方区から出馬し、残念ながら北朝鮮がお好きだった(?)宇都宮徳馬さんなどに敗れて次点だったが。その後は、言論の世界で現実的な防衛論を展開していった。講演などを何回か聴いたことがあったが、感じのいい人だった。
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