古本虫がさまよう 読書
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AI時代到来で、「世間を渡る」ためには「理系本」も読破しなくては…。『脳の誕生』は理系本だが、『巨乳の誕生』は理系本ではないのか?
(2018・2・16)


パオロ・マッツァリーノの『世間を渡る読書術』 (ちくま文庫)を読んだ。

内容(「BOOK」データベースより)
謎のイタリア人パオロ氏がはじめたお店は立ち食いそば屋兼古本屋!「お金もちになるための方法は?」「体罰は必要?」「のらネコと共存するには?」―ご近所の主婦が持ち込む数々の難題を、おすすめ本でズバッと解決。鮮やかなツッコミも冴えわたる知的エンタメ読書ガイド!「自殺予防に民主主義」「頭か、腹か」「日記に書かれた戦前・戦中」の文庫版おまけ三本を追加。


ふと、手にした次第。この人のことはよく知らない。フランス人・ポール・ボネ(フランス好きな日本人・藤島泰輔さん)みたいなイタリア好きな日本人によるものなのか?

肯定的に取り上げる本で、「こんな本が?」と思うものもあるが…。ともあれ、こういう書評集的本は、いろいろと知らない本も出てくるので参考になれば、特に文句もない。一読の価値はあるかなと。

引き続き、齋藤孝氏の『文系のための理系読書術』 (集英社文庫)を読んだ。

「今もっとも知的好奇心をかき立ててくれるのは科学の分野。その興奮を知らずにいるのはもったいない」。齋藤先生が蔵書からおススメの“理系本”50冊あまりを紹介。初心者も手に取りやすい入門書から、世紀の発見を追ったドキュメンタリー、マンガで解説する数学の本まで多彩なラインナップ。科学の分野への苦手意識を払拭し、新たな読書の地平へといざなってくれる、画期的な読書ガイド。

ネットなどから無料で「情報」がえられる時代に、数百円から数千円の本を買って読む層が減ってきていることに警鐘もならしている。SNSに一日二時間使うなら、一時間読書をすべきとも。それは同感。タブレットやスマホがあれば「本」は要らないという人もいるけど、それはちょっと違うぞとも。ううむ…。何十冊もの理系本が紹介されているが、あまり読んでない…。

最近は、小室直樹氏の『数学を使わない数学の講義』 (ワック)とか、中島俊之氏&ドミニク・チェンさんの『人工知能革命の真実 シンギュラリティの世界』 (ワック)とか、まぁ、理系の本も手にして読んだりもしているのだが……。

この前読んだ『巨乳の誕生』 (太田出版)は理系本ではない? 大隅典子氏の『脳の誕生』 (ちくま新書)は「理系本」だと思うが、ちょっと読破する気にはなれない?

齋藤さんの本に出てくる理系書の中では、 『なぜ美人ばかりが得をするのか』 (草思社)は読んだような気がするが? 海部陽介氏の『人類がたどってきた道 ”文化の多様化”の起源を探る』 (NHKブックス)は読んでないが、同じ著者の『日本人はどこから来たのか?』 (文藝春秋)は積んどくしているかな?

湯川秀樹氏の『旅人 ある物理学者の回想』 (角川ソフィア文庫)は積んどくしている? 的川泰宣氏の『宇宙飛行士の父 ツィオルコフスキー 人類が宇宙へ行くまで』 (勉誠出版)はソ連がらみの話が出てくるので、読もうとしているのだが…。おお、結構「理系本」も積んどくとはいえ、手にはしている?

でも、十年前に、理系の積んどく本はかなり処分したかな? 定年になったら読もうと思っていたけど…。もう読まないだろうからと……。そもそも優雅な定年後の読書三昧、晴耕雨読もなさそうだし…。

引き続き、三宅香帆氏の『人生を狂わす名著50』 (ライツ社)を拾い読みした。

内容(「BOOK」データベースより)→『京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。“リーディング・ハイ”』というタイトルで「天狼院書店」のウェブサイトに掲載され、2016年、年間はてなブックマーク数ランキングで第2位となり、多くの反響を呼んだ記事をもとに書かれたブックガイド。どうしても社会や世界に流されることのできなくなる本たちを選んだ。

文学作品が多いということもあり、理系本ほどではないが、やはりあまり手にしていないので、読後感に関しては、なんとも…。書評集というよりは、個性的な読後エッセイ本といったところだろうか? 参考にはなりそうだが、人生を狂わす…という「名著」といえば…。トー・クーンの『女教師』 (フランス書院)を10代で読むと人生を狂わすなんてこともありや? あぁぁ…『女教師』の原書(英語)も手にしたものの…。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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我が家にいる「金与正」の「氷の微笑」にぞっとしながら、恒例のみすず書房「みすず」の読書アンケートを読み、毎度ながらもシーラカンス的発言に溜め息をつきつつも、参考になる本を見つけ、またもや冷たい視線を気にするこの頃? 三笠書房(フランス書院)も裏版「読書アンケート」をやればいいのに?(2018・2・15)






金与正の「氷の微笑(うすら笑い?)」(?)をテレビで見るにつけ、どっかで見た怖い「顔」「微笑」だなと……。見覚えがあるのだ。さて……と思っていたら、おお、僕が全盛時だった時(?)…。毎晩、紙袋に十数冊の本を抱えて帰宅し、玄関からこそこそと「書斎」(書庫)に、その紙袋をそっと「挿入」する時、たまたま古女房と出くわすと……。

「また、読みもしない本を買ってきて! 家の中どうするつもりなの!!」と怒鳴るというか、時には諦めてか(?)、いかにも蔑むかのように、じっとバカにしたかのように見つめる時の古女房の「顔」にそっくりではないか? あな、恐ろしや……。向こうは古本の山を見ては「早く消えてほしい!」と思っていることだろう。こちらは小言半兵衛に「早く消えてほしい?」。

それはともあれ、 『みすず』(2018年1月&2月号)の「読書アンケート特集号」を読んだ。今回は145名の執筆。
「2017年中にお読みになった書物のうち、とくに興味を感じられたものを、五点以内で挙げていただけますよう」とのアンケート。
5冊以上挙げる人もいれば、それより少ない人もいるし、重複することもあるが、単純計算でも、700冊以上の本が紹介されていることになる。

理系(すぎる)本や、学術的すぎる本や、翻訳のない外国書などは読む気にはなれないが、これだけあると、へぇ、そんな本があるんだ、知らなかった…というものも多々ある。その意味で、参考になるアンケート特集だ。毎年、「愛読」している。

でも、マジメ系統のジキル本ばかり700冊というのもいかがなものかな?
ハイド(エロス)本が皆無…。みすず書房に対抗して、同じ「書房」がつく二見書房や三笠書房(フランス書院の親会社?)あたりが、裏版「読書アンケート特集号」の小冊子を出してほしいものだ。

ともあれ、「みすず」のほうでは、中にはリベラル左派(極左文化人?)というか、シーラカンス的文化人などもいて、まぁ、こんな本…というのもなきにしもあらずだが、そういう本も多様な言論の一端を知る上で参考になることもある。

だが、安倍首相の悪口をまず一言語ってから本の紹介に入る人もいるが、それはまぁ、言論の自由とはいえ、ちょっと…?

「今の首相、政治家として美しくない。顔も見たくない。声も聞きたくない。早く消えてほしい。敵は選挙でも政治でも(たぶん行動経済学を駆使して)、誘導しやすい人をうまく誘導している。こちらも文句を言うだけじゃなく、うまいナッジを考えて逆襲しなければね」とまで枕詞を使って、ほんの1~2行、本の内容を紹介するようでは…。本末転倒?

「早く消えてほしい」というのは、この「みすず」にも別途登場している某大学教授が吠えたような「お前(安倍)は人間じゃない! たたき斬ってやる!」という意味ではなく、失脚してほしいとか、首相の地位から落ちてほしいという程度の意味だろうか?

いやいや、お前なんか「消してやる」となると「殺してやる」とほぼ同じニュアンス? ならば「消えてほしい」は「死んでほしい」と同意義語? 『広辞苑』にはなんと書いているかな?

まぁ、北の金サンは早く「消えてほしい」と僕は思うけど…。選挙のない国だから、地位失脚は簡単にはいかないだろうが、因果応報的な「消え方」はありうるかも?

そういえば、金サンに関して、NHKが昨日(2018・2・14)こんな放送をしていた。スクープと称していたか?


“ジョンナム氏を後継に画策し粛清“ 中朝関係悪化の発端に
2018年2月14日 5時27分北朝鮮情勢

かつて緊密だった中国と北朝鮮の関係が現在のように悪化するようになったのは、北朝鮮のナンバー・ツーとされたチャン・ソンテク氏が、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄のジョンナム(金正男)氏を最高指導者に就かせようと画策し、中国側の密告によって粛清されたことがきっかけとなったことが明らかになりました。
中国政府の関係者がNHKに対して明らかにしたところによりますと、北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記が死去してから8か月たった2012年8月、当時、北朝鮮のナンバー・ツーとされ、キム・ジョンウン委員長の叔父にあたるチャン・ソンテク氏が、北京で中国の胡錦涛国家主席と会談した際、「ジョンイル氏の後継にはキム・ジョンナム氏を就かせたい」という意向をひそかに伝えたということです。

これに対し、胡主席がどのように応じたのかはわかっていませんが、この密談の内容は中国の最高指導部のメンバーだった周永康・元政治局常務委員が、翌2013年初めにキム・ジョンウン氏に密告し、ジョンウン氏のげきりんに触れたチャン氏は、2013年12月に国家反逆罪などで処刑されました。

これについて、北朝鮮側は、中国の指導部が北朝鮮の国内に政権転覆の動きがあることを知りながら阻止しようとしなかったとして不信感を抱いたということです。一方、中国側も、北朝鮮が中国とのパイプ役であるチャン氏の粛清に踏み切ったうえ、その後も中国側の呼びかけを無視するかたちで核・ミサイル開発を進め、行動をエスカレートさせてきたことに不信感を募らせてきました。

中国と北朝鮮は、かつては緊密な関係にありましたが、キム・ジョンウン氏が最高指導者となったあと、一度も首脳会談が行われず、現在のように関係が悪化するようになったのは、北朝鮮の後継者問題をめぐるチャン氏の画策がきっかけとなり、双方が不信感を募らせてきたことが要因であることが明らかになりました。

専門家「核・ミサイルの問題でも距離ますます大きく」

北朝鮮のナンバー・ツーとされたチャン・ソンテク氏が、キム・ジョンイル総書記の後継者にキム・ジョンナム氏を就かせたいという意向を中国側に伝えたとされることについて、中朝関係に詳しい南山大学の平岩俊司教授は、NHKの取材に対し、「キム・ジョンウン委員長よりもジョンナム氏の方が扱いやすいという思いがあったのかもしれない。チャン氏は、キム・ジョンイル総書記からジョンウン氏の後見人に指名されて、かなり自分の権力を過信していたということが言える」と述べました。

また、チャン氏がその後、北朝鮮で国家反逆罪などで処刑され、中朝関係が悪化した状態が続いていることについて平岩教授は、「今回の事件は事実だとすれば、北朝鮮の中国に対する不信感を募らせるきっかけになったのだろうし、逆に中国も、北朝鮮への不信感を募らせるきっかけになったわけで、結果的に中朝関係が構造的に悪くなっていくきっかけになったと言える」と指摘しました。

そのうえで平岩教授は、「お互いの不信感が積み重なった結果、核・ミサイルの問題においても、中国と北朝鮮の間の距離もますます大きくなっていると思う」と述べました。


「中国政府の関係者がNHKに対して明らかにしたところによりますと…」などと独自取材のスクープかのように報じているけど、昨日の朝テレビニュースを見ていて、どこかで聞いた話だよな…と。

ふと、閃いて去年の10月に刊行されている、西岡力氏の『ゆすり、たかりの国家』 (ワック)を見たら100頁前後に縷々指摘されている。西岡氏の独自情報のみならず、密告云々の件は、産経の矢板明夫記者が2015・2・24付け紙面で指摘している。日経記者の中沢克二記者も、2017・8・16付け電子版にて指摘している。だから、既視感があったのだろう。

ともあれ、金正恩をはじめとして北朝鮮の歴代独裁者の疑心暗鬼というか、「暗殺」「処刑」「拉致」「人権弾圧」は、ヒトラー以上のモノがあるだろう。

それにしても、「今の北朝鮮の、選挙もなしにただ世襲でその地位につき、兄弟でさえ刺殺を命じるような金正恩」に対して、「人間として美しくない。顔も見たくない。声も聞きたくない。早く消えてほしい」とでも言うならまだしもだが…。

まぁ、そういう人や、そういう人の紹介する本などには、ところどころ「バカ」「アホ」「マヌケ」などと赤ペンを使って一言、線を引きながら読み進めた次第(これは毎年のこと!)。

こういう人たちは、みすず書房の本であっても、ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』 (みすず書房)や、ザヴォドニーの『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』 (みすず書房)や、中村禎里氏の『日本のルイセンコ論争』 (みすず書房)などを良書として挙げるだけの知的勇気もない人だろう。 阿比留瑠比氏の『総理の誕生』 (文藝春秋)を読まないというのならまだ分かるが?

ともあれ、こういう読書アンケートが来たら、なんと答えるか? 『みすず』の中でも、僕が読破した本が何冊か紹介されていた。

・青山南氏『60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ』 (岩波新書)
・富田武氏&長勢了治氏『シベリア抑留関係資料集成』 (みすず書房)
・富田武氏『シベリア抑留 スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』 (中公新書)
・高見順氏『敗戦日記』 (中公文庫)
・下川正晴氏『忘却の引揚げ史 泉靖一と二日市保養所』 (弦書房)
・川島博之氏『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』 (講談社+α新書)……。

川島さんや下川さんの本は大変面白かったが、青山さんや富田さんの本は、アマゾンのブックレビュー的には☆☆☆(☆三つ)レベルだから、「とくに興味を感じた」というほどではないが……。

そのほか、去年出ていた本で最近読んで面白かったと記憶のある「ジキル(マジメ)」本といえば、こんな感じかな?


・金永煥氏『韓国民主化から北朝鮮民主化へ』 (新幹社)
・平川佑弘氏『戦後の精神史  渡邉一夫、竹山道雄、E・H・ノーマン』 (河出書房新社 )
・有馬哲夫氏『こうして歴史問題は捏造される』 (新潮新書)
・中村禎里氏『日本のルイセンコ論争』 (みすず書房)
・江崎道朗氏『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』 (PHP新書)
・伊藤亜人氏『北朝鮮人民の生活』 (弘文堂)
・福井義高氏『日本人が知らない最先端の世界史2』 (祥伝社)
・平川祐弘氏編『竹山道雄セレクションⅣ 主役としての近代』 (藤原書店)
・大高未貴氏『父の謝罪碑を撤去します  慰安婦問題の原点「吉田清治」長男の独白』 (産経新聞出版)
・石川禎浩氏『赤い星は如何にして昇ったか 知られざる毛沢東の初期イメージ』 (臨川書店)
・福冨健一氏『共産主義の誤謬 保守政党人からの警鐘』 (中央公論新社)
・湯浅博氏『全体主義と闘った男河合栄治郎』 (産経新聞出版)
・宮田智之氏『アメリカ政治とシンクタンク 政治運動としての政策研究機関』 (東京大学出版会)……

「みすず」に出てくる人の中には、こういう本は「良書」ではないと考える狭量な人も若干はいることだろう。中には、これらの中には「歴史修正主義者」の本があるということで糾弾するかも?

それにつけても「みすず書房」ならぬ「三笠書房」「二見書房」の裏版「読書アンケート」となるとこんな本が…。5冊じゃおさまらない?

・鏡龍樹氏『雪国の未亡人女教師 乱れる、溺れる、堕ちる』 (フランス書院文庫)。
・草凪優氏『未亡人は、雪の夜に』 (双葉文庫)など「実作」は別にして、性・実践記・評論書となるとこんな感じか。

・熊田陽子氏『性風俗世界を生きる「おんなのこ」のエスノグラフィ SM・関係性・「自己」がつむぐもの』 (明石書店)
・高木瑞穂氏『売春島 「最期の桃源郷」渡鹿野島ルポ』 (彩図社)
・中村淳彦氏『AV女優消滅 セックス労働から逃げ出す女たち』 (幻冬舎新書)
・伴田良輔氏編『ダッチワイフ sex doll シリーズ紙礫11』 (皓星社 )
・酒井あゆみ氏『セックスで生きていく女たち 』 (三交社)
・森魚名氏『偽装恋愛 ある痴人の告白』 (彩流社)
・松木たかし氏『風俗の虫 捜査官が覗いた日本の風俗70年』 (幻冬舎ルネッサンス)
・田中雅一氏編『侵犯する身体 フェティシズム研究3』 (京都大学学術出版会)
・ワコール編『ブラパン 100 聞きたくても聞けない、下着のホンネ』 (ビー・エヌ・エヌ新社)
・黒沢哲哉氏『全国版 あの日のエロ本自販機探訪記』 (双葉社)
・木下直之氏『せいきの大問題 新股間若衆』 (新潮社)
・山本雄二氏『ブルマーの謎 女子の身体と戦後日本』 (青弓社)
・中山美里氏『高齢者風俗嬢 女はいくつまで性を売れるのか』 (洋泉社・新書)
・坂爪真吾氏 『セックスと超高齢社会 「老後の性」と向き合う』 (NHK出版新書)
・ゲイ・タリーズ『覗くモーテル観察日誌』 (文藝春秋)
・二階堂卓也氏『洋ピン映画史 過剰なる「欲望」のむきだし』 (彩流社)
・池田俊秀氏『エロ本水滸伝 極私的エロメディア懐古録 巨乳とは思い出ならずや』 (人間社)……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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「本」と「雑誌」と「言論」にかかわる人々の「証言」を味読する! 「本が好き」が「本屋が好き」「古本屋が好き」「図書館が好き」「本を書く人が好き」にはならないのか?
(2018・1・22・月曜日)




この前、紹介したヘンリー・ヒッチングズ編の『この星の忘れられない本屋の話』 (ポプラ社)の中に出てきたマイケル・ディルダの「雪の日」は、今からちょうど二年前になる2016年1月22日(金曜日)の「時」から始まる。

その日、彼はワシントンの自宅にいた。朝から雪の備えに追われていた。大雪警報が出ていたようだ。これって、ちょうど2018年1月22日月曜日(本日)の日本(関東周辺)のような状況では(たまにしか当たらない天気予想が当たるとしたら…だが)。
ライバル機関のない親方日の丸的組織「気象庁」の「天気予想」によると、東京周辺は、午後から大雪になるそうな。すでに月曜日の朝の時点で、都内の学校は休校かも。

2年前の今日(2016・1・22)、ワシントンの学校も、朝の時点ですでに休校が決定。地下鉄は週末運休も決定。金曜午後は雪一色になるだろうとなっていたとのこと。
ディルダさんの妻はサンフランシスコに行っていて翌週火曜まで帰って来ない。ということで、大型中古古本屋(「セカンド・ストーリー・ブックス」)に電話をすると、雪が降り始めるまではオープンしているという。さっそく彼はそこに飛んで行く。その過程でいろいろと古本・古本屋談義をするのだ。それが面白い。

それはさておき、本日、仕事の会議が朝からあるので、ディルダさんみたいに、本日午前中に古本屋を行脚するわけにはいかないのは残念? 会社は休みではないので。
もし会社が休みとなれば、そして天気予想通り、午前中は雪ではなく、午後から大雪となれば、まぁ、都内のブックオフを午前中~急ぎ足で行脚するぐらいはできただろうか? 定期の使える路線・駅で下車して回るとか。それだけでも、ブックオフなら十数軒はあるかな?

ともあれ、元木昌彦氏編の『現代の見えざる手--19人の闇』 (人間の科学新社)を読んだ。こちらは元週刊現代編集長の元木さんのインタビュー(対談)集。

元木さんは冒頭から「日本は北朝鮮化している」ということで、「国境なき記者団」の報道の自由ランキングを根拠にしたりしてそういうことを主張したり、共謀罪批判を展開しているのには、ちょっと「?」と感じはしたが……。

そういうこともあって、対談相手は、山口二郎さんとか白井聡さん とか……。よくいって(?)「リベラル左派」(極左リベラル?)系の人が多し。中道リベラルな人が二人ぐらいいて、そのあたりはフムフムと一読。それ以外は、ふうん? ホンマかいな?という感じで軽く読みとばした次第だが。

引き続き、夢眠ねむ氏の『本の本 夢眠書店、はじめます』 (新潮社)を読んだ。著者は「アイドル」とのこと(知らなかったが!)。

(こんな内容)→本はどうやって私の手に届くの? 編集と校閲の役割から装幀の現場、書店の1日まで、現役アイドルが謎多き本の仕事に迫ります。自分で書店を開きたいと願うほど、本を愛するアイドルが訪ねた先は―。超大型書店の舞台裏から、POP作りの達人、憧れの少年ジャンプ編集部、ミスを見破る校閲ガール、ブックデザインの現場まで。出版業界のプロフェッショナルを取材した体験ルポ。


「体験ルポ」といっても、要は「対談本」。内容紹介にあるように、「本」にまつわるあらゆるジャンルの関係者との対談(鼎談…)をこなして「本についての本」を論じたといった一冊。対談も短文なので(240頁ぐらいの本だが、対談テーマは15もある)、深い考察があるというわけではない。が、そこそこ面白く読める一冊ではあった。ところどころに、アイドルということで、ご本人の写真も散りばめられていた。

たまたま読んでいた「しんぶん赤旗」(2018・1・21号)の書評的なところにも著者インタビューみたいな形で、夢眠ねむ氏がご登場していた。本人の顔写真も大きく出ていた。伊藤ちなみ氏にちょっと髪形やら雰囲気の感じが似ているかな?

インタビューの最後に「本の好きな人に悪い人はいないと思いました」と結語。いやいや、「本の好きな人にも、好きが故に万引きしたりする悪い人もいますから…」。ネバーセイネバーですよ。「コミュニストは皆嘘つきで悪い人ばかりです」という人もいるかもしれませんが、そんなことがないのと同じように…。例外のない規則はありませんから。

さらに引き続き、田口久美子氏の『増補 書店不屈宣言 わたしたちはへこたれない』 (ちくま文庫)を読んだ。単行本で一読した記憶がある。

(こんな内容)→長年、書店の現場に立ち続けてきた著者によるリアル書店レポート。困難な状況の中、現場で働く書店員は何を考え、どう働いているのか。大幅改訂版。1973年に書店員としての人生をスタートし、現在も副店長という立場で現場に立ち続ける著者による書店ドキュメント。ネット書店におされ、電子書籍の推移に神経を張りながらも、肉体労働を含めたリアル書店の仕事は続いていく。変化の激しい状況の中で、それぞれの現場は今、何を考え、どう動いているのか。現場で働く社員たちへの取材を中心に、業界全体への危惧、希望へと話は及ぶ。文庫化にあたり、大幅に改訂増補。

著者が副店長をしている池袋ジュンク堂は、ちょっと駅から離れていることもあり、最近は行ったことがない。
昔は、ここに行けば、探している「本」があるということで寄ったこともあったが、通勤途上ではないので…。
田口氏が、言及している池袋リブロも、古本市開催や池袋の古本屋にたまに寄った時などにちょっと見る程度だったか…。まぁ、専門書やらいろいろと丁寧に置いてある書店とのイメージは持ったが、閉店前の時期はチラリと眺める程度だった。いまは三省堂が入ったようだが……。

最近は、新刊書店で立ち寄るのは仕事場近くの文教堂や、神保町の三省堂と東京堂ぐらいか(「岩波ブックセンター」が閉店したままなのは残念)。それも一階程度。上の階にはたまにしか上がらない…。

アマゾンで買うことも増えたし、ボイントカードを持っているのが文教堂・丸善(ジュンク)系なので、書店で買う新刊書はそちらのほうで買うことがほとんどになってしまった。エロス本はブックオフか、ダイレクトにポイントで買えるアマゾンや楽天?

いやいや駅直結テナントに入っている新刊書店なら、JR東日本のカード(僕は所有しておらず妻が所有)のポイントで本が買えないこともなし…。Tポイントを使えば、コンビニのファミリーマートやツタヤなどでも本が買えないこともなし。あぁ、アマゾンのポイントで年にエロ本を数冊ぐらい買えないこともなし? 女性店員のいるフェイスツーフェイスの新刊書店では買いにくい本は通信販売がいい?

とはいえ、田口氏は、アマゾン批判も展開。そのあたりは藤原正彦さんも持論を展開していたかと。それ以外、ちょっとリベラル臭が漂ってくる箇所もあるが、さほど気にはならない。
アマゾン以上に新刊書店にとって、図書館問題もあるだろうが、それへの考察批判?はあまりなかったような? 図書館問題になると、内野安彦氏&大林正智氏編の『ちょっとマニアックな図書館コレクション談義ふたたび』 (樹村房)なる本も紹介する必要が出てくるのだが、まぁ、これは後日に……。

この前、「高等教育に於ける若手女性教師の男子生徒に対する『体当たり教育』の実態」を学ぶために、ツタヤに久しぶりに出かけた。
厳選してひとつの作品DVDを選んで、レジに並んだのだが…。
人がいない? いや、奥のほうに一人いるのだが…。その手前、いつもなら数人のレジ係(女性多し)がいたのだが…。ふと見ると、自動貸出機が数点並んでいるのだ。

戸惑っていると、男子店員が操作の仕方を教えてくれた。
ツタヤカードがあるので、それをピっとかざして始まる。特定嗜好分野のDVDのバーコードもピっとやる。画面に作品名が出てきて、これを借りるのでいいかとか表示。
そしてポイント利用か、カード決済か…と表示。ポイント利用を押す。そして、最後に作品に着いている、ひっかかりのモノを外して借りる…。

最近は図書館も、貸出作業を利用者にさせる図書館が増えてきた(昭和45年以前の本は一切貸出してやらないと豪語する親方日の丸図書館こと中央区立図書館など)。本ならまだしもCDなど「表記」も小さくて、探すのが大変なようだが? しかもしゃがんででないと見られない棚にもしている。民間のショップなら、最下段などに棚は置かないだろう。親方日の丸図書館ならではの設置方法というしかない。しゃがんだりして、探していると、貧血を起こす人も出てくるだろうに…。

ツタヤも、DVDのみならずCDやマンガの貸出もそうしているのだろうか。書店も、大型書店は各階にレジを置かずに、一階に集中するようになってきた(池袋ジュンク堂は開店時からそうだったかと。神保町三省堂も最近そうなった)。さらには、機械式レジになるのか。スーパーも一部そうなってきている。ロボット店員導入の前に、バーコードとカードがあるなら、そういう決済も可能だろう。

ともあれ、人減らし、人件費抑制なのだろう。新刊書の荷物運びなどもロボットがやるようになる時代が来るだろうか?

引き続き、安野光雅氏の『本が好き』 (山川出版社)を読む。いろんな読みあさった本の思い出を綴ったエッセイ本。おおむね、楽しく読めた次第。

蛇足だが、ヘンリー・ヒッチングズ編の 『この星の忘れられない本屋の話』 (ポプラ社)。最後まで読んで読了したが、 『英国全古本屋ガイド』なる本を、1984年にある人(ドリフフィールド)が自費出版しているそうな(イアン・シンクレア「ボヘミア・ロード」--このエッセイは某古本屋の「閉店セール」のショックから書き始めている。日本の古本屋でも日常的に発生しているアクシデント…)。

このガイドには古本屋に対する短評も載っているようだ。野村宏平氏の『 ミステリーファンのための古書店ガイド』 (光文社文庫)と似た本かもしれない。野村氏の本が出た時、たまたま、地方に出かけることがあって、そこで紹介されている古本屋に寄ったものだ(今はもう閉店しているようだが…)。

「本が好き」ということは、「本屋が好き」「古本屋が好き」「図書館が好き」「本を書く人が好き」ということに繋がっているのだろうが、「アマゾンが好き」ということにもなり、そうなると…。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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冬休みの次は、春休みにこんな重厚長大本を読破したい? 積んどく本は増えるばかり
(2018・1・5・金曜日)




冬休みも終わり(?)、結局、「重厚長大」本はほぼ眺めて終わり。手頃な新書や単行本をひもとくだけ。言い訳ではないが(?)、6日間(12・29~1・3)の休み期間中、掃除やら仕事(書類読破)で、まぁ、20時間は費やしたかなと? これで、正味「二日の休み」は消えた? 残り、4日間では、ああいう本(下記)は読めない? まぁ、⑧と⑨は一応読破はしたが…。読破率2割?



①梶原みずほ氏の『アメリカ太平洋軍 日米が融合する世界最強の集団』 (講談社)。
②津山謙氏の『「軍」としての自衛隊 PSI参加と日本の安全保障政策』 (慶應義塾大学出版会)。
③アレクセイ・ユルチャクの『最後のソ連世代 -ブレジネフからペレストロイカまで』 (みすず書房)。
④⑤ハーバート・フーバー著  ジョージ・H.ナッシュ編 『裏切られた自由  フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症-上下』(草思社)
⑥大友一郎氏、庄司克宏氏編の『日本国憲法の制定過程 大友一郎講義録』 (千倉書房
⑦渡辺治氏&不破哲三氏の『現代史とスターリン -「スターリン秘史-巨悪の成立と展開」が問いかけたもの』 (新日本出版社)。
⑧中村うさぎ氏編集の『エッチなお仕事なぜいけないの? 売春の是非を考える本』 (ホット出版プラス)。
⑨金永煥氏の『韓国民主化から北朝鮮民主化へ ある韓国人革命家の告白』 (新幹社)。
⑩ダニエル・ゴールデンの『盗まれる大学 中国スパイと機密漏洩』 (原書房)。

読み残した本にさらに以下の重厚長大本を加えて、春休みには(そんなものが社会人にあるのか?)読破しようと今から計画を練っている次第。

①岩間優希氏の『PANA通信社と戦後日本汎アジア・メディアを創ったジャーナリストたち』 (人文書院)
②リチャード・リーヴス『アメリカの汚名 第二次世界大戦下の日系人強制収容所』 (白水社)
③武岡暢氏の『生き延びる都市 新宿歌舞伎町の社会学』 (新曜社)
④西川祐子氏の『古都の占領 生活史からみる京都 1942-1952』 (平凡社)
⑤林葉子氏の『性を管理する帝国 公娼制度下の「衛生」問題と廃娼運動』 (大阪大学出版会)
⑥阿川尚之氏の『憲法で読むアメリカ現代史』 (NTT出版)
⑦⑧ 『ジョレス・メドヴージェフ、ロイ・メドヴェージェフ選集 1 歴史の審判に向けて 上下』 (現代思潮新社)

⑨徐京植氏の『日本リベラル派の頽落』 (高文研)。この本はすでに読み進めている。ご自身の立場を「リベラル」と思っているようだが、読み進めている段階では、北朝鮮への批判も何もなく、悪いのは日本の権力…といった「左翼全体主義(コミュニズム)」への批判的視点は皆無のようだ? なにせ、和田春樹さんの慰安婦への視座もケシカランという御立場。「左翼リベラル」が頽廃・頽落していることを自ら証明しているかのような本だなと思いつつ一読中。

でも、その中で、 「あるタクシー運転手との会話」で綴られているエッセイは、ちょっと一読の価値はあるかなと。韓国に長期滞在している時乗ったタクシー運転手(日本語ができる年輩の人。2006年当時で古稀を過ぎているように見えたそうな)との体験記。日本統治時代を「懐かしむ」運転手と、日本人ではないものの在日の人間で、韓国語(朝鮮語)は流暢に話せない著者とのぎこちない会話から「故郷」と「国家」への記憶の矛盾などを論じているのは、「盗人にも三分の理」ではないが、「左翼リベラルにも…」といった感慨を受けた次第…。

⑩竹内桂氏編の『三木武夫秘書回顧録 三角大福中時代を語る』 (吉田書店)。これは面白そうな本だ。三木武夫さんの秘書だった岩野美代治氏へのオーラルヒストリー(一問一答型)。三木さんは、いろいろと評価の分かれる政治家だろう。リベラルなハト派政治家、バルカン政治家などと言われているが、僕はリベラル臭いといってもわりと好きなほうだった。この人の奥さんの「左派リベラル」傾向(北朝鮮礼賛)にはついていけないが…。
この本の奥付裏広告で、 『元国連事務次長 法眼健作回顧録』なる本もあることを知った。これもオーラルヒストリー本のようだ。國廣道彦氏の『回想「経済大国」時代の日本外交 アメリカ・中国・インドネシア』なる本もあるそうな。

外交官といえば、藪中三十二氏の『国家の命運』 (新潮新書)はイマイチだったが、元西独大使・曽野明氏の『ソビエト・ウォッチング40年』 (サンケイ出版)や元外務次官・法眼晋作氏の『外交の真髄を求めて』(原書房)などがすぐ浮かぶ。こちらの方がはるかに迫力ある内容だった。法眼氏は反ソではあったが中国に対しては若干歴史問題では宥和的な記述もあったかと記憶しているが。
そのほかに、元外務次官・村田良平氏の『村田良平回想録上下』『何処へ行くのかこの国は』 (ミネルヴァ書房)も憂国の書だった。古巣外務省への苦言、進歩的文化人やその背後で彼らを支援していた朝日新聞、岩波書店なども名指しで筆誅を加えているのも小気味よい。

ともあれ、読みたい本が続々と出てくる。積んどく本は増えるばかり。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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新潮社は田舎の少年を間違った道に導く名著を刊行した? 塩野七生さん、『相棒』の脚本家は17歳の時、何を読んでいたのか?
(2018・1・1・元旦・月曜日)






元旦はメールの一斉送信で新年の挨拶を送ろうと大晦日から家人にやり方を教わる…。しかし、どうもうまくいかない感じ。一瞬、挨拶文も用意しないまま間違えて「送信」を押したりしたものの、ナントカナントカで送れませんと表示が出るし。

元旦の朝も、いろいろとやっているうちに、とりあえずは「送信リスト」のアドレスをいくつかコピペして張り付ける。張り付けると、「名前」以外にいろんなものも張りついて。それを一つ一つ削除。面倒くさい? いかにも不必要なものをカットし、そして恐る恐る「送信」ボタンを押したら、なんとか行ったみたい。「届いた」という趣旨の返信もあったりして…。

元旦の朝食はいつものように台湾ビールとお雑煮。夕方は年に一回あるか二回あるかの回転しない寿司屋へ。もちろん「禁煙」。まずまずのお味。新年元旦ということで、寿司屋では祝い酒が…。日本酒は飲まないのを原則としているが(アンチ農協なので、不用意にコメの消費量を増やさないために? アマゾンで米5キロが税込1500円以下で買えるようになるまで?)、まぁ、タダならいいかと家人の分も合わせて呑む。久しぶりの日本酒の味。よく分からない。スペインワインのほうが美味しい)。

そのあと、近くのブックオフに寄るものの買いたいものはなし。せっかくの二割引きだが……。

元旦は産経と、コンビニで買った朝日新聞を見る。朝日は天声人語も社説もまぁ、人畜無害? 投書欄には相変わらず論説委員が書きたくても書けないトンチンカンな愚鈍系投書が幾つかあったが……。このあたり相変わらず…。

それにしても、芸能だのスポーツだのどうでもいい「お節記事」が朝日にも産経(?)にも…。その別刷一つ使って「読書特集」でもやればいいのに……。朝日は、一般紙面にかろうじて「一頁」、書評委員対談として、柄谷行人氏と横尾忠則さんの「何のため本を読むのか」という対談が掲載されていた。柄谷さんには知的な影響をあまり受けていないが、それはともかく、少しは参考にはなろう。

だが、別刷りのどうでもいいスポーツ記事なんかより、せめて、進歩的文化人の登場が多くてイマイチの読書特集ではあるが、「みすず」が毎年1月&2月の合併号でやっている昨年度読んだ本のお薦めリスト(&その理由)のようなものを特集紙面として掲載するぐらいの度量がないものかと思った。同じことは産経にもいえるが…。

そこそこの活字の大きさで、進歩的文化人も含めてでも、沢山の人員を活用してお薦め本リストを掲載すれば、朝日を定期購読していなくても、元旦だけは200円出してでも買おうかという人も出てくるのではないかしら。
「みすず」なんか、みすず系文化人は、みすず書房が稀に(?)出す良書(『スターリンのジェノサイド』など)は無視して推薦しないことが多いが、それでも数撃つ鉄砲下手…で、おや、そんな本があるのかという発見もある。質も大事だが、量も大事。新聞なんか、「量」的紙面を読者に提供してくれればいいのに……。

ともあれ、産経にも朝日にも二面に新潮社の書籍広告が出ていた。

「十七歳の出会い」との小見出しで、塩野七生さんが、17歳の時に、高校の図書館でホーマーの『イーリアス』に遭遇。夢中になってこの作品を読みふけり、「古代ギリシア人が”葡萄酒の海”と呼んだ地中海への憧れを募らせました」「彼女は”ギリシア風邪”に罹ってしまった」と周囲が心配したとのこと。

それが遠因で26歳の時に欧州に渡り…やがて『ローマ人の物語』『ギリシア人の物語』に繋がったという。

「十七歳の少女に夢と希望を与え、人生をも変えてしまった、一冊の本とのかけがえのない出会い--。今年も新潮社は『特別な一冊との出会い』をお届けしてまいります」とのこと。


ううむ…。塩野さんが読んだのは富山房の版だろうか。ともあれ、名著『イーリアス』か…。読んだことはないが……。

それはさておき、16歳~18歳のころ、どんな本を僕は読んだだろうか? ジキル本とハイド本。ジキル本は省略するとしても、新潮社といえば、宇能鴻一郎氏の名著『ためいき』をだしたのが1974年で、 『わななき』をだしたのが1975年だったか。そのあとの『すすりなき』は1978年の刊行。大学生になっていたか?

当時(1975年ごろ)、僕は純朴な高校生になったばかりのころ。新潮社は「十七歳(前後)の少年(僕)に、「夢と希望」というか、「悪夢と欲望」を与え、人生をも変えてしまった、一冊の本とのかけがえのない出会い--『特別な一冊との出会い』をお届けしてまいります」だったのではないかしら……。
『イーリアス』と『ためいき』『わななき』『すすりなき』……。

ちなみに『ためいき』は、こんな内容→快感を、教えて――芥川賞作家にして官能小説の巨匠、宇能鴻一郎が放つ、めくるめく官能シリーズ三部作・OL編! あたし、どっかにスキがあるみたいなんです。――会社の社員旅行で同僚に強引に襲われ、ドライブに連れていってくれた上司と立ち寄ったホテルで…。快感に目覚めた欲望は止まらない! 雑誌『週刊新潮』で連載され、多くの読者を虜にした“あたし”の奔放な官能体験!!


『わななき』はこんな内容→それだけじゃ物足りないんです……。――会社の上司に紹介されたお見合い相手と結婚し、新婚旅行ではじめて結ばれた夜。だけど、一度覚えてしまった快感はもう手放せない! 新妻は満足を知らずに、居候の義弟や水泳教室のコーチと……。

『すすりなき』はこんな内容→…。――離婚して、再び自由な独身生活。会社の同じ課のセフレとアパートのふとんの中で一日中過ごし、旅先で出会ったとある会社の支店長さんとおいしい食事に舌鼓をうち、カラダまで食べられちゃって…。熟れた女の魅力は男たちをひきつけて止まない! 雑誌『週刊新潮』で連載され、多くの読者を虜にした“あたし”の奔放な官能体験!!

ううむ。こういうのを中学生や高校生が読んでいては……。困った中年に誰がした?と言いたい? そもそも「週刊新潮」に連載していたではないか? ヤン・デンマンとともに、それを読んだらおしまい? 自己責任と言われればそれまでだが……。

とはいえ、17歳前後、進歩的文化人の愚鈍系の岩波新書や、それよりは少しマシな三一新書なども読みふけりつつも、徐々にまともな本や雑誌とも遭遇し、「反知性主義」からの脱却を計ってはいった……。宇能鴻一郎の世界からは逃れられず? さらに発展的な世界に…。

塩野さんは、17歳の時に『イーリアス』と出会い、26歳の時に欧州に渡り、爾来「五十年間」「歴史を『調べ、考え、再構築する』という歴史エッセイを書き続けてきました」…と。

ううむ、僕も、こんな書評コラムなら、30年近く書き続けてきたとはいえるだろうか? その原点は『ホメーロス』ではなく『ためいき』『わななき』『すすりなき』だったのか……。その違いに「ためいき」をつきたくなる?

それはさておき、元旦、テレ朝放送の『相棒』。妻は楽しげに見ていたが、どうやらハッカーやら共謀罪をネタにした反政府的、反内調的色彩をいろいろとまぶした娯楽作品のようだ。冒頭から、株価は上がっても実感がないわなんて女性に語らせていたし…。アベノミクスの効果も否定しようと躍起? 脚本家などにかなりの底意があるのかしら? 17歳のころ、日共系推理小説作家の小説ばかり読んでいたからなのかな? 特定嗜好分野の本ばかり読んでいると偏る? 読書は幅広くが肝心? まぁ、娯楽作品は娯楽作品として…?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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