古本虫がさまよう 軍事
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国家の暴力、市民の暴力、相撲力士の暴力、暴力にもいろいろとあり?(2017・11・21・火曜日)





阿部岳氏の『ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実』 (朝日新聞出版)を読んだ。


内容(「BOOK」データベースより)
人口140人ほどの「東村・高江」。自然豊かな小さな集落を取り囲むように、「米軍ヘリパッド」の建設が計画された。建設に抗議する市民に、政府は本土の機動隊約500人を派遣。排除のため、むき出しの暴力が市民に牙を剥く。「静かな普通の暮らし」を求める沖縄の声を、強権発動してまでも抑えつける政府。記者の目に映ったのは、この国の危機の縮図であり、あすの本土の姿だった―。本土では伝えられない、沖縄の山奥で起きた「165日間」に迫る。


著者は沖縄タイムスの記者。冒頭から「民主主義が壊された」「人権が踏みにじられた」「法治主義が揺さぶられた」「命が危険にさらされた」…といった凄まじい言葉が出てくる。中国の当局と戦っている人権弁護士みたい? 某相撲部屋の親方もそういう思いで、警察に被害届けを出したのかな?

逮捕され長期に不当勾留されたとして山城博治なる人物にはきわめて好意的。福岡の暴力団退治のために送られた機動隊員が530人だったが、ほぼ同じ人数を高江に差し向けたとして「凶器を持つ暴力団と丸腰の市民を同列に扱ったのだ」と批判している。そのほか「ニュース女子」問題やらいろいろと論じているが、すべては「市民」の側にたったものといえよう。

以下は一般論であるが…。
戦時中、日本軍と共に「従軍」した作家や新聞記者がいたが、彼らは当然、「日本軍」のお先棒を担ぐことを原則的には余儀なくされただろう。同様に「市民」とやらの集団に百%支持を表明するかのようにお先棒を担ぐジャーナリストもあるのかもしれない。これはあくまでも一般論であるが…。

ただ、安田浩一氏の『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』 (朝日新聞出版)は、まだ幅広い取材対象者に接し複眼的な視点を読者に、若干とはいえ提供してくれていたなとの読後感が頭の片隅にかろうじて残っているが、阿部氏の本に関しては、そういう読後感がとくには残らなかった。

ともあれ、こういう本もありうるだろうが、仲新城誠(なかしんじょう・まこと)氏の『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』 『国境の島の「反日」教科書キャンペーン 沖縄と八重山の無法イデオロギー』 (産経新聞出版)や、恵隆之介氏の『尖閣だけではない 沖縄が危ない!』 (ワック)や、知念章氏の『基地反対運動は嫌いでも、沖縄のことは嫌いにならないでください』 (ワニブックスplus新書)も併読するといいのではないか。基地反対運動の暴力を批判する、この著者たちも「市民」「国民」の一人であるから。

さまざまな角度から沖縄の基地問題を考えるのはいいことだ。ただ、僕は日米安保肯定論者だけど、阿部氏の本の中で、騒音云々で米軍基地に反対している人がいたが、それには若干同情的。高円寺や荻窪や小田原の一部商店街などの電柱(街灯)からの音楽や広告垂れ流し騒音にも嫌悪感を抱く身であるから。まぁ、防音工事やらいろいろと対策もされているのかどうか…。夜間訓練もほどほどとか、そのあたりは物言いもありうるだろうとは。

それはさておき、山口真也氏の『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』 (教育史料出版会)も、以前紹介ずみだが、沖縄問題を考える上で参考になる本。この中に、図書館ともあろうものが、海兵隊賛美のような本(資料)を置くのはいかがなものかと、山口さんに批判してほしそうな記者が取材してきたことがあったそうな?  どんな記者だったことやら。
地元紙の記者だったとのことだから、沖縄タイムスか、琉球新報かどちらかだろうが、情けない記者もいるものだということをこの本を通じて知ることができよう。そういう記者が、どんな記事を作るかは要注意だろう。

もし、沖縄の図書館に対して、阿部さんの本を入れるなと言ったり、仲新城さんの本を入れるなと一方的なことを言ったりする人がいたら、そういうのは「左右の全体主義者」で同根の差別主義者、反知性主義者といえよう。国家であれ、市民であれ、「暴力」を用いて、適正な処置を覆すようなことをする勢力に対しては警戒すべきなのはいうまでもあるまい。

以下そのあたりを部分再録。

09/15/2016
山口真也氏の『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』 (教育史料出版会)を読んだ。書名などからして、なんとなく、急進的リベラル左派的な図書館関係者による、よくありがちな単純思考(単細胞思考)による「図書館の自由」論が展開されているのかと危惧したのだが……。
ギリギリセーフというか、ちゃんとした視点からの「図書館の自由」論であり、参考になった次第。ただ、千葉の某市図書館での、保守系筆者の本を「焚書」にした案件などが取り上げられていなかったのは残念?

とはいえ、沖縄の大学にいて、沖縄の図書館がアメリカ海兵隊の機関誌(「大きな輪」)を置いてあるのに反発した人たちがあって、それをどう思うかとの取材を地元新聞から受けたこともあったそうな。その機関誌にはアメリカ海兵隊員、女性を救うといった記事があったという(おお、これが事実でないなら問題になるだろうが、沖縄の地元二紙が報道しないような事実を報じていたら、多様な言論を保障する上でも貴重な雑誌として図書館が所蔵して何の問題もないのではないかと僕は思う。それを問題視する市民や、それを後押ししようとする地元新聞の「民主主義」感覚はやはり異常では?)。

著者は、電話取材を受けたようで、その時、記者の話では「住民から図書館に対して『県民感情とかけ離れている』という批判があったとのことだが、どのような立場から書かれた資料であるとしても、図書館は資料に対して中立的なスタンスを取るべきであるし、市民感覚とかけ離れているとしても、あるいはかけ離れているからこそ、この雑誌は沖縄の問題を考えるうえで貴重な研究資料になるはずである。蔵書に加えることには何の問題もないし、反対のスタンスを取る団体のチラシや集会資料なども積極的に集めることで蔵書のバランスを取りながら、市民の学習の場としての機能を保つべきだろう。寄贈された残部を図書館のロビー等に置くことについても、『思想と情報のひろば』『資料提供の自由』という図書館の機能をふまえて考えれば、あらゆる思想に対して開かれた場として機能しているのであれば、特に問題はないと思う(公共施設での宣伝目的でのチラシ類の配布を禁止する条例・規則等があれば別だが)。----これが電話取材に対する私の回答だったのだが、記者は批判的な意見を求めていたようで、電話口からはやや落胆したようすがうかがえた。そして、翌日の新聞には私のコメントは掲載されなかった」という。

ううむ、こういう偏った新聞は、つぶしたほうがいいのか? いやいや、そんなことはあるまいが、代りにどんなコメントが掲載されたのか気になるところ。図書館の自由をわきまえない単細胞的な口先リベラルの「民主主義者」の尊大な反米コメントのみが掲載されたのでなければいいのだが?(以上)

まぁ、こういう、まともな図書館関係者のコメントを、己の単細胞的左翼検閲を肯定してくれないなら、そんなコメントに関しては「報道しない自由」を行使するような新聞は、あまり知性主義的とはいえない新聞だと思うけど。少なくとも、沖縄地元紙のどちらかは、そういう図書館責任者の「正論」を掲載するのはヤバイと判断して「没」にしたのだ。情けない新聞というしかない! もしかして、沖縄タイムスさんだったかも?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!




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かつての中越紛争を思えば、中朝紛争もありうるだろうし、中国がアメリカと協力して北朝鮮を攻撃し、傀儡国家にするシナリオもあり。逆に、北朝鮮が北京にミサイルをぶっ放す可能性もあり…
(2017・9・29・金曜日)






本欄ではいつも「ネバーセイネバー」を唱道している。古妻が急死し、その後釜に30代後半の美女が我が家にやってくる…なんてことも絶対ないとは言えまい。もちろん、僕が急死し、妻が喜び、若い年下の青年と再婚するなんてこともありうるかもしれない(いくらなんでも、ソンナバカな?)。

これを国際情勢に当てはめるとどうなるか。
北朝鮮である日、突然クーデターが発生し、金正恩が「斬首」されて、新体制が発足する…。ルーマニアのチャウシェスクの最期みたいなことが起こる可能性は? ゼロではあるまい。ただ、北朝鮮国内の親中派はかなり粛清(処刑)されているそうな。金正男も暗殺された。

アメリカが北朝鮮を奇襲攻撃する…。逆に北朝鮮が韓国や日本に対して奇襲攻撃をしたり、国内でスパイなどを活用してテロを起こす……。ありうるかもしれない。安倍首相暗殺計画などもあるかもしれない。

さらに、中国が、北朝鮮よ、いい加減にしろということで、10月の党大会の前後に、攻撃をする。北朝鮮国内の親中派などが金王朝を倒す…。いやいや、ふざけるな、北京にミサイルをぶっぱなしてやるぞと金が最後の抵抗をする? それもありうる?

かつて中越紛争が起きた時、東大の菊地昌典さんが、 「がっくりしました。社会主義に幻滅を感じさせる、これほど決定的なものはないでしょう」(1979年2月19日朝日新聞)と語って、そのあと、たしか週刊新潮が菊地サンをバカにして、特集記事で嘲笑したことがあったかと。

「平和勢力」であるはずの「中国」と「ベトナム」。文革を礼賛し、反米運動に参画し、ベトナム反戦運動を展開した日本の進歩的文化人にとって、ベトナムと中国とが戦争をするなんて、そんなバカな…ということだったのだろうが…。まぁ、ニクソンが訪中して、米中和解が進展するなんて…ということも同様。そんなバカな?とあわてたこともあった。ドイツとソ連が「不可侵条約」を締結するや、ナチスを礼賛するコミュニストもいた…(幻滅して共産主義から離れる人も)。

国際情勢はそれほど複雑怪奇というか、何が起こるか分からない。昨日の敵は今日の友、今日の友は明日の敵、敵の敵は味方…。総選挙前の政党人たちの右往左往ぶりを見るにつけ、国内政局も同様。「銃」による政争でないだけでもマシ?

その意味で、トランプが北朝鮮と妥協するシナリオ(アメリカ本土まで届くICBMは持つなよ…それ以外ならまだ許すよ)もありうることは覚悟しておく必要もあろう。

しかし、ともあれ、だとしたら、悪徳国家中共が、北朝鮮をアメリカとともに「攻撃」し、後継政権を、米国の容認とともに中国が傀儡国家として支配するなんてこともありうるのではないか。最悪の結果(金王朝が存続し、大陸間弾道弾を開発し…)よりはまだマシとして(長期的に見ると最悪の次ぐらいの最悪?)、そういうことになるかも?

さておき、宮崎正弘氏&河添恵子氏の『中国・中国人の品性』 (ワック)を読むと、そもそも共産党権力者はあまりにも品性下劣で、欲情(性欲)と金欲の塊のような人生を送る者が少なくないようだ。不正蓄財は当たり前。いわんや、軍拡でやりたい放題の国柄。どうなりますことやら。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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「いきなりステーキ」ならぬ「いきなりカイサン」で、さて日本の明日はどうなるのやら? あの「面従腹背」の次官は北朝鮮なら「即処刑」?
(2017・9・18・月曜日・祝日)






昨日(日曜日)の朝は、午前4時起床で、まずは「書類整理」を開始。家人が昼前に東京を出て金沢に行く予定があり、さて台風はどうなっているかなと、朝6時のNHKのテレビニュースを見たら、冒頭いきなり、安倍首相が解散を決意、公明党委員長に伝えた云々とやっていた。 「いきなりカイサン」かと聞いて、ふと、 「いきなりステーキ」が一部の肉(リブロース)の単価を7・3円から6・8円に今月一杯値下げしていたなとの雑感が浮かんだが、それはさておき、朝6時の時点ではヤフーのニュースのラインにもそんなものはなかったかと。おやおやと、あとで産経新聞を見ると、具体的な日時まで明記しての解散云々の記事がトップ(首相衆院解散を決断」「10月29日投開票有力」…)。他紙はここまで具体的な日時は書かない上で、解散を決意か…といったあやふやな書き出し…。さては、産経のスクープだったのか?

ともあれ、「書類整理」をしつつ、正午すぎに一区切り終えて、ちょっと仕事場へ。ごそごそと。家人も昼前に北陸新幹線で金沢へ。一泊の予定だが、帰りに「北國新聞」を買ってきてくれ…と頼んだ。この前、古女房が沖縄に出かけた時、買ったか、ホテルに無料で配布されたかの地元の沖縄の新聞を持ち帰ってきてくれたことがあったかと。沖縄の二紙は左派、北國新聞は右派と聞いているが、さてどんなものかと知りたく候(日下公人氏責任編集の『誰も書かなかった「反日」地方紙の正体』産経新聞出版を参照)。

ともあれ、小川和久氏の『日米同盟のリアリズム』 (文春新書)を読了。

内容紹介→中国・北朝鮮は怯えている。 日本人だけが知らない 世界最強の「戦争力」の真実!
北朝鮮は核開発と弾道ミサイルの開発を続け、日本を標的にすると公言してはばからない。中国は海洋進出への野望をむき出しにし、東シナ海と尖閣諸島周辺での示威活動がニュースにならない日はないほどだ。そんな中、アメリカのトランプ大統領は在日米軍の撤退をチラつかせている。はたして私たち日本人は安全でいられるのか?
結論からいえば、日米同盟は中国・北朝鮮に対して、きわめて有効に抑止力として機能している。たとえば中国・北朝鮮の潜水艦は、すべて日米に行動を捕捉され、ニックネームまでつけられている。隠密行動が最大の強みである潜水艦がこの有り様では、日米の手のひらの上で遊ばされているようなものだ。中国・北朝鮮は日米同盟の強力な軍事力に怯えているからこそ、表向きの粗暴さとは裏腹に、実際の行動はおとなしい。
また、日米同盟はアメリカにとって死活的利益である。日本列島は地球の半分(西半球)でのアメリカの軍事力を支える「戦略的根拠地」として機能している。在日米軍基地は、出撃機能、インテリジェンス機能、ロジスティクス機能のどれをとっても米本土なみの戦略拠点であり、日本の基地負担は金額・割合とも世界ダントツである。
もし日米同盟が解消されれば、アメリカは太平洋から中東に至る地域での覇権を喪失する。日本を失ったアメリカの言うことなど、ロシアや中国どころか北朝鮮も聞かなくなり、アメリカは世界のリーダーの座から即刻転落するだろう。そんなアメリカが、日米同盟をみずから手放すわけがない。
本書は、日米同盟という世界最強の軍事力が、いかに中国・北朝鮮を抑え込んでいるかを具体的に解き明かす。
また、中国が日米同盟に仕掛けている現代版「孫子の兵法」ともいえる「三戦」、「A2/AD」の思考も詳しく紹介。著者ならではの最新データも盛りだくさん。



内容紹介にもあるように、とりわけ、本書の前半部分には、なるほどと頷きながら一読していった次第。非核三原則の「持ち込ませず」を撤廃して、持込みを認めよというのも正論だろう。「核兵器を守るには高度の通常戦力が必要で、決して安上がりにはならない」との指摘も。

「日本が日米同盟を解消すれば、米国は『地球の半分』の範囲で軍事力を支える能力の80%ほどを喪失し、回復しないと考えられる。日本を失った米国の言うことなど、ロシア、中国だけでなく、北朝鮮までもが聞かなくなり、米国は世界のリーダーの座から滑り落ちる可能性が高い」とのこと。ううむ…。まぁ、アメリカがそれでももういいよ、という可能性もゼロではあるまいが…。

中国の軍人も意外と臆病なというか慎重なところもあるとか……。まぁ、こういう軍事問題は、それぞれ一家言のある専門家が、それぞれ異なる主張を展開することが多い。いろんな考えの人の本を読んで、ふむふむと思ったり、はてそうか?と思ったり、いろいろと試行錯誤を経ながら思案するしかあるまい。

それにしても、おやっと思ったのが、北朝鮮の粛清事情。
大同江付近に建設中の「科学技術殿堂」の屋根の形をドーム形に設計したあと、金第一書記に花の形を変えるよう指示され、施行が難しく工期も延びると意見を述べた国家計画委員会副委員長(次官級)や、山林緑化政策に不満をもらしたとされる次官級の幹部は「処刑された」という。

安倍首相と違って、あのワンマン独裁者は短気のようだ。肉親の金正男にしても、中共が担ぎだすかもしれないと恐れ、暗殺を指示。いわんや、「部下」の首など、アマゾンのワンクリック注文のように、ただ一言、「消せ!」の指示をするだけなのだろう。

自由な国の文科省の、あの「次官」サンも、日本で官僚になって良かったねと。偉そうに(バカそうに?) 「面従腹背」がモットーだなんて言っていたら、即機関銃で処刑されていたことだろう。

ともあれ、中国空母やら潜水艦などの動きを把握するためにも、日本の軍備もそれなりに補強していくことが必要なのはいうまでもない。「中国の潜水艦はすべて日米に捕捉されている」とのこと。これも戦闘爆撃機も空母も持てずに、ただひたすら哨戒機のみ、沢山日本が持っているからこそなのだが。まぁ、自分のためにも同盟国のためにもなっているようだから、文句は言えまいが…。それもまた「麗しき」「持ちつ凭れつつ」の「日米同盟のリアリズム」なのだろう。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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敗戦の日、百田尚樹さんの『戦争と平和』と、NHKスペシャル『戦慄のインパール』に深い感銘を受けた
(2017・8・15・火曜日)



敗戦の日(8・15)は、去年までは「休日」のことが多かったと記憶しているが、本年は仕事。
夜明け前から「書類整理」。
通勤電車は今日もまだいつもよりは空いていた。

車中、百田尚樹氏の『戦争と平和』 (新潮新書)を読み始めた。日本軍の兵站軽視の戦争観や、その武器生産や戦略的発想の長所と短所についての分析について、ふむふむなるほどと 。
いつもよりは早めに帰宅。百頁まで読み終えた百田さんの本の続きに取りかかろうと思ったが、ふと、NHKの夜7時半からの番組『NHKスペシャル・戦慄のインパール 最も無謀な作戦はなぜ』を見てしまった。以下の記述は、番組のビデオを録ってもおらず、特に精密なメモを取ったわけでもなく、記憶に基づいて記しているので、細かい固有名詞などに関して、若干の聞き間違いなどがあるかもしれない…。ご容赦のほどを。

(内容紹介)→相手の戦力や兵站を軽視した無謀な戦いで甚大な死傷者を出し、旧日本軍の体質を象徴的に示したとされる「インパール作戦」。「援蒋ルート」の遮断を主目的とし、ミャンマー(当時ビルマ)からイギリス軍の拠点があったインド北東部のインパールの攻略を目指した日本軍は、この作戦で歴史的敗北を喫した。餓死・戦病死した日本兵の死屍累々が並んだ道が「白骨街道」と呼ばれるほど凄惨な戦いの実態はどのようなものだったのか。これまでインドとミャンマーの国境地帯は戦後長く未踏の地だったが、今回、両政府との長年の交渉の末に現地取材が可能となった。さらに、新たに見つかった一次資料や作戦を指揮した将官の肉声テープなどから「陸軍史上最悪」とされる作戦の全貌が浮かび上がってきた。数々のスクープ映像と新資料、証言からなる「インパール作戦」の全記録は、決して忘却してはならない悲劇の記憶を、未来へと継承していく。

「無謀な…」というのはいささか単細胞的に使われることが少なくないが、インパールに関しては、そう形容をされるのは無理もない…。子供のころ読んだ太平洋戦争史に関して、「開戦百日の栄光」等々の部分はよく読んだが、インパールあたりは…。ちょっと読む気には子供心にもなれなかったが、戦争の悲惨さに関しては、そういうのも直視する必要はあろう。

百田さんの本にも、ちょうどインパールのことが出てきた。

「日本軍の一番の問題は、上に立つ高級士官たちが、失敗しても厳しく責任を問われることがなかったことです」「多数の餓死者を出したインパール作戦の責任者の一人は、牟田口廉也陸軍中将でした。そもそも作戦そのものが無謀極まりないものでした。多くの部下が反対しましたが、牟田口は彼らを更迭してまでこの作戦に固執し、むざむざと多くの兵士の命を失いました。もちろん作戦は大失敗です。しかし彼はまったくその責任を取らされませんでした。司令官こそ罷免、予備役に編入されたものの、その後は陸軍予科士官学校長をつとめています」

NHK番組は、この百田さんが指摘している過程を詳しく見事に描ききっていた。敵ながら天晴れだった?

しかし、これは、あの「台湾番組」を捏造した「NHK」が作った番組だぞ、戦後70年を経ても、いまだに未成年の少年を、インパール並みの猛暑炎天下の甲子園で体力鍛練大会を無理やり強行し、その映像を恥ずかしげもなく全国に朝から晩まで完全中継で垂れ流している非人道的輩たちが作った番組だぞ、どこに作為や捏造があるかわかったものじゃないぞと眉に唾しつつも、よくできた作品だった(と思った)。

とにもかくにも「生き証人」の存在故の説得力があった。牟田口の孫による当時の資料の提供や、牟田口本人は故人であれ、テープの肉声による証言もあった。

それ以上に、インパール作戦に実際に参加した日本兵、当時、その闘いを見守ったりした現地のビルマ人、インド人。そして日本兵と戦った英国人なども、皆が認知症にもならずに登場し具体的な証言をする。
なかには100歳という生き証人も。
それ以外も90歳前後の人たち。とりわけ牟田口司令官の側近だった斎藤という、当時23歳の若き軍人が、戦時中にリアルタイムで書き残していた詳細な戦闘日報がしばしば紹介(朗読)される。その内容たるや、牟田口司令官の「無駄口」というか、部下の日本兵を虫けら扱いするかのような放言の数々…(日本兵が5000名も死ねばインパールを手に入れられる…云々)…が記録されているのだ。
いやぁ、これは正真正銘の「一次史料」。比較するとしたら、これまたビルマ界隈で、「慰安婦」の管理をしていた男の手記みたいなものだ→「日本軍慰安所管理人の日記」こと、 『ビルマ・シンガポールの従軍慰安所』。

ともあれ、軍隊は所詮、非情そのものよと思わないでもないが、その23歳の軍人が、なんとまだ存命で車椅子にのって出てくるのだ。そして、消え入りそうな声で一言、日本軍批判を語るシーンは、いやぁ、ちょっとした夏のホラー映画もびっくりのラストシーンだった。 96歳ですよ!!

23歳当時の軍服姿の写真は、テレビ画面で何度もクローズアップされていただけに、96歳という超高齢の姿恰好は、同一人物と思えないほどの変貌ではあるが……(もしかして、これは斎藤さんとは全くの別人、別老人だったりしたら、さすが「捏造のNHK」となる? まさか? いやいやネバーセイネバー?)。

兵站を無視し、雨季の前に三週間でインパールを攻略できると信じて作戦を命令した牟田口さんのような人は「空想的軍国主義者」。兵器を持たなければ、日本に侵攻する国はないと信じ込む人は「空想的平和主義者(平和運動屋)」。どっちにも「ノー」と言える真の意味での「理性」「知性」を養いたいものだ。

そういえば、番組では、インパール作戦、順調なりと朝日や毎日の記者に語って、それを真に受けたというか作為的に報じていた滑稽さを証言する人もいたかと。反戦平和デモ運動も主催者発表を参加人員数からはじまってそのまま報じる新聞も未だにあるようで。大本営発表、主催者発表、どちらも要注意? 企業広報部発表も官庁発表も…。

それはさておき、敗戦の日、楽天は敗戦し、ホークスは快勝し、首位奪還。ガダルカナル奪還はならずとも……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!


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『安全保障は感情で動く』ということは、『戦争は感情で起こる』ということでもあり、従って、人間社会では、『戦争は無くならない』から『戦争にチャンスを与えよ』ということにもなるのだろうか
(2017・5・19・金曜日)







潮匡人氏の『安全保障は感情で動く』 (文春新書)を読んだ。

内容紹介→近年、国際政治を読み解くツールとして地政学が脚光を浴びてきた。土地という、変更の効かない要素を軸にした地政学は、たしかに百年単位の国家戦略を考えるうえで、重要な視点である。
しかし、地政学だけで現実の国際政治を予測し、対応することは可能なのだろうか。
とくに戦争は、地政学的、言い換えれば客観的な要素だけで起きるのではない。
独裁国家であるなら独裁者の信念(もしくは誤信)、民主国家であるならば大衆の気分によって、戦闘の火蓋が切られることが多いのは、歴史が証明している。
朝鮮戦争では、南進してもアメリカは参戦してこないという金日成の誤信から始まった。外国の例を持ち出さなくても、大東亜戦争は、客観的には敗戦必至の戦争であったにもかかわらず、国民の強い声に押されて始められた。
よって、安全保障は客観性だけでなく、指導者や国民の感情といった主観的な要素が、もっとも大きなファクターになるのである。
北朝鮮が、国際情勢を無視してミサイル実験を繰り返すのも、金正恩の主観に分け入らなければ理解することはできない。そして、大方の予想(これも客観的予測)を裏切って当選したトランプ米大統領の主観も、今後の世界の安全保障を大きく左右する。
元自衛官にして安全保障の論客である筆者が長年温めてきた戦略論の決定版!


真面目なマトモな「高度な国防論」。一般大学から自衛隊に入った履歴もあり、国防問題の専門家であると同時に、日本人では珍しいキリスト教徒(プロテスタント)でもあり、「人間感情」に関する蘊蓄も含めて、トランプ政権以降の国際情勢を分析しており、いろいろと参考になるところが多かった。
結語に、 「原罪」という言葉も出てくるし、松原正氏の『戦争は無くならない』 (圭書房)の言葉が引用されている。松原正…かぁ。懐かしいね。この前亡くなったが。地震も戦争も無くならない…か。平和が「百年」続くということはないだろう。

憲法9条があれば平和が守られるなんてノーテンキなことを言っている人が日本では少なくない。しかし、そんな人が、北朝鮮や中国に出かけて、「あなたの国もこの条文を憲法に入れなさい」なんて進言する人はいないようだ。ルトワックの『戦争にチャンスを与えよ』 (文春新書)もこの前紹介したばかりだが…。

「いま流行りの地政学は重大なポイントを見落としている」「感情的、主観的な要因も国際政治や安全保障を動かす。現に、動かしている。”感情の罠”というリスクを忘れてはならない。いまや、世界と日本は、新しい形態のハイブリッドな第三次世界大戦に直面しているのだから」と。

ミサイル時代、かつての朝鮮戦争やベトナム戦争の時と違って、日本も戦場になる可能性は高い。原発にミサイルが一つ到達するだけでどうなるかを想像することも肝要。いろいろと考えさせられるシリアスな本であった。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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