古本虫がさまよう
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上野千鶴子さんの書評本を読むにつけ、それなりに参考になるけど、ジャン・フランソワ・ルヴェルの『民主主義国の終焉』 (芸艸堂)、『全体主義の誘惑』 (新潮社)、『グローバル・デモクラシー』 (青土社)や西岡力さんの慰安婦本も紹介されていればもっと良かった?
(2017・5・24・水曜日)




上野千鶴子さんの『時局発言! 読書の現場から』 (WAVE出版)を読んだ。

内容紹介→脱原発から国会前のデモまで。 社会学者、上野千鶴子が読みながら、走りながら、考えた。 日本社会の問題点が、この一冊で見えてくる!日本を代表する社会学者・上野千鶴子が選び出した、 時代の「いま」と伴走する書籍、論考たち。 日本社会を根底から揺るがす大きなうねりが続くなか、 読書を通じて、社会の問題点に鋭く切りこむ!

まぁ、かなりリベラル左派の視点からの書評エッセイ本。ただ、たくさんの本が出てきているので、ほぉ、そんな本があるのなら、読んでみようかなとも。読んでいる本は少ないし、同じ感想を持っているという本もあまり見当たらないが……。それでも「質」より「量」…。

書評や読書傾向は「個性」があって当たり前。とはいえ、無い物ねだりになるかもしれないが、 「『民主主義』はひとつではない」という本の紹介の中で、ジャン・フランソワ・ルヴェルの『民主主義国の終焉』 (芸艸堂)、 『全体主義の誘惑』 (新潮社)なんかあったら、なお良かっただろうにとは思う。彼の『グローバル・デモクラシー』 (青土社)なんかも名著。彼が語る「民主主義」こそ、より正しい民主主義だと思うから。単細胞的なデモ型民主主義礼賛の本ばかりでは偏った人間になりかねないから。

そのほか、 「現代史教育、軽視のツケ」という本の紹介コーナーではヘイトスピーチに惑わされる若者たちは「現代史教育」が軽視されてきたからという「定説」にのっとった本を紹介しているが、やはり、ここには、稲垣武さんの『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』 (PHP研究所)などもあわせて紹介されると尚良かったではないか。ヘイト・スピーチならぬ「逆ヘイト・スピーチ」というか、共産国家に「ラブラブ・スピーチ」をしていた愚かな人々の「現代史」の言論が紹介されており、「他山の石」として伝えるべき価値があるのだから。

慰安婦に関しても、 「火傷を負う『慰安婦』問題」のコーナーで熊谷奈緒子氏の『慰安婦問題』 (ちくま新書)を「目配りのよい好著である」としているが、これは朝日が慰安婦報道を若干反省する表明をする前に出た本だが、たしか、吉田清治問題などには触れていなかったかと。その意味で、左方面にちょっと「目配り」「気配り?」しすぎて?、その点はイマイチだったかと(末尾に批評再録)。

朴裕河氏の『帝国の慰安婦』 (朝日新聞出版 )や、茶園敏美氏の『パンパンとは誰なのか』 (インパクト出版会 )などは本欄でも「高く」評価しているので、違和感はないのだが。
せめて、西岡力氏の『よくわかる慰安婦問題』  (草思社文庫)ぐらいは紹介する度量があってもいいのでは? 関連書として、北朝鮮人権第3の道編の『北朝鮮 全巨里教化所 人道犯罪の現場 全巨里教化元収監者81人の証言を含む8934人による、北朝鮮の国内人権状況の証言集』 (連合出版)も。

サピオ編集部編の『日本人が知っておくべき「慰安婦」の真実』 (小学館)を紹介はしているが、 「20年前には抑制された夜郎自大なプロパガンダ本が、大手の出版社から刊行される時代の保守化に気が滅入る」という筆致には、こちらこそ「気が滅入る」というしかない。正しい事実を指摘するのを「夜郎自大」「保守化」と決めつける発想はいただけない。所詮、上野さんも、進歩的文化人・容共リベラルでしかないのかしら。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

(以下再録)
「慰安婦問題」は何が問題なのか?(2014・7・17・木曜日)


熊谷奈緒子氏の『慰安婦問題』 (ちくま新書)を読んだ。著者は1971年生まれ。
「あとがき」をまず読むと、文科省の科学研究費の助成なども受けてこのテーマを研究し、北岡伸一氏(国際大学学長)の助言を得ているとのことだから、左翼史観的な本ではないだろうと思って手にした次第。

「慰安婦」「アジア女性基金」などをめぐる保守派、リベラル派などの見解や対立に関して、的確に分析批評しており、知識の整理にまず役立つ本だった。
また、戦争による被害に関して、国家賠償や個人賠償などが、戦後どのような歩みをしていたのか、日本のみならず諸外国の例も綴られており参考になった。

ただ、いわゆる「従軍慰安婦」強制連行論争に関して、発端となった吉田清治(詐話師?)の著作や、それを提灯持ちした朝日新聞や、慰安婦と挺身隊とを混同して報じたりした問題についての考察がまったくないのはちょっと残念。逃げたのかな?
挺身隊が慰安婦のような働きを強いられたというのは誤解であり、「組織的に挺身隊が慰安婦に充当された証拠はない」との指摘はあるが、その誤解を拡散する記事を書いた朝日の植村隆記者の「誤報」には触れていない。
逆に「女性国際戦犯法廷」などという、いささかイデオロギー過剰の「裁判劇」を真面目に考察しているのは紙面の無駄だったか? 
そうした日本のかつての「戦争犯罪」ばかりをことさら追及したがる勢力の背後に、北朝鮮支援団体などがあるという報道もある。その事実に関して、的確か否かの考察なども本書にあればよかったのだが、残念ながらそれもない。

以前、大沼保昭氏の『「慰安婦」問題とは何だったのか メディア・NGO・政府の功罪』 (中公新書)を読んだことがある。また、吉見義明氏の『従軍慰安婦』 (岩波新書)や秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』 (新潮選書)や西岡力氏の『よくわかる慰安婦問題』 (草思社。同社から増補新版の文庫版もある)などもある。そのほか、何冊か「慰安婦」問題を扱った本は読んできたが、いろいろな視点の本を読むことは大事。
その意味で、山際澄夫氏の『すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」』 (ワック)は名著。熊谷奈緒子氏の『慰安婦問題』 が取り上げていない論点を網羅している。もちろん、山際氏が言及していない点もあり、それは熊谷氏の本で知ることも可能。両書の併読をお勧めしたい。

ベトナム戦争に於ける韓国軍兵士のベトナム女性に対する扱いがどうだったかなどの報道も最近散見されるが、韓国も天に唾するようなことをやっているから、そういう墓穴を掘ることもあろうか?

ともあれ、戦時に於けるそうした「慰安婦」問題は、強制であれ、なんであれ、褒められた話ではない。ただ、中学生レベルの教科書などで、日本人だけがそんなことをしたかのように書いて「自虐的」に貶めるのはやはりおかしい。
どの時代でも、どの国でも五十歩百歩のようなことがあり、それが徐々に改善されてきている‥‥ということを学ぶことは大事ではあろうが。

以下、一般論であるが、「戦後」の「平時」に於いて、ソ連や中共(文革)などが、満洲やモンゴルなどでやった強姦例などこそが、戦争犯罪ならぬ「人道に対する罪」であろうが、そうしたことへの考察はまだまだであろうか? 北朝鮮の収容所に於ける看守などによる女囚への強姦例も多々ある。北朝鮮人権第3の道編の『北朝鮮 全巨里教化所 人道犯罪の現場 全巨里教化元収監者81人の証言を含む8934人による、北朝鮮の国内人権状況の証言集』 (連合出版)などは貴重な史料である。

こういった現在進行形の、より悪の大きい問題にも、現代史や人権問題の研究者や人権追及カメラマンたちは関心を持つべきであろう。当然、「女性国際戦犯法廷」ならぬ「共産諸国戦犯国際法廷」も開廷されるべきであり、そのための「裁判資料」ともなる研究成果を提示するためにも若い研究者の、さらなる向上心に期待したい。


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小野寺五典さん、佐藤優さんも「微罪」で逮捕されたり有罪になったりしても、大臣、ベストセラー作家になったのだから、田母神俊雄さんもカムバック可能だろう。人生七転び八起きなり
(2017・5・23・火曜日)




昨日(2017・5・22)の読売夕刊に「田母神被告に有罪判決」「14年都知事選運動員買収」「陣営元幹部との共謀認定」「東京地裁」の見出しの記事が出ていた。
時同じくして、書店に田母神俊雄氏の『不徳を恥じるも私心なし 冤罪獄中記』 (ワック)が並んでいた。
帯に「強制捜査すれども横領容疑は不起訴!」「なんと、公職選挙法違反のみで169日に及ぶ不当な拘置生活!」「これは東京地検特捜部のまったくの勇み足!」とある。

もう一度、読売の見出しを眺めた。「運動員買収」で「有罪判決」なんだ。「横領容疑」で「有罪判決」ではないのだ。あれ、強制捜査みたいなことをやっていたけど、じゃ、あれは不起訴というか「無罪」というか、そもそも起訴されていなかったというわけだ。

公選法違反というと、以前、防衛大臣をやった自民党の小野寺五典さんも、かつてそれに違反してつかまったりしたことがあったっけ。

ウィイペディアによるとこんな経過だった。

選挙区内の有権者への線香セットの配布が、公職選挙法で禁止されている「寄付行為」に該当し、仙台地方検察庁に書類送検されたため2000年に衆議院議員を辞職。略式命令による罰金40万円の有罪判決を受け、公民権が3年間停止された

まぁ、線香セットの配布なんて、ちょっとしたご挨拶程度のものだろうが、公職選挙法違反になるといえば違反になるのだろう。瑣細な「罪」というのか、さっさと認めれば、この程度の「処分」で済むということか?
田母神さんの場合も選挙運動員に、ちょっと多めの謝礼を選挙が終ったあとから配布することを、法律違反と思わず、スタッフが配布していいでしょうと言われ、う~む、ちょっと待ってくれよと一応制止したのに、勝手に配布…。その責任を問われる形での公選法違反云々であったようだ。

公選法違反程度で「強制捜査」というのはふつうありえず、横領容疑が成立すると見込んでの大捜査だったようだが、それはちょっと空振り。やむをえずの公選法違反での逮捕起訴のようにも思える。

本書によれば、検事から「自白」を半ば強要されつつも、見に覚えがないということで一貫して否認。それもあってか、小菅に拘留されたようだ。170日近くも…。

東京都知事に出馬することになった経過や、60万票を獲得し、政治資金も4000万円ぐらい余り、次の参議院選挙に出馬しようと思ったものの、それを参謀格のスタッフが韓国バーなどで使い込み…。そしていろいろとスッタモンダがあったようだ。

ことの経緯は、詳述されているし、「小菅ヒルズ」でのいささか窮屈な生活にあって、体力維持、教養維持のために、自己研鑽している様子も描かれている。本も沢山読めたようだ(容疑者としての拘留のため、労役もない)。
ご自身も、脇が甘かった云々と自省もしておられるが、普通に本を読めば「無罪」かなとも思う人も少なくないのではないか。
田母神獄中ジョークなるものも披露されている。エロスネタもあるが、これが秀逸。笑える。

獄中記といえば、佐藤優氏の『獄中記』 (岩波現代文庫)を以前読んだことがある。こちらは田母神さんより長い512日間、拘留されていた。彼もある意味で、読書三昧だったかと? お二人の獄中記を読むと、「読書強制収容所」などがあれば、入ってみたくもなる? ちょっと硬い床やらいろいろと難点もあるが…。検察の取調べもあるみたいだが…。夜の消灯も早い(僕は早寝早起きだから、早起きできるなら夜9時消灯でもいいが…)。

何はともあれ、得るものがあれば失うものがあり、失うものがあれば得るものがあるのが人生。小野寺さんも「公選法違反」で「有罪」になったが、防衛大臣になった。人生、七転び八起き…。佐藤さんもいまはすっかり売れっ子の物書き。人生、負けてたまるか!といったところか。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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「痴漢の楽園」「痴女の楽園」「痴辱(恥辱)の楽園」はいかんが、「書痴の楽園」はいいではないか? ともあれ、エフトゥシェンコさんも渡部昇一氏さんも4月に亡くなっていたのか…。(2017・5・22・月曜日)




昨日(日曜日)は、自宅で仕事(書類整理)。面白い「書類」相手なので苦ではないのだが、その間にもいろいろと仕事がらみの電話がかかってきたりして中断。
高知に旅行に出かけていた家人も夕方に帰宅。 おみやげは「野根まんじゅう」。これを買うなら「浜口福月堂」の「野根まんじゅう」に限る。類似品にはご注意を!?

ふと、目を休めさせよう、ネットでふふふのモノでも見ようかと思って「恥辱の楽園」とか「痴女の楽園」とか打ってみた。ふうむ…いろんなものが出てくるなと思いつつ、 「痴漢の楽園」と打とうと思ったら、打ちミスで「書痴の楽園」となってしまった。すると、 渡部昇一『書痴の楽園』 DHCテレビなるものがトップに出てきた。そういう番組があると聞いたことはあるが、見た記憶がなかった。

そもそもパソコンでテレビ的なる番組が見られるということもよくは知らない。それをクリックしてみると、面白い。タレントの宮崎美子さんは、別の衛星放送番組でも「本」がらみの番組のキャスターみたいな仕事をしているのを拝見したことはあるが、こちらは「書痴」の渡部昇一さんをメインに、宮崎さんが聞き手の形で、渡部さんの自宅の書庫などを探索するシーンも出ていた。古本屋のご主人なども登場。何十回も放送されているようだ。

ざっと14~15万冊の本が蔵書として書庫におさめられているとのこと。ううむ、我が家も1・5万冊はあるか? 上京して40年。一年1000冊ぐらい購入していたら、4万冊? 一日一冊は読んでいたから、1・5万冊+αはあるか? いやいや、処分した冊数もそこそこあるし、図書館で借りたりすれば、蔵書にならないから…。 それに「文庫」なども入れての冊数。渡部さんの書庫にも、いしいひさいち氏の漫画やゴルゴ13などもあるようだが……。フランス書院文庫はないだろうなぁ。我が家も大分棄てたが、それでも百冊以上はある?

ともあれ、 『カンタベリー物語』か何かの初版本がほしくて、買いたいと思ったけど、なんと3800万円もする。まもなく上智大学を退職する予定だったので、退職金がいくら貰えるか聞いたところ、それでなんとか買えるようだと判断して購入することにしたとか……。
ううむ。私立大学の当時の定年は古希ぐらいだっただろうか? 今から十数年前で、少なくとも3800万円以上の退職金があったというのは、恵まれているほうだと思うが、それを一冊の本に注ぎ込むとは…。奥様は本を買っても怒らない奥さんだったとのこと。ううむ……。我が家とは、退職金の金額も、蔵書数も、妻の度量もすべて大きく異なるようだ。そんな画像をついつい見とれてしまった……。
我が家もスライド式(手動)の本棚はあるが、渡部家は機械式。とにもかくにも、立派な書庫・書斎だった。立花隆氏や猪瀬直樹氏の「書斎」「書庫」も敵わないだろう。圧巻!
  
それはさておき、2017年5月17日付け産経新聞の安井侑子氏のエッセイ(見出し「時代を疾駆したロシアの詩人」「追悼」「エウゲニー・エフトゥシェンコ氏」)で知ったのだが、エフトシェンコが2017年4月1日に84歳で死んでいたとのこと。渡部さんより2歳ほど若く、二週間ちょっと早く亡くなっていたようだが、ほぼ同世代。

エフトシェンコといえば…。まぁ、反体制派詩人のような、そうでないような微妙な立ち位置だったか…。

産経の安井氏のエッセイでも、エフトシェンコの立ち位置に関しての評判が書かれていた。当局の犬とか?  いやいや、自由を愛する詩人だとか。     
彼の『早すぎる自叙伝』 (新潮社)を読んだのもかなり昔のこと。

エフトシェンコさんはたしか若い奥さんを連れて1992年に来日していた。イイノホールだったかどこかでスピーチを聞いた記憶がある(が、なにせ25年前)。当時存命だった、ロシア文学者の木村浩さんは、エフトシェンコに対して、中立というか、 『収容所群島』 (新潮社)の著者ソルジェニーツィンの訳者らしく、冷やかな眼で彼を見ていた。

1992年1月号の「諸君!」に、両者の対談、 「大論争ソ連知識人74年の選択”反体制詩人”はなぜ生き延びたか」が掲載されている。

タイトル脇の冒頭のリードが、 「あなたは、反体制の看板をクレムリンに利用されたのではないですか」(木村)、「木村さんは、亡命者や殺された作家しか愛せないのですか!」(エフトシェンコ)となっていることからも自明。

エフトシェンコさんも、木村浩さんやソルジェニーツィンや渡部昇一さんと天国で仲良く語り合っていることだろうか?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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ジョナサン・フランクリンの『イートン校の2羽のフクロウ』 を手に、 神田古書会館近くでスズメの死体を見て、クレア・キップスの『ある小さなスズメの記録--人を慰め、愛し、叱った、誇り髙きクラレンスの生涯』を思い出しつつ、故人を偲び、小鳥グッズでソックスを物色し、刀根里衣氏の『なんにもできなかったとり』にためいき(2017・5・21・日曜日)





昨日(土曜日)東京周辺はかなり暑い日。ジャケットはいらなかったが、知人のお別れ会(昼食)があったので、礼服ではなくノーネクタイなれども、夏ジャケットを羽織って出かけた。

その前に最終日の新橋駅前の古本市へ。

相変わらず「建屋のない原発」同様の遮蔽壁がほとんどない「青空喫煙所」があって、そこからは放射能、いやオナラの悪臭に匹敵する(?)悪臭が、その近くにある古本市のブースにまで漂ってきている。本当に港区のお役所というのはバカ揃いなのだろう。こんな中途半端な青空喫煙所を設置して「分煙」していると思っているのだから。もう少し「壁」を作るなり、考えろといいたくなる。

さらには、その青空喫煙所の周辺にある「ビッグブラザー」ならぬ大型画面から、ひっきりなしにコマーシャルの音声がビッグボイスで流れてくる。うるさいってもんじゃない。ブックオフの店内より酷い

なにしろ、第一興商なる「ブランド」の画面からは演歌などが流れてきて最悪。高円寺の某商店街より酷い(ここはまだ歌詞がないメロディだけだから…)。
こんな騒音を野放しにしている点でも、港区区役所は環境美化政策において、徹底的に遅れており、愚鈍というしかない。呆れてしまう。
ということもあり、買いたいものはなし。こんな騒音の中で、古本市を開催している古本屋関係者に同情するしかないが、関係者も、商売の敵でしかない、騒音、悪臭の「規制」をするように当局に働きかけるべきだろう。

新橋駅から地下鉄で会場に移動。昼食会に出席し、故人を偲ぶ。

そのあと、神保町へ。新御茶の水駅から、テクテクと歩いて古書会館に向かう途中、足元にスズメの雛の無残な「死体」が…。巣から落ちたのかと空を見上げたが、電柱がある程度。人の足にでも踏まれたかペシャンコになっていた。かわいそうに…。と思ったのも、ちょうど車中で、鳥関係の本を読んでいたから。ジョナサン・フランクリンの『イートン校の2羽のフクロウ』 (エクスナレッジ)。英国イートン校の生徒が、フクロウの雛を偶然保護し、学校の寮にまで持ち運んだハプニングなどを綴った本。面白い。イートン校も覗いたことがあった。もう10年以上昔か。近くに古本屋があったなと?

スズメといえば、クレア・キップスの 『ある小さなスズメの記録--人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯』 (文藝春秋)という本を紹介ずみ。こちらのスズメは死ぬ寸前だったところを人間に拾われたのだが…。その本のことを思い出しつつ、哀れにも死んでいるスズメをしばし見つめてしまった。

ともあれ、古書会館へ。

富重義人氏の『世間さま御注目! ある男の銀座PR戦戦記』 (中経出版)、ザカリアスの『密使 米國の対日諜報活動』 (改造社)、川崎景章氏の『折戸日記  高等商船学校生徒の記録』 (非売品)、黒田三郎氏の『赤裸々にかたる  詩人の半生』 (新日本出版社)を購入。しかし、あとで不安に思って本欄を検索すると、ほとんどの本を持っていたようだ……。ううむ…。晩飯数回分に無駄金を出費したようだ。バカというしかない。

そのあと、仕事場に移動し仕事。

夕方、知人と総武線某駅で待ち合わせ。駅構内に出来た小鳥などのグッズを扱う店を少し拝見。インコ系小鳥のイラスト入りのソックスなどいろいろとある。女性向けの店なのか、ソックスは25センチ止まり。これでは履けない。27センチは欲しいもの。買えず。そのあと、食事(全席禁煙店)して帰宅。

夜、刀根里衣氏の『なんにもできなかったとり』 (NHK出版)を読んだ。絵本。

内容紹介→「なんにもできないことの豊かさがキラキラあふれてくるようです」――吉本ばなな(帯より)
絵本作家・刀根里衣の原点であるイタリアデビュー作。なにをやってもうまくできない不器用な一羽のとり。そのとりは、当時、無力感を抱いていた作家自身であった。生きるとはなにか、幸せとはなにかを考えさせられる結末に、心が震える――。作品を手にしたイタリア人編集者が、ページを閉じた瞬間に出版を決めたという感動作。

まぁ鳥もいろいろ。とはいえ、生きてこそ人生(鳥生?)。生まれてすぐに死んでは…。それでは本当に「なんにもできなかったとり」になってしまう。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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小松左京の『アメリカの壁』をトランプ世界と交錯させるのは面白いアイデアだけど、どちらかといえば『ベルリンの壁』『板門店の壁』と比較して、読みこなすほうが知性的ではないのかしら
(2017・5・20・土曜日)






小松左京氏の『アメリカの壁』 (ケイブンシャ文庫)を読んだ。文春文庫もあるらしい。といっても、これは数編の短編小説が収録されており、巻頭の「アメリカの壁」のみを読んだところ。

小松さんというと『復活の日』 (角川文庫)なとは、映画も原作もリアルタイムで読んだ(見た)程度。中学生の時、『日本沈没』 (カッパブックス)を愛読したことはあるが、SF小説はあまり関心がある分野ではなかった(ほかには星新一さんとかを少し読んだ程度)。地球寒冷化が議論されていた時、編著で1974年に『異常気象 地球が冷える』 (旭屋出版)という本をだしている。これはどう評価すべきなのかな? 

いま話題(?)の文藝春秋から、急遽電子板で、これが刊行されたので、目に止まった次第。というのもこんなふれこみ――――――。


SF界の巨匠・小松左京はアメリカが「壁」に 囲まれるのを予言していた? 注目の小説『アメリカの壁』を電子書籍で緊急発売!
 株式会社 文藝春秋は、『日本沈没』『首都消失』等で知られる、日本を代表するSF作家、故・小松左京氏の短編小説『アメリカの壁』電子版を2月10日に緊急発売いたします。
 今からちょうど40年前の1977年に発表されたこの作品には、「輝けるアメリカ」「美しいアメリカ」というスローガンを掲げて当選した孤立主義者のアメリカ大統領が登場します。そして突然、出現した「壁」によってアメリカは、外の世界との交通、通信が一切、遮断されてしまう、という設定です。

 この小説が、トランプ大統領が就任した後のアメリカを思わせることから、京都新聞のコラム「凡語」が紹介(2017.1.27掲載)。ネット上でも「いま読んでおくべき」「現実がSFに近づいた」と話題になっています。
 1982年に文春文庫で発売された短編集にこの作品は収録されていますが、その表題作『アメリカの壁』1作を抜き出し、電子書籍として単独で発売いたします。
 アメリカの“今”を理解するために、ぜひお読みください。


●小松左京ライブラリーからのコメント●
「アメリカを世界から完全に切り離すことで、その真の存在価値と、秘められた闇を描いた「アメリカの壁」 。
『日本沈没』は日本だけが沈んでいく、世界からもうどうしようもなく消えていくって話なんだけど、世界最大最強のアメリカを消そうにも沈没させられないから、「壁」にしたんだね。(『小松左京自伝』より)

 史上最強の超大国は、経済、軍事、外交、様々な形で全世界と結びついており、日本は、その関係性がもっとも深い国の一つです。
 新たなリーダーの登場で、かつてない道に進もうとするアメリカの闇を理解するためにも今こそお読みいただきたい作品です」
●作品あらすじ●

 突然、出現した「壁」によってアメリカと外の世界との交通、通信が一切、遮断されてしまった。にもかかわらず、「アメリカは生きつづけるだろう」と語る大統領のもと、アメリカ国民は意外な落ち着きをみせていた。アメリカに閉じ込められた日本人ライターは、こうした状況に不審感を抱き、真相を探りはじめる。

●本文より●

「――新しい意味での孤立主義者であった現大統領、この“すばらしく、美しく、ゆたかで、新しく、自由なアメリカ”を、汚れ、古び、混沌として厄介事だらけの“旧世界”から、切りはなしたい、と考えつづけていた大統領は、とんでもない事を思いついた……。」

「アメリカは、“外”の世界に、ひどくいやな形で傷つき、萎縮(シュリンク)しはじめた。そいつは認めるだろ? 今の大統領は、その方向をさらに強め、妙な具合にカーブさせた。彼は”幸福な新天地時代“のアメリカのノスタルジイに訴え、そこからの再出発を考えているみたいだった。」



大統領のフルネームが、モンローとか、パトリック・ヘンリーとかかつての「愛国者」と同じ名前にしたりしたあたりがミソか?  「ヘンリイ・パトリック・ジェイムズ・モンロー」と…。かといって、さほど、トランプとの類似性があるとも思えない。トランプが、メキシコ国境に「壁」をつくる云々と主張していたので、かろうじて「壁」の類似性があるかもしれないが。

まぁ、文中、アメリカは資源も豊富で、アメリカを当てにしすぎていた日本なんかは大変になるだろうが…なんて描写があるあたりが…ということだろうか?

僕にはあまり、ピンとくる内容ではなかった。

小松左京氏も、1974年に、編著として『異常気象 地球が冷える』 (旭屋出版)という本を刊行している。このころは地球寒冷化論が「流行」していたのだろう? いまの逆?  『アメリカの壁』が刊行されたのは1977年というから、サイゴン陥落(1975年)の直後。内向きのアメリカ云々といった論考は多々あった。

最近、新作『舞台をまわす、舞台がまわる – 山崎正和オーラルヒストリー』 (中央公論新社)を上梓した山崎正和さんなんかが、 『病みあがりのアメリカ』 (サンケイ新聞出版局)などを刊行していたかと。1975年だったか、。リアルタイムで読んでいたっけ? いやいや古本屋で買って大学一年の夏休みごろに読んでいたっけ? もう40年近く前のこと。記憶が薄れている。あのころ(いまも?)、山崎正和さんは嫌いじゃなかった?

『アメリカの壁』は、閉じ込められた日本人が、脱出を試みようとして、飛行機に乗って…というところで終る。これって、どちらかといえば、 「ベルリンの壁」に閉じ込められた東欧の世界では? 「壁」で国民を閉じ込め、そこから脱出しようとすれば、国境兵士が容赦なく射殺したシーンを彷彿させるから。いまなら「板門店の壁」などに覆われている北朝鮮ワールドではないか。脱北者を射殺する金王朝こそが『アメリカの壁』と対比させるべきでは?
オーウェルの『1984』といい、この作品といい、現実世界に厳然とリアルタイムで存在しているものと比較するのではなく、あやふやなものと対比させるのは、いかがなものかとも?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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