古本虫がさまよう 経済
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『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。』&『新聞奨学生 奪われる学生生活』は、レッテル貼りではない「奨学金」の実態を知る上で役立つ本(2018・2・22)






冬の五輪、まだやっているようだが…。パシュートとかいうのは、まぁ、日本人選手の応援をしたが……。女子フィギュアに関しては、旧敵国ではあるが(?)、日本よりロシアを応援しまっせ?

それはさておき、横山真氏の『新聞奨学生 奪われる学生生活』 (大月書店)を読んだ。
福岡で、生活保護(母子)家庭で育った著者。一念発起して大学に合格。しかし、入学前に支払わなくてはいけない入学金の工面にも四苦八苦。なんとかクリアして入学。当然、奨学金制度などを利用しないとやっていけない。ということで、新聞奨学生にもなり、その体験を綴ったノンフィクション。

僕も高校2年の時、父親が40代半ばすぎで亡くなり、弟(小学生)もいたこともあり、母子家庭になった。さてどうするかと一時思案したこともあり、蛍雪時代などについていた奨学生募集のハガキを利用して資料請求をよくしていたことがある。サンケイ新聞(当時はカタカナ)などは「記者手帖」などを送ってきてくれたと記憶している。

結局、死ぬ直前にたまたま勧誘されて入っていた巨額(?)生保などもあり(まぁ、そのときの生保の対応がミモノ?)、また、日頃の蓄えもそこそこあったようで、そういうものに頼ることなく進学卒業できたのは不幸中の幸いであった。

ということもあり、新聞奨学生という「言葉」にはちょっと敏感だ。

横山氏が所属した新聞社は社名がないが、朝日は福岡では奨学生は募集していないようだし、福岡では産経は夕刊がないようだが、夕刊の配達もしているので、読売、毎日、日経のどれかであろうか?
原則、文系学生でないとだめ(理系は講義日程が厳しいから)。専門学校など、4年ではなく2年とかそういうのは可能。著者は2年コースを利用。3年生になってからは、通常のバイトをやって学費を補ったそうな。

それはさておき、各社の奨学金制度の比較も含めて、いろいろと書いている。4年コースだと、基本的には4年間の学費分は返済不要という形で支給される。ざっと400万~500万円前後。それ以外に、月給として一カ月12万円前後支給。その中から食費や光熱費などが3万~4万ぐらい払うことなるようだ。休みは原則週一回。個室の部屋代は無料。ざっと見ると悪くない?

夕刊の配達のない産経は、月給などは他社より少なくなったり、賄いはついていないようだが、だいたい条件面は各社同じ。少なくとも「個室部屋代」が無料というのは結構なことではないか(防衛大学校だって、完全個室ではなかったかと)。

家賃の相場は、最近の福岡は知らないが、東京周辺だと、やはり数万円はする。僕の学生時代はもう40年前だが、当時(東京都下)で、木造アパート、風呂なし水洗トイレあり・六畳一間台所三畳つき(光熱費は別途自己負担)で25000円ないし27000円していた。今なら6-7万か? 著者は3年生になって、無料アパートを出て、水道代込みで22000円の家賃の学生アパートを借りたとのこと。「駅に近くてこの値段は破格だ。貧乏暮らしをずっとしてきたので、十分満足な物件だった」と記している。

販売所の食費(朝夕二食)は、休みの時はなしで3万円(実費)前後。一日1000円ぐらい。ううむ。やよい軒なら、ご飯お替わり自由だから、賄いなしでも、朝夕二食1000円でなんとかやれる?

ともあれ、朝刊だけなら疲れはともかくとして、一時間目からの授業も受けられるが、夕刊配達があると、午後の講義に影響を受ける。著者も、必修科目(体育)がかかり、思案。大学当局に相談し、他学部の体育の授業を受ける形で日程変更をして乗り切る。

著者は他学部の体育の授業ということで学友がいなくて…と愚痴をこぼしたり、サークル活動などに限界が…とちょっと不満を述べたりしているが、それは「得るものがあれば失うものがある」という原則からして仕方のないことだと思う。

知人のお子さんは専修大学や常総学院(高校)などに成績優秀で合格。その時、それぞれの学校から在学中の授業料は全額免除という提案をもらっていた。お小遣いももらえる?
だが、結局、ほかの授業料を払う、ワンランク偏差値が上の学校を選択した。そういう優秀な成績を取るには、塾に行かないとダメ、塾に行くには金がかかるから、格差社会では…という手合いがいるけど、そこまで理屈を並べても仕方あるまい。

このことに関しては、本山勝寛氏の『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話』 (ポプラ新書)が大変参考になることを綴っている(後に詳述)。

同じ親から生まれても(万が一、違う父親との可能性があるが?)、姉が貧乳で妹は巨乳という例もある。兄弟姉妹間でも、肉体からオツムのでき具合から格差があるものだ。また、親が医者で金持ちであって、某家庭教師サークルであらゆる科目の個人指導を受けても、某私立小学校から系列の中学校に進学することさえ困難な子供もいる。人生、人さまざま。

与えられた環境下で、個々人が努力することがまずは大事。その上で、経済的障害はいろいろと超えていくことが可能なら、それでいいのだというしかない。新聞社が昔からそういう奨学金制度を設けているのは結構なことだと思う。

有利子の奨学金を借りて、返すのが大変だとか云々の「悲鳴」がよく聞こえてくる。ちなみに、先述の本山氏の本によれば、奨学金が悪玉にされ、「週刊金曜日」あたりが、いろいろと批判し「サラ金よりも悪質」云々と指摘しているが、それらは根拠のないレッテル貼りでしかないようだ。最大3%以下の利率にしなくてはいけないとなっているだけで、実際には記事の出た2013年時点では変動利率だと0・2%、固定0・89%ぐらいだったという。今(2017年)は、変動0・01%、固定利率は0・23%の低利率だ。利息のほとんどつかない定期預金なみの低利息ではないか。

週刊金曜日の記事(2013年11月8日号)は、にもかかわらず、大学教授ともあろう御方が、「毎月一〇万円借りれば利率三%で返還総額は六四六万円。毎月二万七〇〇〇円となり完済まで二〇年かかる。非正規労働にしか就けない若者に返せるわけがない」と架空の水増し数字を現実の数字といわんばかりに紹介しているのだ。唖然呆然?

それはともかく、宮崎正弘さんなんかも奨学生として大学に通っていたかと。下村博文氏も、『9歳で突然父を亡くし新聞配達少年から文科大臣に』 (海竜社)という本を書いている。

我が妻も、大学に通うにあたって、日本育英会の無利子奨学金をもらっていたという。親の年収が高いとダメだったが、それは悠々クリア? しかも、成績優秀で減額もされていたとのこと。10年間で返済したという。もらっていたのは、毎月二万円。一年間24万円を4年間もらっていたらしい。当時の授業料は、私立文系は年間24万円ぐらいが相場だったから、授業料分を奨学金でまかなっていたということになろう。

利息型奨学金であれ、借金であれ、なんであれ、借りたら返すのが当たり前。サラ金にしても、横着な法律違反の利息などを取り立てるのは論外だが、適正な利息利率の借金は返すのが当たり前。新聞奨学生のような汗水流して肉体労働をする選択をせずに、本山氏の本によると、そういう奨学金は返済する必要があるということもよく認識せずに、安易に借りている手合いもいるようだ。

ともあれ、彼ら(新聞奨学生)は学費も稼いでいる形になる。生活費も。その分、サークル活動などで制限を受けることになる。

でも、僕もまぁ、中高校~大学と、サークルらしきものに一時的に入ったりしたこともあるけど、授業以外の「自由時間」は、自分の趣味などにあわせて活用するという姿勢で生きてきた。もちろん、趣味が学内サークルと一致するならば…。しかし、運動サークルなどには関心なかったし……。学生生活の本分は「勉強」。友人などを作るのも大事だろうが、それは絶対必要条件ではあるまい?

ともあれ、本山氏の本は、奨学金悪玉論を打破する画期的書物。ご自身自身が貧困家庭で、公立教育で東大に進学しハーバードにも学んでいる。その過程でさまざまな奨学金を利用している。アメリカの大学の学費は高いと言われるが、親の収入などにあわせて、学費免除や減額制度もあるとのこと。日本でも授業料免除などの制度があり、それらを活用することによって、貧しくとも大学進学の夢は実現できる可能性は高いようだ。

現行の奨学金制度に欠けている点なども指摘しているが、給付型であれ、利息負担のあるものであれ、さまざまな奨学金制度の拡充を提言している。観念的なイデオロギーに基づき、事実を隠蔽してレッテル貼りをする教育論者の妄言に騙されないためにも一読すべき本といえよう。

それはさておき、横山さんの本。
三年からは新聞奨学生ではなくなり、通常のバイトと大学生活をそこそこエンジョイ。書名のような「奪われる学生生活」についても、いろいろと指摘もしているが、それほど感情的なものではない。新聞奨学生の生活がブラックなところがあるとか…言いつつも、「今となっては、三年次以降のために、新聞奨学生時代に身を削った甲斐はあったと思う。あの頃、睡眠時間すら削って、友人たちとの交友関係を築いていったことが、充実した学生生活につながったと思う」とも記しているから。

横山氏の本から離れて一般論になるが、新聞奨学生というか、新聞配達に関して、日本人ではなくベトナム人がかなりの比重を閉めているとのこと。朝日の新聞販売店に関しては、出井康博氏の『ルポ ニッポン絶望工場』 (講談社+α新書)が詳しくレポートしていた。朝日新聞の「二枚舌」を解剖していた。すでに紹介ずみ本(本欄末尾に再録)。

横山氏、本山氏、世代は違うが、どちらも貧困家庭からの大学進学。奨学金やらバイトで学費を稼ぎ(本山さんは東大時代は大学授業料免除)、一歩一歩前に進んだ。

僕などは……。お恥ずかしい限りだが……。

新聞販売所については、元朝日の販売局出身の畑尾一知氏が、『新聞社崩壊』 (新潮新書)なる本を出している。読破中だが、販売店の実態についても述べている。販売店をめぐっての人生模様(離婚、自殺…)なども発生しているとのこと。「なぜ新聞代は高いのか」などの章もあるが、社員の高給や(?)新聞奨学生への負担などもあるのかな?と思ったりした次第。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

(以下再録)

天に唾する朝日新聞「ブラック」記事?
(2016・9・19・月曜日・祝日)





出井康博氏の『ルポ ニッポン絶望工場』 (講談社+α新書)を読んでいたら、朝日新聞にこんな記事が出ていた。あぁ、いつもの天に唾する記事だなと思って、こちらも一読(本文末尾に「引用」)。

本書の内容紹介→新聞・テレビが決して報じない外国人留学生、実習生の真実。コンビニ弁当工場、新聞配達、宅配便仕分け、農業……日本人の便利な生活を末端で支える彼らが絶望し、<謀反>を起こす時、この国の生活基盤は崩壊する!
外国人犯罪者の1/4がベトナム人、“奴隷労働”が支える新聞配達、日本語学校によるボッタクリ、犯罪都市「NY化」する日本、日本への出稼ぎをやめた中国人―新聞・TVが報じない「現代の奴隷労働」


かつての「中国人」の「地位」をいま、「ベトナム人」が占めつつあるようだ。
もちろん、昔のような「強制徴用」ではなく、ブローカーの甘言を真に受けて、日本に来れば勉強もできる、お金もバイトで何十万も稼げる、借金してでも日本に行こう…というのには「自己責任」もあるだろう。とはいえ、日本政府の政策(経済連携協定・EPA)として、そうした留学生や実習生や介護士や看護士を目指す外国人を「歓迎」しようという動きもある。にもかかわらず、そういう政策の不備というか、官僚主義的対応のため、せっかく日本にやってきても挫折し、「反日」になっていく外国人があとをたたないという。かつての中国人犯罪者の横行と同じようなベトナム人による犯罪(万引き、窃盗、強盗)などが増加しつつある----そういう実情を大変詳しくルポしたノンフィクション作品。

日本人もあまりやりたがらない仕事として、コンビニに出品する弁当などの深夜労働による製造工場などでベトナム人留学生などが多々働いているとのこと。とりわけ、新聞奨学生に「進出」しているベトナム人も多々いるとのことで、具体的に取材している。
朝日新聞が率先して、日本人学生からの応募も減っている新聞配達人(奨学生)確保のために、ベトナム関係者と交渉し、受け入れ体制を整えていく。その努力もあって、かなりのベトナム人留学生が新聞配達人になっているという。法律的には週28時間まではバイトをしていいことになっている。28時間といえば、一日4時間前後か。朝刊だけの配達なら、実現可能かもしれないが、朝日のように夕刊もあると無理。著者は、そのあたり、関係者への取材も詳細にやっている。朝日新聞にも取材しているが、面談はダメ、書面回答のみの対応。いろんな質問に対して「公表していません」との返答多し。ベトナム人の休暇などが日本人より少ないことなどについては「文化・生活習慣を考慮して」の異なる対応とか?

東京周辺の産経新聞は夕刊がないから、ここの奨学生になれば週28時間のバイトも可能になるかも。朝日を止めて産経に変えたら? これって日本人読者だけでなく、ベトナム留学生にもいえること? サイゴン陥落を「解放」とみなして、ベトナム難民流出にはクールな対応をした朝日新聞の歴史を考えると、それが正しい選択肢? それにしても、下記の朝日記事。すぐ足元にある自社の新聞奨学生の実態を取材したらいかが? 出井さんによると、彼が朝日新聞奨学生の実態を取材したところ、あわてた朝日は、新聞奨学生たちの座談会をやったりして、「朝日新聞の奨学生としてがんばるベトナム人たち」というヨイショ記事を掲載しようとしたが没になった経緯があるとのこと。

相変わらず「新聞だけがなんでも言える自由の国日本」ということだろうか?
下記の朝日記事の実態は、出井さんの本で書きつくされている内容だ。しかし、新聞奨学生の実態は朝日では決して報じられない? ベトナム人留学生がそんなに四苦八苦しているなら、日本人奨学生も大変なのか? でも、この前、格差社会云々で経済的に大学進学が困難なら、新聞奨学生になる手もあるではないかと推奨した手前、このあたり、朝日もほかの新聞も、朝刊のみ配達などの対応で改善していくべきではないか?

常識的に考えても、大学の授業日程からしても、朝刊配達後の大学での授業を受けるのは可能でも、そこに夕刊配達が入ると、ちょっと苦しくなるはず。集金なども近年カード決済が増えている(それなら休日の仕事としてまだ対応可能か?)。チラシの折り込みなどの作業もあるだろうが、立派なことを主張する新聞社なら、まずはベトナム留学生を「搾取」することなく、「仲間」として処遇する配慮を見せるべきではないのか?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

外国人看護師・介護士、難しい定着「もう疲れ果てた」
松川希実、森本美紀
2016年9月18日04時03分

 経済連携協定(EPA)で外国人の看護師や介護福祉士を受け入れて8年。インドネシア、フィリピン、ベトナムから計4千人近くが来日し、600人余が国家試験に合格した。労働力として期待される一方、合格者の3割以上は帰国などEPAの枠組みから離れた。「定着」はなぜ難しいのか――。
 8月下旬、介護福祉士のインドネシア人女性(31)が6年半暮らした日本を離れ、母国に帰った。大きな段ボール箱一つ分は、介護と日本語の勉強の本で埋まった。「もう疲れ果ててしまった」
 来日前はインドネシアで小児科の看護師として働いていた。EPAの募集を知ると、アニメで憧れた日本に行けると夢が膨らみ、2009年に応募した。
 来日後、4年間は施設で働きながら研修をする。仕事は楽しく、覚えた日本語で利用者と冗談を言い合った。夕方には自習時間があり、月2回は日本語教室に通わせてもらった。日本の制度や専門用語は難しかったが、過去の問題を頭にたたき込み、14年に介護福祉士の試験に合格した。
 ところが、合格後に生活は変わった。国が補助金をつけて施設に研修を義務付けているのは合格するまで。勉強の時間はなくなり、家賃の補助も出なくなった。合格しても給料はほとんど上がらず、長期休暇も取りづらかった。
 昨年末から夜勤リーダーの見習いが始まった。最初ははりきったが、期待はすぐにしぼんだ。日勤への申し送りは、15分間で入所者42人分の夜間の状況を口頭で伝える。「失禁があって全更衣しました」など日常会話では使わない言葉を早口で言う。発音が悪いと、「何を言っているか分からない」とダメ出しされた。
 毎晩残って練習し、3カ月間の見習い期間の最後に臨んだ試験。5人分の状況を伝えるのに10分かかったところで、打ち切られた。
 このころ、日本の受け入れ機関である国際厚生事業団にメールで送ろうと、書き留めた文章がある。
 「ずっと我慢して仕事をしながら、申し送りの勉強をしていましたが、やはり疲れました」
 追い詰められて笑顔をなくし、帰り道に何度も涙を流した。上司に「辞めたい」とこぼすと、「今の状態じゃどこも雇ってくれない」と返された。たまたま母国で結婚話が持ち上がり、帰国を即決した。
 「頑張って頑張って合格したけど、もっと高い壁がある。私は日本人と同じようにはなれない」
 別のインドネシア人女性の看護師(32)も帰国を考えている。08年に来日し、12年に国家試験に合格。一緒に来日したインドネシア人の男性看護師と結婚し、2人の子どもを授かった。
 弟や妹を大学へ行かせるため、故郷へ仕送りを続ける。月6万円の保育料は高かったが、共働きで生活費をやりくり。困るのは、子どもが病気になった時だ。
 せき込む娘を腕に抱き、勤め先の病院に「今日も休ませてください」と連絡するのが心苦しい。合格すれば両親を呼び寄せて子育てを手伝ってもらえると期待していたが、制度上、配偶者と子どもしか呼び寄せられないことを知った。
 仕事は忙しく、このまま夫婦2人だけで子育てをすることに限界を感じる。
 「日本の子育てや保険の制度は外国人には難しい。日本は私たちの将来まで考えてくれているのか」
■悩み共有、支え合うコミュニティー
 国際厚生事業団は受け入れた外国人が働く施設を巡回し、週に2回の電話相談を行っている。ただ、合格者の悩みは子育てや転職など複雑になっている。こうした悩みを共有して情報を交換しようと、インドネシアから来日した合格者は昨年12月に「インドネシア人看護師・介護福祉士協会」を立ち上げた。
 断食月中の6月、横浜市内の団地の一室で開いた集会に約40人が集まった。「入浴介助では暑いからベールを外すようにと上司に言われた」と女性介護福祉士が訴えると、「気持ちを伝えた方がいい。1人で難しいなら説明を手伝う」と他の女性が応じた。
 まとめ役の男性看護師モハマド・ユスプさん(35)は「これまでは合格するのに一生懸命だったが、生活するには、みんなで支え合って問題を解決でき、孤独にさせないコミュニティーが必要」と言う。関西や四国には支部ができた。
 ユスプさんは第一陣で来日して8年。12年に合格してインドネシアから妻を呼び寄せ、小学5年と3歳の息子2人を育てている。
 東京都杉並区の河北総合病院の整形外科病棟。ユスプさんが骨折して入院中の高齢女性の足先に触れ、「指は動かせますか」と尋ねると、「動かすと前より痛い」。「少し腫れてますね。冷やしましょう」と笑顔で応じ、病室を出た。電子カルテには「体動時疼痛(とうつう)増強」と素早く打ち込んだ。
 「ここまでできるのに合格して3年かかった。同僚が理解し、助けてくれたからここまで来られた」
 7月中旬には都内で研修中の介護福祉士候補者を訪ね、「日本には『出る杭は打たれる』という習慣がある」などと助言。「いつでも相談して。支え合える仲間がいる」と声をかけた。
 EPAが始まった当初から日本語教育などを支援してきた名古屋市の平井辰也さん(52)は昨年7月、相談窓口として「EPA看護師介護福祉士ネットワーク」を発足させた。労使トラブルから税金や年金の手続き、家族の呼び寄せといった相談が寄せられる。
 フィリピン人の女性看護師(30)は頼りにしていた上司が退職し、働き続けることが不安になった。「帰国したい」と相談すると、平井さんは転職の道もあることを教え、外国人看護師などの専門転職サイトを教えた。「相談できて助かった。合格した後の日本政府のサポートは十分ではない」と女性看護師。平井さんは「EPAは国と国の協定だからこそ、国が関与して法的な権限でトラブルの解決や未然防止、監視ができる第三者機関が必要ではないか」と主張する。
 長崎大大学院の平野裕子教授(保健医療社会学)は昨年12月、インドネシアの日本大使館がEPAを離れた帰国者を集めた就職説明会で調査をした。回答した帰国者29人のうち、13人が「日本で仕事をする生活に疲れた」と答えた。そのうち8人は合格者だった。
 平野教授は「看護や介護は日本人にとっても楽な仕事ではない。言葉の問題をクリアした先には、多忙や子育ての難しさといった日本人にも共通する悩みを抱える人がいる。根本の問題が解消されない限り、日本人と同じように外国人も疲弊する。日本の働き方自体を見直す時だ」と訴える。(松川希実、森本美紀)
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『投資(浮気)なんか、おやめなさい!』と言われたら? 「銀行生保農協」は「社会の敵」なのかな! 金融機関の「嘘」には、嘘も方便で対抗しよう? 金王朝の「核」には、こちらも「核」で?
(2018・2・7)



荻原博子氏の『投資なんか、おやめなさい』 (新潮新書)を読んだ。
投資をすすめる定期預金の金利が1%? それに入ったら投資信託もセットになっていて…、さあ大変…。

還暦近くなると、退職金なら、こんなに有利な運用が…とか、いろいろと勧誘がやってくるものだ。利息が高めになっていると思いきや、最初の三カ月だけ…。外貨定期なら…とか。まぁ、これって、クレジット会社(楽天とか)が、「リボ払い」を勧めて、リボ払いにすれば、こんなにポイントつけまっせ…と言っているようなものだろう(と思う)。確定拠出年金やらニーサやら…。五十歩百歩の「詐欺」まがいの商品? 朝三暮四?

著者は、そんな有利な「投資」が、いかに表向きだけで、実質的には手数料やらなんやらで損することの多い「商品」でしかないと指摘した上で、手元に余裕の資金があれば、一定額を投資に当てるのは許容範囲として認めている。まぁ、常識的なところだろう。

銀行生保農協などは「社会の敵」と思って生きていた我が身は、その点…?  

昔、某大手生保の勧誘お姉さん(おばさん? ピンポーンでの対応なので顔は見ていない)がやってきた時も、「我が家は財産がたっぷりあるので、生命保険なんか不要です」と言って追い払ったものだ。嘘も方便! 生保の「嘘」には、こちらも「嘘」で対抗。核戦略論と同じだ? 北朝鮮の「核」に対しては、こちらも「核」で? 

20数年ほど前か、妻が子供と庭先で遊んでいたら、二人連れの「生保レディ」がやってきて、贅肉で腹が膨らんでいただけなのに、「今度生まれてくるお子さんのためにも、保険を…」と言ったから、さぁ大変?

気をつけよう甘い言葉と景品……。「生保レディ」なんて、「底意あふれる優しい眼差しの痴漢」と同じ?……。とにもかくにも、「社会の敵・銀行生保農協の勧誘はお断り」。自宅の玄関ドアに、貼っておくといいかも?

アマゾンでチェックしていたら、後田亨氏の『保険会社が知られたくない生保の話』 (日経プレミアシリーズ)なんて本もあるそうな(未読)。
霧原一輝氏の『生保レディ 契約ください』 (二見文庫)、葉川慎司氏の『未亡人ママは生保レディ』 (フランス書院文庫) などもあるが……。

松本清志氏の『生保の掟 ある支社長の告白』 (WAVE出版)や、高野正美氏の『続生保の掟 セールスレディの現実』 ( WAVE出版)なる本もあるそうな。
一冊の本を読むと、関連書もひもときたくなるもの…。

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「社会の敵・銀行・証券・生保」に騙されないためのバイブル?
「仮想通貨」は所詮、フェイクマネー

(2018・2・1)





荻原博子氏の『老前破産  年金支給70歳時代のお金サバイバル』 (朝日新書)を読んだ。
「年収850万」でも年金もらう前に破産危機!」と帯にある。

35年住宅ローンの陥穽やら、いろんな人の「破産」状況をケーススタディ風に紹介しながらの生活経済論といったところ。銀行の、使わなくてもいいから…という甘言で「カードローン」地獄に陥った女性の例なども。まぁ、「自己責任」もあるけど……。

本当に「銀行は社会の敵」というしかないね? 銀行からやってくるダイレクトメール(郵便)などは即座にごみ箱行き。この歳になると、退職金の有利な運用とか、年金の振込口座に指定したら…とかいろいろとやってくる。

口座を作った時に登録した「固定電話」なども廃止して、携帯電話番号もお知らせしないようにしていれば、ダイレクトテレホンもない? 稀にそんな電話が携帯にかかってきても、「落としたキャッシュカードが見つかりましたなんていう電話ならともかく、二度とかけてくるな」と豪語すれば、さすがにかかってこなくなるもの?

そうなると、今度は「口座管理手数料」などを徴収しようとする? 本当に財務省並の悪知恵が働く手合いたち? 最初は、普通口座に一万円以下のお金が一カ月以上ない場合は…とか? そのうち消費増税同様に、普通口座に百万円あっても、出し入れが一カ月ない場合…とエスカレートしていくことだろう。銀行なんて本当に「墓場の公衆便所」でしかない?

本書に「国公私立大学の授業料等の推移」なる表がある。僕が入学したころの私立大学の平均は授業料(年間)が25万円弱。入学金が13万円ちょっと。我が大学も、入学金は12万円で、授業料は22万円ぐらいだったかと。授業料は卒業まで不変だったかと。

それがいまや授業料が86万円で入学金が26万円とのこと。ううむ…。デフレ不況時代に、ここだけ「インフレ」的に右肩上がり(入学金などはちょっと横ばいから若干低下傾向も)。理系含めての数字かどうか知らないが…。

そういうお金を捻出するために、超低利息の預金より、有利な投資や値上がり益を求めて仮想通貨などに関心を示す人も多々いるのだろうが、ご丁寧なことに(?)、荻原さんは、 『投資なんか、おやめなさい』 (新潮新書)とも説く。まぁ、仮想通貨などはフェイクマネーみたいなもの?

帯に「銀行・証券・生保激怒必至!」「あなたのお金が狙われている」と。

この本はこれから読むところ。読後感はまたのちほど……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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オーウェル的な『パリ・ロンドンどん底生活』から『東京・千葉どん底『ネットカフェ』生活』へ
(2018・1・31)




2018・1・29の東京新聞(夕刊)の一面トップに、「ネットカフェ難民」「都内1日4000人」「7割超は不安定労働」「推計」なる見出し記事が出ていた(ほかに日経夕刊にも…)

ネットカフェ難民 都内1日4000人 7割超は不安定労働
 2018年1月29日 東京夕刊
住居が無くインターネットカフェなどに泊まる「ネットカフェ難民」が東京都内で一日当たり約四千人に上るとみられることが二十九日、都が初めて実施した実態調査で分かった。そのうち七割超の約三千人が派遣労働者など不安定な働き方をしていると推定された。
 都は二〇一六年十一月~一七年一月、都内の二十四時間営業のネットカフェや漫画喫茶など全五百二店を対象に、店側と利用者のアンケートを実施。二百二十二店から回答があった。
 オールナイトの利用者九百四十六人に理由を尋ねたところ「旅行・出張中の宿泊」が37・1%と最多で、「住居が無く、寝泊まりするため」の25・8%が続いた。他は「遊び・仕事で遅くなった」13・1%、「家に帰りたくない事情がある」5・9%など。都は回答した店の平均宿泊者数などから、平日に泊まる人は都内で一万五千三百人と推計し、うち住居の無い人は約四千人と算出した。
 住居の無い泊まり客を年代別にみると、三十代(38・5%)と五十代(27・9%)が目立った。労働形態は、パート・アルバイト38・1%、派遣労働者33・2%、契約社員4・5%で、不安定な働き方をしている人が七割を超えていた。
 都はさらに、住居が無い客ら三百六十三人に聞き取り調査を実施。店舗の他に、路上でも寝泊まりする人は43・8%いた。一カ月の収入は十一万~十五万円が46・8%と最多で、収入がない人は10・7%に上った。
 都の担当者は「今の三十代はリーマン・ショック後の派遣切りや雇い止めの影響が大きいと推定される。五十代が多いのは、仕事を辞めると再就職が困難だからではないか」としている。


ということで、1981年生まれの川崎昌平氏の『ネットカフェ難民』 (幻冬舎新書)を読んだ。2007年の刊行だから十年(以上)前の本。東京藝術大学大学院卒業だから、学歴としては十分な人。

にもかかわらず、大学院を出てから、就職はせずに、絵の家庭教師として一日仕事をすると5万円ももらえるバイトなどもやっていたそうな。親の自宅もあるようだが、そこを出て、丸一カ月、ネットカフェで寝泊まりしながら、日雇い労働のような仕事をし、少しお金が入ればパチンコなどに……ポルノ映画館に入ることも(ホモに要注意だったそうな)。時には神田古本屋街をさまよい安い本を買い求めて読んだりもしたそうな。そんな一カ月を淡々と振り返った本。サブタイトルは『ドキュメント「最底辺生活」』。

僕は「ネットカフェ」なるものを利用したことはない。ネットカフェらしきところで、卓球をしたことはあったっけ? ともあれ、サブタイトルからして、ジョージ・オーウェルの『パリ・ロンドン放浪記』 (岩波文庫)、 『パリ・ロンドンどん底生活』 (朝日新聞社・晶文社)を彷彿させるノンフィクション・ドキュメントといった読後感を得た次第。

川崎氏の本に出てくる「最底辺生活」の「町名」としては、松戸や柏や我孫子界隈が出てくる。『パリ・ロンドンどん底生活』ならぬ『東京・千葉どん底生活』といったところか。

この本が面白かったので、続編ともいうべき、彼の『若者はなぜ正社員になれないのか』 (ちくま新書)を読んだ。これは2008年の刊行。

大学院を出てから2年、ブラブラ(最底辺)生活をしていた著者が一念発起で就職活動を展開することに。書類選考で蹴飛ばされる中、面接試験や筆記試験を受けられる企業も出てくる。具体的な社名は出てこないが、かなりの一流企業にもあと一歩のところまで……。ハローワークに通うことも。自分自身の就職「戦争」の過程を赤裸々に具体的に記している。同時代に就職活動をした人には大いに参考になったのではないか。その後の著者はどういう風に過ごしてきているのだろうか? 物書きとして成功もしているようだが…。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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「NHK『クローズアップ現代+』」も讃美した(?)大塚雄介氏の『いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)を遅ればせに一読すれば……
(2018・1・30)




仮想通貨取引所大手コインチェックから約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題が、大きな話題になっている。

ということで、ふと、積んどくしていた本を手にしたのだが、帯に出ている顔写真(著者)に既視感が…。

著者・書名は、大塚雄介氏の『いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン』 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)。帯にはさらに「5万部突破!」「NHK「クローズアップ現代+」に著者出演」とある。2017年3月初版。手元にあるのは10月8版。NHKのその番組では、どんな風に大塚氏が登場したのか? 見ていないのでなんとも言えないが、まぁ、新進気鋭の経営者として、彼のご高説を賜ったのではないか? NHKニュースはたまにしか見ていないが、そういうところに出演した映像があるのなら、それを流したりしてはいないのかな? 番組ではこんなことをしゃべっていましたが…実は…とか? もし、放映していないのなら、放映できないような「ヨイショ」シーンがあるからなのか? ちょっと気になる情報?

というのも、なんとこの大塚さんは、今話題の「コインチェック株式会社」の「共同創業者兼COO」なのだ。記者会見でいろいろと釈明しているお姿を拝見していたから既視感があったのだ。

ということで急遽一読。

そもそもビットコインとは?

仮想通貨(バーチャル・カレンシー)。ブロックチェーンという新技術によって生まれた「仮想通貨」であり、電子データで表される「デジタル通貨」であり、高度な暗号セキュリティに守られた「暗号通貨」であり、特定の国に属さない「国際通貨」であるという複雑な特徴をもっているとのこと。

その購入方法などから話は始まる。
海外送金に関しても手数料が安いため、銀行などを経由するよりお得。フィリピンなどの人が、海外で働き、家族に送金する時、まとまった金額を送ると、すぐに使う民族性(?)があるので、少額ずつ送りたい…。しかし、銀行送金だとその都度、手数料を取られる。その金額がバカにならない。そこでビットコインを使って送金…。そういう需要もあるそうな。

僕はスマホも持っていないので、そもそも購入が困難? 海外送金もしたことがない。国内のお店で、クレジットカードのように使えるといっても、まぁ、不要かな?

ビットコインなどは「出自」がはっきりしているので、今回のような流出があっても、いま誰が「保有」しているのかは捜査可能のようだが…。三億円強奪犯人は未だに逮捕されていないが、ビットコイン「強奪」なら、いずれ犯人が判明し、「被害額」も戻ってくるのかもしれない?

ともあれ、本書では、当然、著者のよって立つところから、ビットコインの長所が縷々述べられている。誰も偽造・改変できない、特定の国や企業の思惑に左右されない…。

ただ、死角などもあるとしていろいろと指摘もされている。民主的運営によって成り立つとしながらも、中国市場にかなり依拠しており、それを管轄する中共政権が民主的であるわけがないので、そのあたりも死角というかマイナス要因になりそうではある。

「ビットコインの安全性や法整備はどうなっているの?」という章もある。

「コピーも改竄もできないブロックチェーン」と豪語。そして「お客さまから預かったビットコインのデータが消えて困るのは取引所なので、何重にもセキュリティ対策をしています。また、口座に入っている現金(円やドル)は、事業用資金とは分けて保全することが法律で義務づけられています」とのこと。

さらに、2014年のマウントゴックス事件(当時としては世界最大級のビットコイン取引所の「マウントゴックス」が経営破綻。ハッキングによって45億ドル相当のビットコインが消失)などを挙げて「同じことが別の取引所でも起きる心配はないでしょうか」「結論からいうと、現状ではまずあり得ません」「何重にもセキュリティをかけています」「みなさんから預かったビットコインも現金も、従来の金融機関と同じように手厚く保護されているのです」と…。ううむ?

「何重にもセキュリティ」とは? 仮想通貨「NEM(ネム)」も同様だっただろうに…。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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