古本虫がさまよう 2011年06月
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積んどくしていた野村恒彦氏の『神戸70s青春古書街図』 (神戸新聞総合出版センター)を読んだ。著者は1954年神戸市生まれ。推理小説が好きで、高校一年の時に初めて古本屋に足を運んで以来の古本ハンターとのこと。大阪の大学に通ったこともあり、阪神間の古本屋行脚の体験、蒐集記。

僕も学生時代に関西方面に遊びに出かけて以来、社会人になってからも、たまの関西出張の時に、暇を見つけて阪神間の古本屋行脚や古本市めぐり(四天王寺、大阪古書会館など)をしたことがある(京都方面もたまに出かけたり)。本書にも出てくるサンパル古書の町もよく通った(といっても年に一回あるかないかの話。針小棒大?)。万葉書店も大規模でワンフロワーを使っていて古書も多く堪能したものだ。その下の階にあった何軒かの古本屋もよく通った(この古本屋「街」も盛衰あり、引っ越しあり)。いまでは万葉書店も畳んでしまい、一階下の古本屋も一軒か二軒になってしまったか。そこを見てから神戸までの間の古本屋もよく通った。高架下の暗いなんともいえない昭和枯れススキ的な商店街の中にある古本屋もいい味を出していた(今も一部健在。阪神大震災でも生き残ったのか)。

大阪駅の阪急古書の街も懐かしい。
その他、大阪球場内の古本屋も何度か通った。大阪球場なき後は、その回りにある古本屋にも足を運んだものだ。

著者はポール・ニザンの『アントワーヌ・ブロワイエ』 (角川文庫)は未見で、ロジャー・サイモンの『エアー 相続者』 (角川文庫)は最近になってようやく入手したと書いているが、僕はどちらも長年積んどくしている。僕はミステリファンではないが、マイケル・ケニアンの『アイルランドで殺せ』 (角川文庫)というコミカルミステリはカバーの違う版(二種類)をそれぞれもっている。こんな文庫本がブックオフなどに105円であれば掘り出し物であろうが、なかなかそういう奇跡は起こらない。 コジンスキーの『異端の鳥』 (角川文庫)も相変わらず、高円寺の某古本屋で2000円で売れ残っているのをこの前の土曜日にも確認した。図書館で借りて読んでいるので食指が動かないが、半額なら買ってもいいのだが…。こういう本もブックオフで見かけたら…。これまたミラクル。
本書を読みながら、こんな風にあれやこれやと懐かしく思った次第。

たまたま昨年12月に西宮方面に私的な用事があったので一泊二日で出かけることにして、久しぶりに(4年ぶりか?)阪神・岡山方面の古本屋をめぐった。その時の古本ツアーのメモを以下紹介しておきたい。

 二〇一〇年年末関西・岡山古本屋ツアー

 二〇一〇年、青春18切符使っての最後の冬の古本屋行脚は神戸岡山へ(前にも述べたように二〇一〇年八月は仙台一泊二日古本屋行脚ツアーをしたし、二〇一一年三月も青春18切符を購入し出かけようとしたものの3・11大地震のために中止を余儀なくされた)。
二〇一〇年十二月某日に西宮で会合(午後一時半~三時半)があるので、それに出席する前後を古本屋めぐりに。
 某日朝六時発ののぞみに乗って新神戸へ。品川の新幹線ホームに相変わらず喫煙者が跋扈し(青空喫煙所を設置している)、待合席が空港のテレビみたいに音声を流しているのに唖然として改札口にいる職員に抗議。
「羽田空港みたいに喫煙ルームにしなくちゃダメじゃないの。テレビが煩いから本が読めない」
すると「ご意見として受けたまわります」と官僚的答弁。何度言ってもそんな対応だから、「俺はJR連合が好きなんだぞ。JR総連が大嫌い。松崎も死んだし。でも禁煙に関しては悔しいが、JR東日本の方が進んでいないか」と言うと、急に態度が豹変?
 「あ、それは、それはどうもどうも。いや本当は私も吸わないし禁煙がいいんですが、いろいろとありまして」と、人間的答弁に。

新幹線品川ホームはJR東海の管轄。基本的にJR東海の方が経営者も労組もいいと思うが、禁煙に関しては遅れている。会長がスモーカーなのかしら? のぞみも全席禁煙と言いつつも、車内でタバコが吸える喫煙ルームがある。ただ、これは「ルーム」のようだから、外に悪臭が一切漏れないのならまぁ許容範囲だが、そんなことが可能なのか? 消臭機能のついた喫煙ルームなのか? でないとそこで吸った人の服には悪臭がしみ込むだろうし、そんな輩が隣に来たら臭くて堪らないだろうし。やはり全面禁煙か、消臭シャワー付きの喫煙ルームにしないとダメだろう。幸い、行きも帰りも二人席で、隣には人が来なかったのでそういう被害もなかった。
 
八時半すぎに到着。新神戸で下車するのは数年ぶり。地下鉄に乗って三宮に移動。元町高架下をテクテクと歩いて神戸メトロ地下の古書のまちへ。高架下の古本屋はまだ開店していなかったが、メトロの方は九時半から開いている店もあるので寄った次第。二軒開いていたが大したものはなく見るだけ。エロエロ多し?
 又来た道を戻ると、高架下の古本屋も何軒か開いていたので覗くがさほどの本はなし。その後、正午開店の古本屋「ちんき書房」を久しぶりに覗くもののここも見るだけ。店主・戸川昌士先生のお姿を拝見しただけ。

戸川氏の『猟盤日記』『進め!猟盤日記』 (ジャングルブック)、『古本パンチ』『やられた!!猟盤日記』 (東京キララ社)、 『おまた!!猟盤日記』『助盤日記』 (太田出版)はいずれも傑作。古本やらレコードやアダルトビデオなどの蒐集やら参考になること多々。戸川昌子氏もいいが、戸川昌士氏もいい。ただ、このお店、なにぶん狭い。本やら雑誌など品揃えはユニークだが、量が少ないのが残念。
「ちんき書房」を出た後、すぐ隣の赤萬で餃子を食べようと思ったが、日曜日は午後一時からのようで準備中。やむをえずにそのまま三宮方面を歩き、ホテルにチェックイン。阪神電車で西宮へ。会合には知人も出席していてご挨拶。和やかに語り合って閉会。
 
すぐさま、阪神電車で梅田へ。先ずは阪急古書のまちへ。ここも特に買いたい本はなく、見るだけ。その後地下鉄で難波へ。知人と一緒にこの界隈を歩いたこともあったなと。南海ホークスが去ったものの大阪球場はまだあって、その中の古本屋街も存続していた頃だったかと。その球場も消滅しているが、周辺に南海なんば古書センターなどがある。数軒覗く。ここでやっと一冊購入。その他、ブックオフもあって覗くが難波にしてはあまり大きくないブックオフだった。勿論買うものなし。
 夜も七時頃になっており、阪神電車で元町へ。赤萬で餃子を食べようと思ったら、もう閉店。売り切れたか。また「ルミナリエ」とかやっていて凄い人手。交通規制もしている。元町から三宮へと逆コースだったために行きにくい。三宮のブックオフ(地下)も小さい。見ただけ。コンビニで弁当やビールを買って戻る。
 今日一日だけで二十軒ほどの古本屋を覗くものの買った本は一冊だけ。万歩計は三万歩弱。かなり歩いた。

 翌朝、七時過ぎに三宮を出て姫路へ。青春18切符使用開始。混んでいて立ったまま。姫路で岡山行きに乗り換えるのだが、乗り換え時間が少ないのに、階段がラッシュでままならず。やっとホームに着いたら、何と岡山行き電車は人身事故ならぬ猪身事故(猪と衝突)のため遅れていると。二十分ほど遅れて出発。途中ウトウト。猪も出そうな雰囲気もあった。
 岡山駅に着いて万歩書店(本店)行きのバスに乗ろうとしたら出た後。三十分に一本ぐらいしかないので時間を潰して乗る。
 途中、「古本市場」の看板なども見かけたが、万歩書店(店内をくまなく歩いて探索すると一万歩になるとか?)はブックオフのすぐ傍にあった。二時間ほど滞在して千歩ほど歩いた。まずまずだが期待ほどではなかった。二階もイマイチ。仙台の万遊書店(鉤取)の方が品ぞろえ的にももっと面白いものがあった。ただアダルトコーナーはこちらの方が充実している?
 柘野健次氏の『岡山 古本屋巡礼』 (柳本印刷株式会社)、鈴木俊子氏の『ソ連社会の実情と私の体験』 (極東出版社)、永江一夫氏の『わが昭和史』 (アート印刷)、畑山博氏の『三四郎記者 事件の底に流れるもの』 (六月社)P・F・カンパニーレの『オルゴン・ボックス』 (集英社)を購入。まあまあか。橋(川)隔てて直ぐのブックオフを見るものの買いたいものなし。万歩書店に比べて小奇麗ではあるが。トイレだけ借りる。
 
万歩書店も他の支店も覗きたかったし、岡山駅周辺の古本屋も見たかったが、雨だし頭痛もするのでやめて明石へ戻り、そこの古本屋二軒覗く。出たばかりの『古本屋名簿』 (日本古書通信社)にも出ていない古本屋があったので立ち寄った次第だが、どちらも小さな古本屋。買いたい本はなし。この『古本屋名簿』はコンパクトなので便利でこの旅にも持参。ネット時代だから、ネットに接続できる携帯を持っていれば不要なのかもしれないがアナログ世代にとってやはり紙のほうが見やすい。営業時間などが一目で見られるし。ただ、巻末のどうでもいい「情報」は全くの不要。何でこんなムダをするのやら?
 
次に元町の赤萬へ。まだ六時前だからか空いていた。やっとありつけた餃子(二皿)とビールで晩飯。あと、すぐ近くにオープンしたばかりの海文堂書店(新刊書店)の二階の古本コーナー(元町・古書波止場)を覗く。神保町三省堂や高田馬場芳林堂にある古本コーナーのような感じだ(この前、そこを覗くために久々に芳林堂に寄ったが、いやはや云拾年前と全く同じような棚の構成。変化なし。素晴らしいというべきか?)。馬場の方は買いたい本はなかったが、元町はそこそこ購入。倉島至氏の『私と韓國』(佐藤印刷)、大高まさる氏の『花ひらく婦人たちの国 ドイツ民主共和国の婦人と生活』(鳩の森書房)、李 「王」+「宣」根氏の『民族の閃光 韓末秘史』(時事通信社)等(注・この海文堂で「女子の古本屋による女子の古本市」が2011年6月24日~26日に開催されたようだ。黒磯の白線文庫(女店主)などが出展したようだ。今回は、残念ながら足を運ぶことはできなかったが盛会だったら何より)。

 その後、三宮のスーパー内(サンパル)にある古本屋を覗くが買いたいものなし。回りにあった古本屋もなくなり、この上の階にあった大きな古本屋(万葉・マンヨー)も今はない。何度か通ったものだが。
 これにて二日がかりの四年振りの関西古書ツアーも終了か。延べ軒数にして二十数軒古本屋を覗いた勘定になる。元町から三宮までテクテクと歩き、三宮から地下鉄で新神戸へ。
 家への土産にゴーフルなどをカードで購入しようとしたら、レジの人が千円と五百円の包装(同じ長方形型で厚さが違うだけ)が同じために、千円のバーコードをピッとやって「2」を押して云千円という。間違ってないかと指摘。するとカードのデータを直すのにあれやこれや。新幹線の時間は十分余裕があるが、いささかむっとして待つもののなかなか修復できず。怒り爆発!「買うの止めた。御破算にしてくれ」と。するとまたその処理にも手間かかる始末。やれやれ。バーコードは便利だが、安易に同じ包装と思って、数字で掛けて処理するのは禁物だ。ビールなども緑の似た外装だからと安易にやることがあるが、ハイネッケンとグローリッシュなど見た目に似ているものがあり、値段が微妙に異なる場合がある。安い方で掛けてくれれば沈黙するのだが? 売り上げってそういうことで落ちていくんだよ。新神戸もめったに行かないが、古本屋を再訪することはあっても、この駅の売店で買うことはもうないだろう………。

とまぁ、こんな感じで関西方面の古本屋を時々行脚していたものだ。せいぜいで年に一度あるかないかの古本屋ツアー。阪急古書の街や三宮ガード下の古本屋街ぐらいなら足が覚えているが、それ以外の古本屋は一期一会。一度めぐったらそれっきりも少なくない。野村氏は地元ということもあり何度でも行けたことだろうが。
 

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