古本虫がさまよう 2011年05月
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山内麻美氏の『バッタンバンのタッカシー カンボジア支援に捧げた堀本崇の生涯』 (未知谷)を読んだ。大変感銘を受けたノンフィクション評伝だった。
題名(バッタンバンのタッカシー)は分かりにくい。バッタンバンはカンボジア内の地名。タッカシーは堀本崇の「崇」。現地でそう呼ばれていたという。
彼は、1967年生まれ。松下政経塾に入り、1993年にカンボジアPKO選挙監視員として参加したことからカンボジアにのめり込むことになったようだ。曽野綾子さんと共に身体の不自由な人と共に聖地巡礼の旅にも参画している。その経緯は曽野氏の『神さま、それをお望みですか 或る民間援助組織の二十五年間』 (文藝春秋)にも記されているとのこと。そういえば、その本も読んだ覚えがある。

爾来彼はNGOを作り、カンボジアの孤児、貧困家庭子女の自立支援のために活動。カンボジア政府からも勲章を貰ったりしていたという。だが2006年11月にバイクを運転中交通事故で死亡。飲酒運転のバイクが突っ込んできたため。堀本氏もノーヘルだったという。
政経塾出身だから、当然政界出馬も考えていた。本書の中でも出馬寸前まで行きながら断念するシーンも描かれている。事実上無給というか母親の支援で自分自身の生計を立てていた身でもあったようだ。

1979年生まれの山内さんは、大学3年の時に堀本氏の講演を聞いたそうな。そしてカンボジア支援活動にも参加して縁ができたという。
堀本氏の諸活動に協力したさまざまな人が登場し、彼の人となりを語っている。志半ばで不運に倒れてしまったわけだが、大いなる志と実践の軌跡がこうした形で残ることになったのは不幸中の幸いというべきか。それにしても飲酒運転をするような愚鈍は、どうしようもない輩たちというべきか。またいい人が早く亡くなる傾向もあるのか。政治家になってほしい人がなれず、どうでもいい人が政治家になってつまらない回顧録を書く?という傾向もあるのか。

その点、松尾正夫氏の『代議士秘書は見た! 公設秘書歴17年の著者がつづる政界裏話』 (文芸社)は少し面白い。兵庫選出の民社党の国会議員(委員長)だった佐々木良作氏の秘書だった著者がつづった自叙伝。
ごく普通のサラリーマン(関西)だった著者がふとしたきっかけで代議士秘書になる。テレビの討論会で民社党の佐々木氏が正論を語るのに関心はするものの投票にも行かないようなノンポリの若者だった。東京に転勤した時に選挙があり民社党が惨敗して佐々木氏が涙ぐみながら敗戦の弁を語るのを見て、励ましの手紙を議員に送った。すると印刷物ではあったが礼状が届き身近に感じるようになったとのこと。その後入党し選挙の応援にかけつけるようになり、やがて佐々木氏の私設秘書になり公設秘書となっていく。
   民社党時代のさまざまな政治工作(自民党との連立交渉など)の裏舞台などをつづったりもしている。民社党がなくなり日本新党や新進党や民主党の議員の秘書になったり一時県議にもなる。そんな政治に携わった半生が綴られている。
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