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2018'04.29 (Sun)

『ドナルド・トランプ(&安倍晋三)-- 金正恩(&習近平)から世界を救った男(たち)』となりしか? 北朝鮮に操られる進歩的文化人や一部メディアには要注意!








『ドナルド・トランプ(&安倍晋三)-- 金正恩(&習近平)から世界を救った男(たち)』となりしか? 北朝鮮に操られる進歩的文化人や一部メディアには要注意!(2018・4・29)





アンソニー・マクカーテンの『ウィンストン・チャーチル -ヒトラーから世界を救った男』 (角川文庫)は、同名の映画の「原作」だが、ノベラゼーションではないとのこと。そもそも、ノンフィクション作品として書かれていたこの本が、たまたま(?)映画原作となったようだ。

ともかく、映画との関連で、バーカーの『ダンケルクの奇跡 イギリスの大撤退作戦』 (早川書房)を手にする。これはハヤカワ文庫にはなっていなかったか?

この本の訳者あとがき(小城正氏)に、アンドレ・モーロアの『フランス敗れたり』 (大観堂書店)のチャーチルとモーロアの会話の一節が紹介されている(この本はウェッジより復刊)。

1935年12月、当時、野にあったチャーチルが英国訪問中のモーロアにこう言ったそうな。

「モーロア君、小説を書くのはやめ給え。伝記を書くのもいけない。その替りに一日一編、評論を書くんだ。……その評論も内容はただひとつだ。いいかね、フランス空軍はかつては世界第一位であったが、今では第四位か第五位に転落している。ところが、ドイツ空軍はかつては微微たるもので、無きにひとしかったものが、今日では世界で第一位に迫ろうとしている--これだよ! 君はフランスへ帰って、この事実を書き立てるんだ! いいかね、君の祖国フランスは、ドイツ空軍のゆえに滅亡するかもしれないのだ。……文化だの、文学だのは、それはたしかにいいものには違いないが、しかし、モーロア君、力を伴わない文化は、明日にでも死滅せる文化となってしまうんだからね」

「しかし、彼の忠告は受け入れられることなく、それからほぼ四年経った1940年春、英軍の主力は戦いに敗れ、フランス軍の一部とともに、ダンケルクから英本土へ撤退するという事態を迎えることになったのである」(訳者)。

ちなみに、バーカーはダンケルクから撤退した兵士だったとのこと。

かつてのナチスドイツを想起させる中国の軍拡、北朝鮮の核武装化を前にして……。やるべきことをやらないでいたら、 「日本、敗れたり」になりかねない。今回の南北宥和ブームを見て、進歩的文化人たちが、圧力重視の日本外交は失敗だったなどとノーテンキなことを主張しているが、本末転倒もいいところ。
稲垣武さんの『北朝鮮に憑かれた人々―政治家、文化人、メディアは何を語ったか』『「悪魔祓い」の戦後史』 (PHP研究所)には、そういった「反知性主義者」たちの妄言が検証されている。その系列の知識人たちは今も尚健在だ。

北朝鮮がなんとNHKの報道にまで難癖つけている現実を見れば、日米の圧力外交、軍事威嚇、経済制裁推進こそが、金正恩を追い詰めたことが理解できよう。ここで共産主義者の「微笑み」に騙されたら元の木阿弥になってしまう。

「北朝鮮に操られる進歩的文化人」たちは、かつては北を「地上の楽園」とはやしたてた。今は、「金正恩と文在寅にノーベル平和賞を」なんて言いかねない。そんな妄言に騙されるのは愚鈍すぎよう。それにしても、彼らの「微笑み」…。ヒトラーとチェンバレンもあんな「微笑み」で接していたのかな? ヒトラーの人権弾圧や暴力的政治を批判するならば、金王朝の史上最悪の反知性主義的施政を見落としはなるまい。

韓国政府に「拉致監禁」された産経の加藤達也氏の以下の記事は大変参考になる。

訪朝を“餌”に日本世論懐柔か

 朝鮮労働党の金正恩委員長は27日の首脳会談前、集まった報道陣を「記者の皆さん」と呼び、メディアを最大限利用して世界に「融和」をアピールした。一方、日本に対して北朝鮮は、正恩氏を取り上げた番組が気に入らないとしてNHKを強く非難した。公安当局は、融和ムードの広がりの中で日本世論の軟化をもくろむ北朝鮮が今後、世論の分断や報道への介入を活発化させる可能性があるとみている。

 北朝鮮の朝日交流協会は26日、NHKを「日本の右翼反動らの御用ラッパ吹き」と指弾。「われわれの最高尊厳を非難したのは我慢できない冒涜であり、重大な挑発となる」と談話を発表した。さらに、「日本の保守メディア」も「犯罪集団である」と強調し、批判的な論調を牽制(けんせい)した。

 NHKは今月、「金正恩の野望」と題して多数の脱北者らを出演させる特集を3回にわたって放送しており、談話はこれに反発したものとみられる。

 日本の複数の民放に対しても、訪朝取材の機会を“人質”に取って、批判的な報道を押さえ込もうとする動きがあることを公安当局は把握しており、今後、北朝鮮の報道への介入が露骨になる恐れもある。

 北朝鮮側の意図について、政府関係者は「北朝鮮は米朝首脳会談の成否にかかわらず、近い将来、日本との交渉をまとめなければならない。日本の世論対策は重大な課題で、特に指導者のイメージを損なう報道は排除しようとする」と分析する。

 報道対策の他にも、北朝鮮の対日工作は活発化している。昨年末以降、北朝鮮の対日工作関係者が日本の有力財団の幹部に直接訪朝を呼びかけ、朝鮮労働党幹部と、拉致問題や日本人妻の帰国問題に関する協議を行うよう働きかけている。

 類似した動きは与野党、中央地方の別なく各地で積極化している。今月、福岡県の地方議会や報道関係者らの訪朝予定がキャンセルされた際には、関係者から「残念」との言葉が漏れた。別の関係者は「『(対北接近の)バスに乗り遅れるな』式の揺さぶりがある程度、効いている」との見方を示した。

 警察当局も、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)による国内での親北朝鮮世論形成の動きに着目。融和ムードを背景にしたさらなる活動の活発化に警戒を強めている。(加藤達也)


ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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2018'04.02 (Mon)

チャーチルと対立したハリファックスは決して「敗北主義者」でも「陰謀家」でもなかった? 映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 を見た人読んだ人は、ジョン・ルカーチの『ヒトラー対チャーチル 80日間の激闘』 も読んでいます?





チャーチルと対立したハリファックスは決して「敗北主義者」でも「陰謀家」でもなかった? 映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 を見た人読んだ人は、ジョン・ルカーチの『ヒトラー対チャーチル 80日間の激闘』 も読んでいます?
(2018・4・2)




映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 を見ての感想は昨日綴った通り。書き忘れたことを…。それにつけても喫煙シーンの多い映画だった。チャーチルの葉巻はむろんのこと、国王も食事中でもタバコを手から離さないぐらい。このあたりは「実話」だから当然のシーン。「鼻障り」ではないから全然気にならない! 当時のリアルな状況なのだから。

映画「ダンケルク」は見ていないが、この問題に関するノンフィクション作品として、A・J・バーカーの『ダンケルクの奇跡 イギリスの大撤退作戦』 (ハヤカワ文庫)がある。ハヤカワ文庫のノンフィクションには、この手の良書が沢山ある(あった?)。

はるか昔の本なので、読後感が残っていないが…。

要は、映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 でも描かれていたが、絶体絶命のダンケルクの英軍。ドイツ軍は猛攻すれば、英軍を撃滅することが可能だった。そこにいた30万の英陸軍が壊滅すれば、その次の英国上陸もたやすくなっていた可能性も大きい。にもかかわらず、ヒトラーは、あと一歩というところで、軍勢を進めることをせず、みすみす英軍撤退の時間を与えてしまったと旧来いわれていた。ヒトラー、ホワイ?

史実のチェックはしていないが、その時に、映画で描かれていたように、チェンバレンやハリファックスなどの進言で、チャーチルが和平交渉を進めようとしていたとなると…。さすがのヒトラーも、最後の一撃を猶予したのかも? もしそうならば、チェンバレンやハリファックスの「宥和」姿勢も、役立ったことになる?

映画のパンフレットでも、木畑洋一氏(東大名誉教授)が、チャーチルの回顧録『第二次世界大戦』でも、就任直後の外交交渉についての記述がなく、

「1940年5月末に閣議でドイツとの交渉が模索されていたことを人々が知ったのは、公文書を30年後に公開するという規則のもと、1970年代になって戦時内閣の閣議記録が公開されてからのことだった」「チャーチルが著書でこれについて口をつぐんだのは、こうした議論が主要閣僚の間でなされていたことを読者に示すことを望まず、自身も動揺していたことに触れたくなかったためであろう」「ドイツと交渉を行うことは新たな『宥和政策』を意味し、イギリス国民の感情とは乖離していた」
と指摘している。

なるほどね。

ともあれ、この時期(1940年5月10日~7月31日)のチャーチルとヒトラーの攻防に関しては、ジョン・ルカーチの『ヒトラー対チャーチル 80日間の激闘』 (共同通信社)という傑作ノンフィクションがある。

映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 は、時々画面に「日時」が出てくる。1940年5月の一カ月(20日間)の日々を扱っている。映画は、チェンバレン糾弾からチャーチルの国会演説で終わるが、その後もルカーチの本は扱っている。ある意味で、この本の前半部分が、この映画の「原作」といえるかもしれない。ダンケルク撤退に関しては、本のほうは、裏舞台に関しても詳述している。

ハリファックスに対しても、ルカーチは「決して敗北主義者ではなく、また陰謀家でもなかった。しかし、出来事の流れやイギリスの世論の動きを読むのに長けていた」と記し、木畑氏が指摘している戦時内閣でのチャーチルとの対立なども描いている。ハリファックスは、1940年5月23日夜、ケネディ大使とも会談していたそうな(あの暗殺されたケネディの父親。当時英国大使でナチス贔屓?)。

ともあれ、映画を見たあとに、このルカーチの本を読むと(再読すると)、非常に当時のことが理解しやすいのではないかと思った次第。ルカーチによると、戦時内閣の文書は完全に公開されているわけではないという。まぁ、このあたり、真珠湾がらみでも、いろいろとあるはず?

そこのところは、ジェイムズ・ラスブリッジャー& エリック・ネイヴの『真珠湾の裏切り チャーチルはいかにしてルーズヴェルトを第二次世界大戦に誘い込んだか』 (文藝春秋)が詳しかった。映画でも、チャーチルとルーズベルトが電話でやりとりするシーンが描かれていたが、「日本はまもなくアメリカ攻撃をするぞ」「それは願ったりだ」なんて会話が1941年11月ごろあったかも?

歴史解釈はネバーセイネバー。



ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

04:16  |  軍事  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2018'04.01 (Sun)

映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 を見れば、習近平&金正恩がヒトラーで、チャーチルがトランプ&安倍晋三に思えてくるかも? そして、独裁国家の独裁者ヒトラー相手に「話し合い」を唱え「奴隷の平和」を甘受すべしとチャーチル下ろしに躍起となったチェンバレン(&ハリファックス)一派と文在寅と某大新聞論説委員たちとが同じ存在に見えてくる…? ジョージ六世と昭和天皇と、そして今上陛下とは? 歴史は類推しながら繰り返す?




映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 を見れば、習近平&金正恩がヒトラーで、チャーチルがトランプ&安倍晋三に思えてくるかも? そして、独裁国家の独裁者ヒトラー相手に「話し合い」を唱え「奴隷の平和」を甘受すべしとチャーチル下ろしに躍起となったチェンバレン(&ハリファックス)一派と文在寅と某大新聞論説委員たちとが同じ存在に見えてくる…? ジョージ六世と昭和天皇と、そして今上陛下とは? 歴史は類推しながら繰り返す?
(2018・4・1)






本日(日曜日)は、いつもは西船橋などの週末ギャンブルに出かける古女房が出かけないとのこと。

ということで、映画を一緒に見るかと--。

僕自身、普通の映画を劇場で見るのは久しぶり。妻と一緒に見るのも久しぶり。
『こころに剣士を』--第二次世界大戦後、ソ連の完全支配下に置かれたバルト三国(エストニア)の悲劇を、「実話」に基づいて描いたもの--以来か。

ちなみに特殊嗜好分野の映画はレンタルで見たりすることもあるのだが、この前、ツタヤに行ったら、なんと中央区立図書館もびっくり? するような、借りる人が自分で処理しなくてはいけないシステムになっていた。幸い、男性が「介助」してくれたが?

借りる「ビデオ」をカチャっとして、ツタヤカードでガチャガチャして借りるのだ。ううむ。たまたまその時は一枚だけだったが、四枚(1000円)も特定嗜好分野のモノを借りたりすると面倒臭そう? しかも女店員が介助したりすると? もう借りるのは止めて…。

ともあれ、 「レッド・スパロー」という、ロシアの女スパイ(美人局?)物語りが面白そうと思ったのだが、 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』 (角川文庫から、この映画の原作も同名で刊行されているようだ)を見ることになった。なんでも、チャーチルの「若い女性秘書の視点を軸にしながら」の作品とのこと。

ネットで、座席や開始時間も指定、カードで決済…という便利さ。夫婦割引で一人1100円(1日だから、誰でも1100円でもあったが)。

チャーチルの「女秘書」といえば、小説ではあるが、マギー・ホープではないか。
彼女の活躍を描いた、スーザン・イーリア・マクニールの 『チャーチル閣下の秘書』『エリザベス王女の家庭教師』『国王陛下の新人スパイ』『スパイ学校の新任教官』『ファーストレディの秘密のゲスト』 (創元推理文庫)は紹介ずみ。

映画を見るとなって、ふと、あれ、このシリーズ、最新作はもう出ているころかなと調べたら、なんと、昨年の11月に刊行されているではないか。 『バッキンガム宮殿のVIP』。気がつかなかった。創元社はちゃんと広告を出しているのか?

(こんな内容「らしい」)→1942年、マギー・ホープは、ドイツの強制収容所に収監されている異父妹と再会できる日を心待ちにしつつ、ロンドンの特別作戦執行部で事務の仕事についていた。そんななか、MI-5の長官から連続殺人の捜査を依頼される。死体の状態から、犯人はあのいまわしい事件を模倣しているとしか思えず……。マギー・ホープ、今度は戦時下のロンドンで勃発する殺人事件に挑む! ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーの大人気シリーズ最新刊。

こりゃ、早く読まなくては……。

ともあれ、チャーチルの伝記・評伝といえば、ポール・ジョンソンの『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 (日経BP社) 、ロバート・ ペインの『チャーチル』 (文化放送・法政大学出版局)、孫のウィンストン・チャーチルの『祖父チャーチルと私』 (法政大学出版局)などがある。

チャーチル自身の回顧録としては『第二次世界大戦①~④』 (河出文庫)、 『わが青春記』 (旺文社文庫)、 『わが半生』 (角川文庫)などがある。 『わが青春記』を中学か高校のころ読んで、チャーチルには関心を持ってはいた。

しかし、小学生の時読んだ戦記で、レパルス、プリンスオブウェールズを撃沈され、衝撃を受けたことや、シンガポールなどで日本軍が英軍を蹴散らし進撃し、敵の残した食糧などを「チャーチル支給」と日本兵が喜んでいたことが子供心に脳裏に残っていて「敗軍の将」というイメージが強かった(シンガポールは結局自力で取り戻すことはできなかったし、戦後、アジアに於ける英国植民地の多くは、インド、ビルマ等々消滅したから…)。

しかし、戦後の総選挙で負けながらも復活もし、「鉄のカーテン」演説など反共リベラルな政治家として高く評価できよう。

ともあれ、映画。多少脚色もあるだろうが、冒頭、宥和政策を唱えたチェンバレンを糾弾する野党労働党指導者の議会での演説から始まる(まぁ、労働党にそういわれても、あんたも「再軍備」強化に反対していたんじゃないの?)。

ともあれ、挙国一致内閣結成ということでチャーチルが首相に選ばれる。だが、チェンバレンなども閣内に残した。ヒトラーはベルギーを屈伏させ、フランスも風前の灯。ダンケルクの英残兵たちの運命……。

ダンケルクといえば、映画「ダンケルク」も最近公開されたっけ? これは見てないが、こちらの映画でも、英国の命運を左右する作戦(撤退)として、重要なテーマになっている。30万もの兵士のことを考え、話し合いによる和平工作をムッソリーニを通じてやるべきだと主張するチェンバレンやハリファックス外相。某大新聞の論説委員や、百田尚樹さんの『カエルの楽園』 (新潮社)や『永遠の〇』 (講談社文庫)に出てくる「平和主義者」を想起もさせよう。

そうした声に屈しかけるチャーチル。そんな彼を支えるのは妻、秘書、そして国王? さらには地下鉄で出会った「名もない市民たち」。幼女でさえチャーチルに向かって「ネバー(サレンダー)」と言うのだ(このあたりは脚色のようで?)。「ネバーサレンダー」の大演説で英国は一つになる…といったストーリーだ。

まぁ、東条英機だって、昭和16年11月ぐらいに電車に乗って、「米国の圧力に屈して植民地になってもいいか」と車内の人に聞いたら、「首相、負けてなりませんぞ!」との合唱があったかもしれないが……。

ともあれ、21世紀の今、この映画を見ながら、習近平&金正恩がヒトラーで、チャーチルがトランプ&安倍晋三に思えてきた……。ちょっと違うかな? でも、ヒトラーは少なくとも金正恩であるのは間違いない。ヒトラーを甘くみて妥協し宥和してきたツケがいま我々を苦しめているのは間違いない。

そして、独裁国家の独裁者ヒトラー相手に「話し合い」を唱え「奴隷の平和」を甘受すべしとチャーチル下ろしに躍起となったチェンバレン(&ハリファックス)一派と某大新聞論説委員たちとが同じ存在に見えてくる…? そうそう、チェンバレンやハリファックスは21世紀の今だと、文在寅さんだろう。これは間違いない?

某大新聞論説委員も、この流れに入るだろう。「平和」を愛するフリをし、「話し合い」が大事だと言い募る面々、輩…。そして独裁者に操られコケにされ粛清されるナイーブな輩たち。

ジョージ六世と昭和天皇と、そして今上陛下とは? ううむ…。このあたりは微妙かな?

歴史は類推(類似)しながら繰り返す?

そして当時の英国民、日本国民も、祖国防衛のために方向は違えど必死になって闘った。

英国は「戦勝国」ではあったけれども、戦後も配給生活や貧しい生活を余儀なくされた。そのあたりは、ヘレーン・ハンフの『チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本』 (中公文庫) でも詳しかった。アメリカにいた著者は、英国の古本屋に本を注文し届くと、その代金のみならず、そのお礼に食糧の缶詰などを送ったりしていたではないか。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

(以下再録)
政党移動の激しい、変わり身の早い小沢一郎は「日本のチャーチル」だった? 05/24/2013

ポール・ジョンソンの『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 (日経BP社) を読んだ。彼には『インテレクチュアルズ』『現代史』 (共同通信社)など分厚い本が多い。『インテレクチュアルズ』などは講談社学術文庫に収録もされたが、抄訳版になっているぐらい。単行本の『ユダヤ人の歴史』 (徳間書店)は上下二巻本だし、 『アメリカ人の歴史』は①②③と三巻本だ。
その点、『チャーチル』は薄い。38字×14行で、320頁ぐらい(その中で、「訳者あとがき」&野中郁次郎氏の「解説」が60頁もあるから、ジョンソンの本文は正味260頁ぐらい)。

だからというわけではないが、積んどくすることもなく一気呵成に読了できた。

中学生の時にチャーチルの自叙伝である『わが青春記』 (旺文社文庫)を読んだ記憶がある。また子ども向けの戦史本(太平洋戦争)を小学生のころ読んで、シンガポールで英軍をやっつけ、英国海軍の虎の子のプリンスオブウェールズとレパルスをあっという間に航空兵力で撃沈し、チャーチルが『回顧録』にも書いている通りに、衝撃を覚えてがっくりときているといった記述を読んで、ザマーミロ、アジアからとっとと出ていけニミッツ、マッカーサー&チャーチルめと思ったものである。
そして、日本軍が英軍を東南アジアで蹴散らし、逃げていくのに忙しい英軍が残した食料などを、ありがたく日本兵士が「チャーチル支給」だといってパクツク記述などを見ては、ハハハと笑っていたものだ。純朴&純真な小・中学生時代?

本書でも、ナチスドイツへの警戒は強かったものの、日英同盟も途中まであり、日本軍を過小評価していたチャーチルのミスが指摘もされている。

「われわれが生きている間にその可能性(注・戦争)がわずかでもあるとは考えない。日本は同盟国である。太平洋はワシントン条約によって安定している。…日本は世界の反対側にある。どのような意味でもわが国にとって決定的な安全保障上の権益に脅威を与えることはできない。わが国と戦う理由はない。日本との戦争の可能性は理性的な政府が考慮しなければならないことではない」

1924年の財務相時に、ボールドウィンに宛てた書簡の一節ではあるが…。大きな判断ミスを犯した。


「1942年前半は、チャーチルにとって戦争中で最悪の時期であった」「最新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋艦レパルスを、上空援護機をつけることなく出動させたために日本軍に撃沈されてほぼ全員が戦死し、シンガポールが陥落すると、日本の力と敵意を過小評価していたとして、みずからの責任を痛切に感じている。北アフリカでも悲惨な後退があった」

チャーチルは落選も何度か経験している。戦争末期には総選挙でも負けて野党に転落。その後、再び首相に返り咲いてもいる。政党も保守党や自由党など行き来している。新党を結成しようとしたこともあった。

ちなみに保守党、自由党、連立派、立憲派、挙国一致派、国民保守党といったふうに六政党・会派の所属にて下院で立候補した経験がチャーチルにはあるという。
また、1922年の当時、チャーチルは「アスキス派に率いられた自由党も、ロイド・ジョージ派自由党も、労働党も、保守党も、いずれもチャーチルを嫌い、信用していなかった」という。四面楚歌だったのだ?

どこかにも似た政治家がいた? 小沢一郎は? 自民党、新生党、新進党、自由党、民主党、生活の党…。自民と連立したり離れたり…。おお、チャーチルと並ぶ政党遍歴があるではないか? そして「(推定)無罪」にもなったものの胡散臭い存在として、政界からは共産党以上に嫌われている?
そうか、小沢一郎は「日本のチャーチル」だったのか? まさかね? チャーチルは危険な戦場に向かったが、危険な原発から避難するのに躍起となった政治家とでは比較のしようもない…?

しかし、チャーチルの政治的信念は、実は一貫して「自由党」だったという貴重な「証言」が本書で紹介もされている。そうか…なるほど。やはり! 思想的ルーツはある年齢の時に形成したものが終生残るのか? だから進歩的文化人や民青出身者たちは危険なのか? いやいやネオコンだって元を辿れば…?

またチャーチル夫妻はどちらも浮気をしなかったという。なるほど、さすが、やはり。
全精力を政治に費やし、「不倫の恋に神経を使い、心が乱れることがなかった」とのこと。
浮気、風俗に、いい歳してはまる昨今の政治家を想起すると、見習うべきか?

チャーチルは死刑廃止論者ではなかったが、内相時代、死刑を終身刑に減刑することが多かったという。ヒューマニストでもあった?

とはいえ、ロシア革命勃発の時、チャーチルは陸相として、より多くの軍隊を革命政権転覆のために派遣しようとした。

「この介入が成功していれば、二千万人を超えるロシア人が餓死し、殺され、強制収容所で死ぬことはなかっただろう。ボルシェビキがつぶされていれば、ムッソリーニがイタリアで政権を握ったとは考えにくいし、まして、ヒトラーがドイツで政権を握ったとは考えられない。勝利で勢いづく共産主義と攻撃的なファシズムがなければ、第一次世界大戦後の世界はどうなっていただろう」とジョンソンは記している。

ふと、過剰攻撃とみなされても、フセインをあの時、ブッシュが叩いたことは正解だったかもしれないと思ったりする。
そして90年代、クリントンが北朝鮮を叩いていれば、「北朝鮮で数百万人を超える朝鮮人が餓死し、殺され、強制収容所で死ぬことはなかっただろう」に…。
天安門事件以降、日本があれほど速やかに中共を支援し、天皇を訪中させなければ、中国共産党の一党支配はなくなっていたかもしれない…。

歴史的想像力のない政治家が、国政、国際政治を運営したがために、非民主的な政治空間が長期間維持されることになってしまったというべきだろう。
レーガンはSDIをはじめ「理想」をもって現実的にソ連に対抗し、ソ連東欧の「鉄のカーテン」を崩壊させた。チャーチルと比すべき政治家はやはり小沢一郎ではなくレーガンであろう。

ナチスドイツが第一の敵となれば、第二の敵だったソ連とも手を結ぶ。しかし、戦争末期のルーズベルトの容共リベラル路線には切歯扼腕。辛うじてギリシヤに派兵し、そこを自由世界圏として辛うじて確保はするが…。

戦後はいち早く「鉄のカーテン」演説でソ連を敵視し警戒を呼び掛ける。
そういえば、この「鉄のカーテン」演説のフルテキストを日本語で読もうとしても、なかなか読めなかったものだ。なかには、英文翻訳関連出版社には左翼系が多いために、この素晴らしい内容の演説を日本国民が読むと反共リベラルに目覚めて拙いからあえて紹介しないんだという俗説もあったぐらいだ。


しかし、最近になって井上一馬氏編の『後世に伝える言葉』 (小学館)に全文が収録され、読むことが可能になった(チャ-チルの演説のほか、レーガンの「悪の帝国」批判演説やフルシチョフのスターリン批判演説などが紹介されている)。

以前、「鉄のカーテン」演説を一読したが、素晴らしい先見性と予見というしかない。歴史的想像力を持った政治家として、さまざまな失敗や間違いもあったにせよ、やはり傑出した政治家であったといえよう。

絵筆の心得もあり、文筆家でもあった。生活費や政治活動費を稼ぐためにもせっせと戦記ルポなども書いていたという。軍人として前線にも参入している。ノーベル平和賞ではなくノーベル文学賞を受賞もしている。 『描く楽しさ』 (美術出版社)という本もあるようだ(未見未読)。

優等生だったわけでもなく成績も悪かったという(さらなる共感!?)。オーウェルでも行けた(?)イートンにも入れず、ハロー校に行ったものの、そこでも劣等生のクラスだったという。士官学校には何とか進めて、そこではそこそこの成績だったとのこと。

そして、インドに派遣された時、「インドでは軍隊の勤務は朝早くからはじまるが、気温が上がる昼間には長い休憩時間がある。ほとんどの将校は昼寝に使ったが、チャーチルは違っていた。読書に使ったのである。トマス・マコーリーの『イングランド史』とギボンの『ローマ帝国衰亡史』はむさぼり読んだ」「また、ウィンウッド・リードの宗教批判書、『人類の殉教』を読み、生涯にわたって自由思想を信奉し、組織宗教を批判するようになった(ただし、外見上はつねに国教会の権威に従う姿勢をとり、無神論者のレッテルを貼られて政治的に打撃を受けないようにした)。読む価値のある本は入手できればすべて読み、読んだものは忘れることがなかった。それでもつねに知識が不足していると感じており、必読書を勧められればかならず読んで、知識の穴を埋めようと努力した」という。

組織宗教が嫌いだった点も同感!ただ、僕などは 「読んだものは忘れるばかり」だ。また読む本もハイド本も多い。そこがチャーチルと僕との違いで、彼の偉大なところか?

また戦争好き、戦争屋というわけではなく、「あくまで現実的であり、戦争が起こることを理解し、どれほど悲惨であっても、勝利を収める方が敗北するより好ましいことを認識していた」だけであると。

30年代の英国には空想的平和主義が跋扈し、非武装になって国際連盟に安全を委ねようといった運動なども見られたが、チャーチルは勿論それには抵抗もしている。労働党のアトリーは1933年12月21日の下院で「われわれは断固として、いかなる再軍備化にも反対する」と述べていた。リベラルなオーウェルにさえ、当時の労働党の国防政策はバカにされ揶揄されていた時代でもある。

1943年7月~ドイツ・ハンブルグなどに大空爆を行い、一般住民にも多くの被害を与えたことは批判もされたが、その防空体制をドイツ側が維持するために戦闘機部隊をソ連戦線に回せなくなったという。
そのために「東部戦線でドイツ軍が制空権を失い地上戦で敗北する主因にもなった。ナチスドイツを倒したのは実際にはソ連だと主張する人たちは、この事実を忘れていることが多い。チャーチルが主導した空爆作戦がなければ、東部戦線は膠着状態になっていただろう」「ドイツを攻撃するにあたっては、人道への配慮でためらうことはなかった」「原子爆弾が間に合っていれば、チャーチルはドイツに対して使っただろうか。間違いなく使っただろう」とのこと。戦争とはそういうものだ。黄色人種相手だったから原爆を投下したという俗説があるが、ドイツに使いたくても開発の前に降伏したのだから使いようがない。これは年表的事実である。

バトルオブブリテンでは英空軍がドイツの攻撃を凌いだが「戦争の歴史のなかで、かくも少数の人の活躍で、かくも多くの人々が、かくも大きな恩恵を受けたことはなかった」とチャーチルは公式に賞している。
ただ、「かくも少数の人」とは空軍パイロットのみならず、ドイツ軍の暗号解読をしていた人々にむしろ与えられるべき言葉であり、チャーチルの含意も本心はそこにあったことであろう。

エニグマなどの解読の事実は近年さまざまな歴史書で明らかになってきている。ドイツ潜水艦などに対処する上でも、そうした暗号解読が重要な役割を果たしていたようだ。
エニグマの情報に基づいて、ドイツのソ連侵攻の可能性をスターリンに指摘しても聞く耳を持たなかった史実もジョンソンの本では紹介もされている。
また、チャーチルの回顧録ではエニグマなどはあまり触れられていないとジョンソンも指摘している。執筆刊行当時は当然「トップシークレット」だったからそうなるのだろう。

シーバッグ=モンティフィオーリ,ヒューの『エニグマ・コード 史上最大の暗合戦』 (中欧公論新社)やマイケル・パターソンの『エニグマ・コードを解読せよ』 (原書房)などが、今日「暗号解読の効果」に関してかなり進んだ見解を提示している(ようだ。積んどくしているので未確認?)。

そういえば、解読で従来有名なのはコベントリーの逸話。ドイツ空軍がコベントリーを空爆するのを解読して知っていたにもかかわらず、その解読の事実を悟られないためにあえて空爆させたというもの。これにはナイジェル・ウエストの『スパイ伝説 出来すぎた証言』 (原書房)のような反論もあったと記憶している。あとコベントリーといえば、ふふふ? 以前、フィリップ・カー=ゴムの『「裸」の文化史』 (河出書房新社)を紹介した時にも触れたが、ピーピング・トムこと覗き屋トムの物語があるところでもある。

ともあれ、歴史認識や歴史論争にしても、チャーチルのような読書家の政治家でないと、巧みに乗り切ることは困難であろう。単なるつぶやきではなく、本欄でも触れたように、朝日のあの本、岩波のあの本、読んでご覧、日本じゃなくソ連や中共がレイプ国家だと証明されているよ、しかも戦時中ではなく、戦後の「平和」の時代に、そんなことをした野蛮さと考えてごらん、ナチスやスターリンのような強制収容所なんかやっていないんだから…と。責任ある政治家が、出典を明らかにして、持論を展開するのと、単なる新聞見出しに悪用されるつぶやきをするのとでは、同じ趣旨の発言をしても説得力はおおいに異なるであろう。

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2017'12.11 (Mon)

人工知能・シンギュラリティは、人間社会と戦争をどう変えるのか?







人工知能・シンギュラリティは、人間社会と戦争をどう変えるのか?
(2017・12・11・月曜日)



齋藤元章氏&井上智洋氏の『人工知能は資本主義を終焉させるか 経済的特異点と社会的特異点』 (PHP新書)を読んだ。


(こんな内容)→人工知能(AI)は急速な進歩を遂げている。アメリカの未来学者レイモンド・カーツワイル氏が、1960年頃から提唱してきた概念を2005年の著書で明確に整理し記したことによれば、「シンギュラリティ・ポイント(特異点)、すなわち「人類の知性を超越する非生命的な知性」が出現し、その知性が人類の上に立つことで、われわれの想像を絶する社会の大変革が2045年頃にも起こるのだという。そして2030年には、その前段階となる「プレ・シンギュラリティ(前特異点)」が到来するとみられている。
だが今後、プレ・シンギュラリティやシンギュラリティの到来時にいかなる社会変革が起こりうるのかを考える際に、お金と経済の問題を抜きには語れない。AIは資本主義を終わらせるのか。モノやサービスの価格はどうなるのか。人間はAIに仕事を奪われ、働かなくなるのか。本テーマのエキスパートであるスパコン開発者と経済学者が描く未来社会図。


帯にも「衣食住やエネルギーがタダになる? モノやサービスの価格が「ゼロ」に?」「気鋭のスパコン開発者と経済学者が描く未来社会図」とある。


AIによる工場や遺伝子操作でコメなども「12期作」も可能になり、エネルギーも再生利用エネルギーなどで…と。近未来社会はシンギュラリティの到来で、資本主義(需要と供給のバランス)も崩壊というか終焉というか無意味化される…。

ちなみに、著者の一人、齋藤さんは、最近逮捕された。

日の丸スパコン「暁光」開発、ベンチャー企業社長ら逮捕 4億詐取容疑 東京地検特捜部 (産経)
 経済産業省所管の国立研究開発法人から助成金約4億3100万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は5日、詐欺容疑で、計算速度世界ランキング4位のスーパーコンピューター「暁光(ぎょうこう)」を開発したベンチャー企業「PEZY Computing(ペジー コンピューティング)」(東京都千代田区)社長の斉藤元章容疑者(49)と、当時事業開発部長だった鈴木大介容疑者(47)を逮捕した。特捜部は同日、同社を家宅捜索。不正の実態解明を進める。
 逮捕容疑は、経産省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から技術開発を支援する助成金をだまし取ろうと計画、平成26年2~3月、水増しした実績報告書を作成して約4億3100万円を請求し、同額をだまし取ったとしている。
 PEZY社などが開発したスパコン暁光は、超並列の演算処理や基板を液体に浸す冷却システムなどを採用。海洋研究開発機構の横浜研究所に設置されている。今年11月に発表された計算速度は理化学研究所の「京(けい)」(神戸)の約1・8倍に当たる毎秒約1・9京(京は兆の1万倍)回で、今年6月に発表された前回ランクの69位から躍進した。
 当初は世界ランク3位を目指していたが、部材調達の遅れなどで半分程度の性能にとどまり、斉藤容疑者は「来年11月に世界トップを目指す」としていた。



まぁ、人間も組織も「ジキルとハイド」。この齋藤さんの会社の関係者には、 『総理』『暗闘』 (幻冬舎)の著者として知られる元TBSの山口敬之さんもいることが話題にもなっているが…。

ともあれ、そんな矢先に、ソフトバンクが買収したボストンダイナミックス提供のロボット犬やロボット兵士(?)の映像をネットで拝見。ううむ、バク転する二足ロボットなどは初めて見た次第。ロボット犬の動きもホンモノの犬並? ロボット戦争の可能性も高まりつつある感じだ。シンギュラリティ、いいことばかりではなさそう?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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2017'11.21 (Tue)

国家の暴力、市民の暴力、相撲力士の暴力、暴力にもいろいろとあり?






国家の暴力、市民の暴力、相撲力士の暴力、暴力にもいろいろとあり?(2017・11・21・火曜日)





阿部岳氏の『ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実』 (朝日新聞出版)を読んだ。


内容(「BOOK」データベースより)
人口140人ほどの「東村・高江」。自然豊かな小さな集落を取り囲むように、「米軍ヘリパッド」の建設が計画された。建設に抗議する市民に、政府は本土の機動隊約500人を派遣。排除のため、むき出しの暴力が市民に牙を剥く。「静かな普通の暮らし」を求める沖縄の声を、強権発動してまでも抑えつける政府。記者の目に映ったのは、この国の危機の縮図であり、あすの本土の姿だった―。本土では伝えられない、沖縄の山奥で起きた「165日間」に迫る。


著者は沖縄タイムスの記者。冒頭から「民主主義が壊された」「人権が踏みにじられた」「法治主義が揺さぶられた」「命が危険にさらされた」…といった凄まじい言葉が出てくる。中国の当局と戦っている人権弁護士みたい? 某相撲部屋の親方もそういう思いで、警察に被害届けを出したのかな?

逮捕され長期に不当勾留されたとして山城博治なる人物にはきわめて好意的。福岡の暴力団退治のために送られた機動隊員が530人だったが、ほぼ同じ人数を高江に差し向けたとして「凶器を持つ暴力団と丸腰の市民を同列に扱ったのだ」と批判している。そのほか「ニュース女子」問題やらいろいろと論じているが、すべては「市民」の側にたったものといえよう。

以下は一般論であるが…。
戦時中、日本軍と共に「従軍」した作家や新聞記者がいたが、彼らは当然、「日本軍」のお先棒を担ぐことを原則的には余儀なくされただろう。同様に「市民」とやらの集団に百%支持を表明するかのようにお先棒を担ぐジャーナリストもあるのかもしれない。これはあくまでも一般論であるが…。

ただ、安田浩一氏の『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』 (朝日新聞出版)は、まだ幅広い取材対象者に接し複眼的な視点を読者に、若干とはいえ提供してくれていたなとの読後感が頭の片隅にかろうじて残っているが、阿部氏の本に関しては、そういう読後感がとくには残らなかった。

ともあれ、こういう本もありうるだろうが、仲新城誠(なかしんじょう・まこと)氏の『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』 『国境の島の「反日」教科書キャンペーン 沖縄と八重山の無法イデオロギー』 (産経新聞出版)や、恵隆之介氏の『尖閣だけではない 沖縄が危ない!』 (ワック)や、知念章氏の『基地反対運動は嫌いでも、沖縄のことは嫌いにならないでください』 (ワニブックスplus新書)も併読するといいのではないか。基地反対運動の暴力を批判する、この著者たちも「市民」「国民」の一人であるから。

さまざまな角度から沖縄の基地問題を考えるのはいいことだ。ただ、僕は日米安保肯定論者だけど、阿部氏の本の中で、騒音云々で米軍基地に反対している人がいたが、それには若干同情的。高円寺や荻窪や小田原の一部商店街などの電柱(街灯)からの音楽や広告垂れ流し騒音にも嫌悪感を抱く身であるから。まぁ、防音工事やらいろいろと対策もされているのかどうか…。夜間訓練もほどほどとか、そのあたりは物言いもありうるだろうとは。

それはさておき、山口真也氏の『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』 (教育史料出版会)も、以前紹介ずみだが、沖縄問題を考える上で参考になる本。この中に、図書館ともあろうものが、海兵隊賛美のような本(資料)を置くのはいかがなものかと、山口さんに批判してほしそうな記者が取材してきたことがあったそうな?  どんな記者だったことやら。
地元紙の記者だったとのことだから、沖縄タイムスか、琉球新報かどちらかだろうが、情けない記者もいるものだということをこの本を通じて知ることができよう。そういう記者が、どんな記事を作るかは要注意だろう。

もし、沖縄の図書館に対して、阿部さんの本を入れるなと言ったり、仲新城さんの本を入れるなと一方的なことを言ったりする人がいたら、そういうのは「左右の全体主義者」で同根の差別主義者、反知性主義者といえよう。国家であれ、市民であれ、「暴力」を用いて、適正な処置を覆すようなことをする勢力に対しては警戒すべきなのはいうまでもあるまい。

以下そのあたりを部分再録。

09/15/2016
山口真也氏の『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』 (教育史料出版会)を読んだ。書名などからして、なんとなく、急進的リベラル左派的な図書館関係者による、よくありがちな単純思考(単細胞思考)による「図書館の自由」論が展開されているのかと危惧したのだが……。
ギリギリセーフというか、ちゃんとした視点からの「図書館の自由」論であり、参考になった次第。ただ、千葉の某市図書館での、保守系筆者の本を「焚書」にした案件などが取り上げられていなかったのは残念?

とはいえ、沖縄の大学にいて、沖縄の図書館がアメリカ海兵隊の機関誌(「大きな輪」)を置いてあるのに反発した人たちがあって、それをどう思うかとの取材を地元新聞から受けたこともあったそうな。その機関誌にはアメリカ海兵隊員、女性を救うといった記事があったという(おお、これが事実でないなら問題になるだろうが、沖縄の地元二紙が報道しないような事実を報じていたら、多様な言論を保障する上でも貴重な雑誌として図書館が所蔵して何の問題もないのではないかと僕は思う。それを問題視する市民や、それを後押ししようとする地元新聞の「民主主義」感覚はやはり異常では?)。

著者は、電話取材を受けたようで、その時、記者の話では「住民から図書館に対して『県民感情とかけ離れている』という批判があったとのことだが、どのような立場から書かれた資料であるとしても、図書館は資料に対して中立的なスタンスを取るべきであるし、市民感覚とかけ離れているとしても、あるいはかけ離れているからこそ、この雑誌は沖縄の問題を考えるうえで貴重な研究資料になるはずである。蔵書に加えることには何の問題もないし、反対のスタンスを取る団体のチラシや集会資料なども積極的に集めることで蔵書のバランスを取りながら、市民の学習の場としての機能を保つべきだろう。寄贈された残部を図書館のロビー等に置くことについても、『思想と情報のひろば』『資料提供の自由』という図書館の機能をふまえて考えれば、あらゆる思想に対して開かれた場として機能しているのであれば、特に問題はないと思う(公共施設での宣伝目的でのチラシ類の配布を禁止する条例・規則等があれば別だが)。----これが電話取材に対する私の回答だったのだが、記者は批判的な意見を求めていたようで、電話口からはやや落胆したようすがうかがえた。そして、翌日の新聞には私のコメントは掲載されなかった」という。

ううむ、こういう偏った新聞は、つぶしたほうがいいのか? いやいや、そんなことはあるまいが、代りにどんなコメントが掲載されたのか気になるところ。図書館の自由をわきまえない単細胞的な口先リベラルの「民主主義者」の尊大な反米コメントのみが掲載されたのでなければいいのだが?(以上)

まぁ、こういう、まともな図書館関係者のコメントを、己の単細胞的左翼検閲を肯定してくれないなら、そんなコメントに関しては「報道しない自由」を行使するような新聞は、あまり知性主義的とはいえない新聞だと思うけど。少なくとも、沖縄地元紙のどちらかは、そういう図書館責任者の「正論」を掲載するのはヤバイと判断して「没」にしたのだ。情けない新聞というしかない! もしかして、沖縄タイムスさんだったかも?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!




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