古本虫がさまよう 2012年07月
2012 07 / 06 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫08 next month










寺脇研氏の『ロマンポルノの時代』 (光文社新書)を読んだ。著者は元文部省のお役人。「ゆとり」教育推進者として、保守派の中では評判の悪い人だ。

そういえば、これは一般論だが、文部省でゆとり教育を推進した人や格差社会反対論を展開している人が、自分の子供はちゃっかり私立一貫学校、進学校に入れていたとしたら、この前紹介した「ジキルとハイド」的教員(昼は有名な教育者、夜はエロサイト運営者)と同じ穴のムジナになってしまうだろうか?

それはさておき、官僚としての仕事をやりながら、映画評論などもしていたようで、その関連の著作もいくつかある。昔、ぱらぱらとめくった記憶があるが、こちらは映画には青春はあまり賭けていなかったので…。

本書は、その映画関連の書である。テーマがテーマだけに、期待して読んだのだが…。

著者は1952年生まれで、日活ロマンポルノが上映されだしたのは1971年。18歳以上になっており、「合法的」に劇場に立ち寄ることになる。
12月4日に新宿オデオンで初めて見だしたとのこと。団地妻シリーズに感銘を受けたり、見た映画の感想を映画雑誌に投稿して採用されたりもし、その再録などもある。採用されなかった投稿も手元に残していたようで再録している。映画評論家として活動していた時期に書いた映画論もこれまた再録されている。優秀な官僚になる人というのは、若い時から記録魔なのであろうか。

ロマンポルノが上映され始めた初期は、童貞で彼女もいなかったそうで、そういう人間がロマンポルノを見てもイマイチの感想しか綴れないと「謙遜」しつつ、やがて恋愛し結婚した後ともなると、徐々に作品の深みも分かるようになり…とのこと。ううむ。

この前、日活ロマンポルノ非合法鑑賞体験を綴った、みうらじゅん氏の週刊文春の連載コラム「人生エロエロ」や、監督だった小沼勝氏の『わが人生わが日活ロマンポルノ』 (国書刊行会)を紹介した。それらとあわせて読むと、日活ロマンポルノの「歴史」などはよく分かるのではないか。
寺脇氏も作品論のみならず、監督論や時代論なども綴ってはいる。

こちらは前にも指摘したが、日活以前のピンク映画にしても、日活ロマンポルノにしても、「女優」の質がやはり当時はイマイチだったというしかない。著者が感動したという片桐夕子宮井えりな、などは…。全く僕の好みではなかったし? でも、演技力はあったのか?
泉じゅん東てる美は見た目では水準に達していたが、原悦子美保純がそんなにいいのかな?とも当時感じていたんです? 一般女優がポルノに出演云々もあったが、水沢アキが出演していたならともかく天地真理やら落ち目キャラクターの人気挽回策程度では…。
また「裸」目的の鑑賞故に、作品論云々と言われても、記憶もあまり残っていない…と。
宇能鴻一郎の〇〇シリーズは、タイトルなども含めて多少記憶に残っているが…。原作も読んでいたし?

著者は、文化庁にいた時に、日韓文化交流の一環として韓国で日本映画祭をやったとのこと。その中でロマンポルノの作品も上映したという。そのことで、「正論」で右翼学者が批判したり、赤旗で左翼映画評論家から攻撃を受けたことに反論している。

「このお二人に共通するのは、ロマンポルノという名称に対するいわれなき差別である。個々の作品を観て、下品だの下劣だの言うのではなく、最初からレッテルを貼っている。男女の情交場面を描くのがいけないというなら、ポルノと銘打たない現在の作品だって同じだろう」…と。

その反論の言わんとすることは分からないでもないが、たかがポルノを映画祭で上映とは…と思わないでもない。
日活ロマンポルノは、昨今のアダルトビデオに比べれば、ストーリー性もあり、起承転結もあるドラマだと思うけど、かといって「おもいでの夏」「青い体験」程度の波瀾万丈や時代性があったかといえば、記憶に残る限りは(当時の僕の「鑑賞力」にも問題があるだろうし、全共闘世代的価値観などを背景としたものには拒絶感も持っていただろうが)あまりない。

それはともかくとして、引き続き、三浦大四郎氏編の『人生座三十五年史 焼け跡から文芸座まで』 (人生座)を読んだ。池袋にある(あった?)文芸座の軌跡をまとめた本。文芸座の前身が人生座で、その創始者が三角寛とは全く知らなかった。その三角氏の娘と結婚し婿養子となったのが三浦氏。
俳優や識者の想い出コメントも含めてまとめられている。ネットで見ると、文芸座は新装オープンして今も池袋で映画を上映中のようだ。
活字にはごらんの通り執着している我が身だが、映画に関しては、さほどの思い込みもないまま青春時代を過ぎてしまった。本を読むのに忙しく、映像にまで(特定嗜好分野は別にして?)時間を割かなかった。
文芸座に関しては、名画座として学生時代、時々出入りしていた記憶がある。「青い体験」はたしかここで見た? 立ち見だったかのような記憶がある。ウフフ?

神保町の三省堂裏にも「映画館」ができたみたいだが、まだ足を運んだことがない。映画も年に一回見るか見ないか程度。レンタル屋で借りて見ることもめっきりなくなった。テレビ内蔵の録画テープに何本かテレビで放送した「名画」もあるはずだが、見ないまま何年か経過している。
学生時代は「デート」コースとして封切り映画を見ていたこともあったし、名画座も三軒茶屋や飯田橋やら大塚やら寄った記憶もあるし、特定嗜好分野映画館は、それこそ、「ぴあ」を片手に都内周辺(大山・府中…)を駆けめぐったこともあるが?
本書を読んでも、懐かしいというほどの気持にはなれず、淡々と読了した次第。
池袋も最近は東池袋の古本屋を見て、東急ハンズを見て、ブックオフを見て往来座を見て八勝堂などを見るぐらいだから、文芸座があった方に足を伸ばすことも全くない。文芸座に行く途中、特定嗜好分野中心の名画座(地下一階)があったかと。あの頃300円(いや250円?)ぐらいだったか? あの小便臭い場末的な映画館で見たアネット・ヘヴンは忘れられない。
日活ロマンポルノ女優に、一人のアネット・ヘヴン(ヘブン)がいただろうか? それが問題だ!
スポンサーサイト
 | エロス  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ